もう働きたくないんです。

公開日: : 最終更新日:2020/08/14 これからの働きかた, ミニマルライフ

chiayi-hotel-12

完結していない長編漫画を読み続けるのが苦手です。

30巻くらいまで出ていて、今なお連載中で、数ヶ月に1度発売される単行本を待って読むことができない。待っている間にそれまでのストーリーを忘れてしまって、また少し戻って読んで、とかしなくちゃいけないのをもどかしく感じてしまうのです。

そんな私が過去に珍しく追っかけ方式で読破した100巻超えの長編漫画。年末年始にキャンペーンで全巻公開されていたので、うっかり読んでしまったじゃないか。

おかげで新年の予定が狂いました。

もう働きたくないんです

shinbashi_5

先日友人の20代後半の女性に

「もう働きたくないと思っているんです」

と告白されて驚く。

心身に問題を抱えているわけでも、特別な事情があるわけでもない。でも、大学卒業後真面目に会社員生活を続けてきた結果生まれた正直な気持ちがこれ。彼女は既に昨年で仕事を辞めていました。

彼女の「働きたくない」をさらに詳しく聞いてみれば、何も遊んで暮らしたいとか、さっさと結婚でもして誰かに養ってもらいたいという意味でのそれではなく、苦手で不向きだと思われるお勤めをせずに生きていく方法を模索したい、という考えのようでした。

15年くらい前の私なら、満員電車が辛いだなんて何を甘えたことを言ってるんだ。年を取って手遅れにならないうちにさっさと再就職先を探しなさい。と言ったかもしれないけれど、ああ、なるほどね。まあそういう方向性もアリなんじゃないの、と思う。

40代、50代の望まない転職・再就職事情。

そう感じるんだったらもう仕方ないよねえ、と思う。

「都会の便利な生活にさほど執着はないし、自給自足にとても興味がある。自分の食い扶持をどうにか稼いで静かに生きていくつもりなら、フルタイムで働くことにこだわらずどうにかやっていけるのではないか、って」

そんな生き方を本当にしたいのならば、彼女が望むライフスタイルを構築するのはさほど難しいことではないでしょう。

実際にその生活を手に入れてみたら思っていたほどは楽しくはないかもしれないし、後々こんなはずじゃなかった、と今の選択を後悔する可能性は大いにある。でも、誰に指示されたのでもなく、自分で選んだ結果の失敗だったら納得もいくんじゃないの、と言っておきました。

なんだか冷たい言い方だけど、何事も「自分で決める」って重要だし、それができるのは幸せなことだしね。

働かず、お金がなくてもそれなりに生きていける時代

ipod_code1

先日「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」を読んで、ああ、彼女もこういうことなのかもしれないな、と思いました。

なぜ、あなたは稼ぐために頑張れないのか?あなたは「上の世代」と違い、生まれたころから何もかもが揃っていたので、金や物や地位などのために頑張ることができません。埋めるべき空白が、そもそもない「乾けない世代」なのです。

特に変わった趣味を持たないのであれば、普通に楽しく生活するためのお金はそんなに必要ない現在。安くてかわいい洋服は簡単に手に入るし、手頃な値段で美味しいものを食べさせる店なんてたくさんある。ネットさえ繋がっていればあらゆる情報にアクセスできるし、興味ある分野を学ぶことだってできる。単なる暇つぶしの方法だって無限に見つけられるでしょう。

18歳から42年間引きこもり 「テレビを見てたら60歳になっていた」

実際、私だってこの本をAmazonで無料で読んでるし、正月にうっかり読破した100巻超えの任侠漫画も合法的に全巻タダ読み。動画ストリーミングのウォッチリストは毎日映画を見続けても一向に減らず、まさにクラウド積ん読状態。

バブルの残り香を嗅ぎながら生きてきた私でさえこんな状態なのだから、物心ついた時から全てが揃っていた若い世代の人たちが、稼ぐことにそう必死になれないのもわからなくはないのです。

働かない、戦わないという生き方

suginami_30

社会で果敢に戦ってガツガツ稼ぐスタイルでしか得られないものは多いし、お金がないと経験できない世界はまだまだあるのは事実だけれど、誰もがそれを経験しなければいけないのでも、したいのでもなく、全ての若者が熾烈な競争に向いているわけでもない。

彼女のような考え方はともすれば酷く無気力で輝かしい若さの無駄遣いのようにも見えるけど

「若いんだから、もっと欲を持って、上を目指さなきゃダメだよ!」

とは、私には言えないなあ。

もう十分豊かな時代なのだから、必死に働かなくてもいいのでは。

生活コストのかからない地方都市に居を構え、シンプルなライフスタイルを整え、いくつかの生業を構築して、静かにたくましく生きていく。本気で考え工夫すれば、そんな暮らしも実現できるんじゃないでしょうか。「生業を構築して」ってのが、ポイントだけれどね。

