一人飲茶を堅尼地城で楽しむ 香港一人旅で食べたもの その3。

公開日: : 最終更新日:2018/10/17 旅人への道, 食べること

hongkong-foods-17

年末から続いていた香港一人旅記録、今回がラストです。

香港年末一人旅 クリスマスの過ごし方。

ローカルな食堂狙いが多いいつもの一人旅とは違って、今回はホテルのラウンジで飲んだり、テイクアウトを活用したりもしましたが、香港ならではの食事も楽しんでまいりました。

香港に来たらやっぱり、一度は飲茶したいよね。

早朝3時開店 新興食家で朝の一人飲茶

hongkong-foods-5

昼や夜に外食するとなるとどうしても酒を飲んでしまうもので、お茶と点心を楽しむ飲茶は朝にいただくことに。しかも、まだ薄暗い早朝、トラムの始発に乗るという気合の入りようです。

hongkong-foods-6

早朝5時台のトラムがかなり混んでいて驚く。みなさんお仕事へ向かわれるのでしょうね。

さて、私が目指すのはトラムの西側の終点、堅尼地城。

香港年末一人旅 東の筲箕灣、西の堅尼地城。

目当ての店の営業時間は早朝3時から午後4時まで。ならば開店すぐに、とも思ったのだけれど、まあそこまで頑張らずとも始発でいけばいいじゃないと思い直したのでした。

hongkong-foods-15

反射して見えにくいけど、営業時間も書いてますね。いざ入店。

hongkong-foods-9

早朝6時というのにこの混雑。ほぼ満席の店内でひとつだけ空いていた入り口すぐのテーブルにとりあえず座ってみる。座ってみた、けど、おねえさんは全然構ってくれない。ガンガン目があってるし、気付いている気配はするけれど、軽く放置。これはこちらから何かアクションを起こすべきなのだろうか.。

この店のお作法を確認すべく他のテーブルの様子を伺っていると、会計を済ませたおじさまに

「こっちの席に移動しろ」

と、身振り手振りで導かれ、さっきまでこのおじさまが座っていたひとつ前の席に移動。すると店のおねえさんがすぐさま片付け&私のセッティングに来てくださったのでした。ありがとう、見知らぬ兄貴。

hongkong-foods-8

上手にできないなりに、人真似しながらぎこちなく湯飲みや箸を洗う洗杯(サイプイ)を。その昔は文字通り衛生面を考えて「洗って」いたようですが、キレイな食器が準備されている現代では儀式的な要素が強いのでしょうか。丹念に洗っている方と、洗杯の容器はいらないよ、とあらかじめ申告(多分)している方が見受けられました。

hongkong-foods-10

そうこうしていると、私の正面に爺さんが着席。相席ゆえ私と同じタイミングで茶が注がれたので、あとはこの爺さんに習って店のリズムを掴めばいいや。などと思っていたのですが、爺さん動かざること山の如し。茶を飲むことすらせず、ただ目を閉じてじっと座っている。瞑想しに来たのかしら。

奥ではせっせと焼売やら餃子やらを包んでいる様子が伺えるのに、蒸し上がりが回ってくることはなく、相席爺さんも、他の卓の客もオーダーしている様子もない。あれえ?どういうシステムなのだ?

などと茶をすすりながら呑気に見学していると、ようやく蒸籠を重ね持ったおねえさんがやってきた。中身は何かよく見えないなあ、肉の蒸したヤツ、かな?と、覗いたところで爺さんこれを素早く選択、お姉さんに何かを告げました。山が、動いた。

爺さんはご飯をオーダーしたようで、先ほど取った肉らしきものを乗せどんぶり状に整え、ワシワシっとやって風のように去って行きました。なるほど、そういう使い方もあるのか。

hongkong-foods-11

などと感心しつつ回ってきた蝦餃をもらう。

飲茶って、複数人数で来てワイワイ話しながらざぶざぶ茶を飲む、みたいなものなのかと思ってたけど、ここはほとんどが一人客。爺さんはモーニングどんぶりだったし、見るからに大食漢といった感じの体格のいい若者はちょっと心配になるくらい叉焼包を連打し続けている。ただただお茶をすすっているだけのご婦人もいるし、へえ、香港の人にとっての朝の飲茶ってこんな感じなのか、と新鮮な発見。