まだ若い彼女が今後どういう選択をするのか、他人事ながら興味津々。田舎に移住して自給自足を始めました、になっても、やっぱり考え直して東京で働くことにしました、になっても、どっちのあなたも応援するから。

ダウンシフトは「降りる」こと?減速して自由に生きる

 




関連記事

そして買わない夏、住民の自覚。

台風に怯えながら、秋の気配を感じています。 この先もしばらくは日中は30度越えの日が続

記事を読む

散らかし、掻いて、放置して。かりそめの快楽に身を委ねる。

By: Sandy Schultz[/caption] 手湿疹が酷くなったことで数年ぶり無数

記事を読む

40代の痛いファッション。

By: sagesolar[/caption] 昨年高らかに宣言しておきながら結局実現しなか

記事を読む

お金を貯めるのが趣味、数字が増えるのがただ面白い。

仕事の都合で久しぶりに女性誌を読みまくっているのですが、情報誌は当然のこととして、ファッション誌

記事を読む

妥協せずとも欲しいモノを作れる強さ。

By: Karyn Christner[/caption] 先日とある会で知り合った女性が食事中

記事を読む

せいだのたまじ献立

せいだのたまじ、千切りキャベツ蒸し献立。

「せいだのたまじ」とは、山梨の郷土料理。小ぶりな芋を甘い味噌味に仕立てる素朴なおかずです。

記事を読む

ファミリーセールに招待状ナシで参加する方法。

By: Sharat Ganapati[/caption] その昔は好きなブランドのファミリ

記事を読む

1人暮らしで自炊することにメリットはあるのか?

最近はひじきの煮物や鯖の味噌煮なんていう家庭的なお惣菜がコンビニでも買える時代。 だか

記事を読む

少ない洋服を着回す旅、デニム以外の選択肢。

デニムが好きなので、年がら年中デニムばっかりはいています。 今回の旅でも移動中はもちろ

記事を読む

使わないもののゆくえ、捨てられない切ない気持ち。

先延ばしにしていたSSL化を済ませてちょっといい気分。 関連 先延ばしを片付けた達

記事を読む

Comment

  1. ちゅーなー より:

    crispy様

    今回は興味深い話でした。

    決して嫌いではない音楽の仕事。
    工具鞄さえ手離さなければ今日のご飯代
    位は稼げるかもしれない仕事。
    地方移住の真っ最中w

    最近わき上がる感情は
    「絶対に諦めるな!このままではダメだ!」
    です。何をどう諦めないかは割愛しますが、
    つい最近までノンポリだったので、意外です。
    転勤で何もかも変わったから感情も変わったのかも。

    この彼女さんも全部捨てたら見えるものが
    出てくるのでしょうね。
    でも、捨てるのはまだ先でも遅くないよ、
    と、老婆心ながら…

    • crispy-life より:

      ちゅーなーさん

      彼女の場合、前職の仕事とか環境なんかが辛かっただけであって、働くこと全般がダメなわけではないとも思うのです。学生時代のアルバイトから数えるとそれはそれは多くの職種&職場で働いてきた私からすれば、一社の経験だけで働くこと自体を判断してしまうのはもったいないような気も。ただ、もしも彼女がオリジナルな生き方を見つけて、それをよしとするならば応援したいとは思っています。まだ若いですからね、これからどうにでも路線変更できますよね。

      ちゅーなーさんのように真っ当にお仕事をされていてもこのままではダメだ、なんて考えられることがあるのですね。私などはずーっとこのままではダメだと思いつつ気がつけばすっかり中年になっておりましたが、諦めが悪いもので今なおあらゆる模索を続けております。噂によると諦めない限り負けはないらしいので、お互いしつこく粘ろうではありませんか。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

50代一人暮らしの1ヶ月の支出。老後に備え、いかにして小さく暮らすか。

現役世代のゴールがちらりちらりと見えてきた50代。友人知人と

腰痛改善に向けて始めたこと2つ。

今年こそは腰痛改善に取り組むぞ!と宣言して早1ヶ月が経過。や

ご近所感覚の酒場を求めて。韓国ソウル一人旅で食べたもの・その2

韓国・ソウル食記録の続きです。1人で飲むなら、定食で。韓国・

やりたいことリスト’24「ちゃかし倒してゲームする」

毎年恒例の儀式・その2「やりたいことリスト」のお時間がやって

2023年、買ってよかったものベスト3。

1年間の買い物を振り返る恒例行事、今年もいってみましょう。

→もっと見る

PAGE TOP ↑