hongkong-foods-7

高級店のワゴン飲茶とか大箱宴会場みたいな店とか、今までも飲茶の店には何度も行ってきたけれど、こういう普通の朝ごはん的飲茶体験は初めて。

hongkong-foods-12

そして蝦餃が旨い。香港に来てから海老ばっかり食べてる気がするけど、旨い。

hongkong-foods-14

店内奥のキッチンだけではなく、入り口すぐのレジ横にもこのように蒸籠が重ねられていて、ここから選んでテイクアウトをしていく人も多かったです。私もちょっくらお宝探し。

hongkong-foods-13

焼売を取る。これもかなりよい。

焼売をハフハフしていると、入店してきた若い男性が突然相席のご婦人に干しエビのプレゼンテーションを始めたので驚く。ご婦人が買いたそうにしていて、これまた驚く。

みなさん顔なじみなのか、それとも初対面なのかよくわからないけど、早朝から老若男女がガチャっと集うこんな場所、日本にはあんまりないなあ。ああそうか、日本は朝食を毎日外で食べるという文化がないからか。いやいや、勉強になりますね。

お茶もお代わりしてかなりゆっくりしたけれど、朝だし、点心4つ入りだし、結構デカイしであまり食べられず。毎日通えるなら今日の気分の蒸籠を選べばいいけれど、こちとらごくたまにしか本場の飲茶を味わえない旅行者。一人だとあれこれ食べられないのが悔しいところですが、楽しかったので満足です。また香港に来る機会があったらここでの飲茶に再チャレンジしたいなあ。お会計は70HKD(=約1,050円)くらい。

hongkong-foods-16

食後は海沿いを散歩。

hongkong_tram2_6

なんという清々しい朝。早起きした甲斐がありました。

  • 新興食家

甘味類、そして行けなかった気になる店たち

hongkong-foods-21

どうしても飲酒に偏りがちなので、香港スイーツ的なものはあまり食べなかった今回。でも、「餅家」の看板が目に入るとうっかり引き寄せられてしまいます。

hongkong-foods-22

ヴィクトリアパーク付近で買ったエッグタルトとチキンパイ。香港のちょっと粉っぽい食感のタルトやパイって、結構好みなのです。ふたつで18HKD(=約270円)だったかな。

初めてのソルティエッグタルト

hongkong-foods-18

SOHO散策時にふらっと入った餅家でも餅を買う。

hongkong-foods-19

定番の老婆餅(wife cake)と、salty egg tart。ソルティエッグタルトって、エッグタルトのエッグ部分が塩味なのかな?などと勝手に想像して、現物見ずに表示だけ見て買ってびっくり。これ、塩卵がそのまんま中に入ってるんですね。初めて食べた。

  • 泰昌餅家

懐かしい甘さのカステラ

hongkong-foods-41

こちらは西營盤散策中に目に止まったカステラのショーケース。店内が若者で異様に繁盛していて、みんなこのカステラでお茶を飲んでいるように見えたので、へえ、今の若い人もこういうシンプルなお菓子を好むのね。なんて思っていたのですが、違った。ここ、カステラだけじゃなくてお汁粉などの香港デザートがいろいろある甘味の店だった。

hongkong-foods-42

ひとつ8HKD(=約120円)のカステラも、素朴な美味でした。ちょっと懐かしいような、ほのかな甘味。

  • 源記甜品專家

ワインのお供に甘いパン

hongkong-foods-45

こちらはホテルの近くのオシャレ系ベーカリーショップ。もしや外資系ブランドかしらとざっと調べてみたところ、香港のベーカリー、なのかな?

hongkong-foods-46

カラメルカスタードクリームバケットなどというやたら甘そうなパンを買ったのは、既に酔っていたからです。ホテルで赤ワインのお供にしました。かなり甘かったけど、これがなかなか。しかしデタラメな飲み方してるなあ。

  • PAPER STONE BEKARY

皇后街熟食市場が気になる

hongkong-foods-28

ホテルの近くには皇后街熟食市場なる楽しげなフードコートがありました。中華はもちろん、イタリア料理、タイ料理、インド料理などの店が入っています。

hongkong-foods-29

ランチタイムにちらっと下見して、ここ、楽しそう!と目をつけていたのに、結局ここでは食事ができず。酒も飲めるらしかったのに、タイミング合わずで残念無念。その他、ホテルの目の前の蓮香居というレストランの飲茶も評判がよろしく気になりました。

なんだかんだでホテル近辺で楽しめた今回。上環を拠点とした香港一人旅、これはよい選択だったかも。

香港一人旅 見晴らし抜群でおすすめ、海沿いのホテル。

以上、ダダダ〜っと駆け足でお送りした香港一人旅の食記録でした。

しかし香港は何回も来ているとはいえ、今回の旅記録は見事に散歩と食と酒ばっかりですな。まあこういう何にもしない、ちょっともったいないような旅が、一番好きなんですけどね。

 




関連記事

栃木の酒 益子高館山 権現で晩酌 秋鮭の蒸し焼きおろしポン酢、水戸納豆。

順調に歩を進めている酒の旅。 旅、と言っても毎回いろんな土地の酒を選んで呑む、というだ

記事を読む

ニラ納豆

食べて飲んで、人体実験。

なんだかんだで観終わった後にセンター街を抜けるのは気分的にしんどかった。 関連 見習う

記事を読む

秋刀魚の梅煮

秋刀魚の梅煮、オクラ長いもポン酢献立。

青魚食べたい。 最近店先で丸々とした鰺を見かけるたびにそう思っていたのですが、現在の調理環境は

記事を読む

ボイルドレバー

ワインで家飲み トマトとヨーグルトのサラダ、ボイルドレバー。

久しぶりにワインを仕入れました。 おかげで朝から今夜はワイン、ワイン、と、周りから見る

記事を読む

一人暮らしの家飲み

鰤と小松菜の香味蒸し、三つ葉奴で家飲み。

Back to the basic. 約1ヶ月の旅を終えて無事帰宅。というわけでいつも

記事を読む

眉山ロープウェイと3色の徳島 高速バスで行く徳島の旅 その3

鳴門公園、一番札所・霊山寺を経て、徳島駅に到着しました。 神戸から高速バスで行く徳島の

記事を読む

荷物の少ない旅、移動のお供に最適なツール。

移動中は睡眠時間に充てることも多いのですが、今回はいいタイミングで移動や乗り継ぎの暇つぶしに

記事を読む

肉団子鍋

肉団子鍋で家飲み。

この冬の家晩酌は鍋もの率がやや低めだったような気がします。おそらく、理由はふたつ。帰省時の鍋

記事を読む

にんじん炒め献立

にんじんの炒めもの、三ッ葉と油揚げのおろし和え献立 。

先日にんじんを爆買いしたんですよ。 まあ「爆」ってのは嘘なんですけど。単に買っただけ

記事を読む

国菊 カップ酒 人魚

福岡の酒 国菊 人魚カップで晩酌 蒸し鶏のトマトマリネ添え、オクラとわかめのスープ。

ジャケ買いは好きなほうです。 と言っても近頃はCDショップで気になるジャケットを手に取

記事を読む

Comment

  1. lei より:

    なんて素晴らしいラインナップ。
    ここの飲茶はいまだ行く機会がなく、いつかのお楽しみです。
    オサレ風パン屋さんはウエスタンマーケットの斜め向かいですね。
    熟食中心のイタリアンは有名ですし、隣のカレーや潮州料理のお店もなかなか渋いです。
    源記、古くからある香港スイーツのお店です。
    杏仁茶(ここのは杏仁霜かな)は喉にも良いですよ。
    甘いスープの中にゆでたまごがごろんと入っている、日本人的にはぎょっとするものもあります。

    オフィス近くのエリアで知ってるお店が盛りだくさんだったので
    ついついコメントしてしまいました。またいらしてくださいね。

    • crispy-life より:

      leiさん

      リアルな香港をご存知のleiさんにそう言っていただけるとなんだかうれしいです!でも、実は書いていないところでそれなりにハズレも引いてしまっているのですよ〜。全問正解というわけにはなかなかいきませんが、それでも今回の旅でようやく香港の食とちょっとお近づきになれたような気がします。

      今回散策したエリアがとても気に入ったので、また機会があったら上環を拠点にうろうろしたいなあ、今回行けなかった店にも行ってみたいし、などと、leiさんブログでカラフルなトラムの写真を見て思ったのでした。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

2024年、買ってよかったものベスト3。

もう3月ですが、1年間の買い物を振り返る恒例行事をば。早いも

確定申告完了で考える、50過ぎ キャリアのカウントダウン。

2024年度の確定申告が無事終了しました。 普段からキ

韓国・釜山一人旅で食べたもの、その2。食堂大好きパンチャンハンター。

釜山旅行の食記録、まだまだ続きます。韓国・釜山一人旅の食事 

乾燥しすぎて粉を吹く女のお手軽保湿方法。

こんにちは、乾燥肌です。寒いですね。真冬、ですね。 と

韓国・釜山一人旅の食事 その1。 釜山名物をたしなむ。

年をまたいでしまいましたが、韓国・釜山旅行記の続きです。韓国

→もっと見る

PAGE TOP ↑