40代は一人旅に向いている。
「いいなあ、私も『旅行』じゃなくて『旅』がしたーい」
今回タイで知り合った同年代の女性、Mさんがそんな風に言いました。
なんでも、彼女は今まで一人で海外旅行に出かけたことがなく、いつも誰かと一緒、またはパッケージツアーにしか参加したことがないとのこと。
この日はここに泊まってバスであそこに観光に出かけて、道中あのレストランで昼食をとって、と予め全てが決まっている『旅行』しかしたことがない、と。
40代は一人旅に好都合
早くに出産したMさんの20代、30代は子育てと仕事で必死になっている間にあっという間に過ぎて行ってしまったと言います。40代に入って気がつけば娘さんが独立、来年には結婚する予定なのでこれからは少し余裕を持って自分の時間を楽しもうと考えていると話してくれました。
「憧れるけど英語も全然できないし、一人で宿を決めて一人で移動するなんてとても無理」
とため息をつく彼女。
「一人で旅行できるくらいの英語力があればと思うけど、この歳から勉強始めてもねえ…」
ええ、ええ、そのお気持ちわかりますとも。
けれど、私のように独身でも、Mさんのように早くに子育てを終えた人でも、それ以外の女性でも、40代って一人旅にはなかなか好都合な時期だとも思うのです。
女性の一人旅というとどうしても10代、20代の若いバックパッカーを思い浮かべてしまいがちですが、いろんな社会経験を積んで少なからず成熟した40代は少々余裕を持って旅をすることができるはず。
「余裕」とは、もちろん経済的な面でも、精神的な面でも、そして、安全面でも。
そう、幸か不幸か40代の女性は若い人に比べると圧倒的に「女性として狙われる」危険が少ないです。もちろん危険がゼロになるわけではありませんが、若い頃と比べると格段に安全です。
「歳を取ったからって女性として見られなくなるのは嫌!」
という方もおられるかもしれませんが、望まない相手から性的な対象として見られる事ほど面倒なことはありません。これはどれだけ本人が気をつけていても同じこと。若い外国人女性というだけで目立ってしまうのはある意味仕方ないことなのです。「自己責任」なんかでは片付けられない。
若々しい輝きを持っているがゆえにそこにいるだけでいろんなことが許されるのが若さの特権だとしたら、女性として注目される機会が減る分いろんな意味で楽になれるというのはある程度歳を取ったからこその特権、といえるのではないでしょうか。
大人の一人旅に武勇伝はいらない
そんな話をしている時、その場にいた別の日本人女性が言いました。
「一人旅でこんな危険な場所へ行った、普通の日本人は行かないエリアに行った、なんていう経験を自慢げに話す人がいるけど、一人旅だからこそ慎重すぎるくらい慎重になるべきですよね」
これ、完全に同意。
旅の武勇伝を自慢げに語っても許されるのはせいぜい世界一周中の男子学生ぐらいのもの。いや、別に彼らを否定しているわけではありませんが、若い男性は何かと話を盛りたがるのでまだ微笑ましく聞いていられます。が、分別ある大人の女性が「話のネタに」危険を犯す必要などありません。
私もふらふらしているように見えるかもしれませんが、旅先で病気や怪我をしないよう、危険な目に逢わないよう、犯罪に巻き込まれないよう、気をつけすぎなぐらい気をつけています。
なぜなら、これからも旅を続けたいから。辛い思い出を作ってせっかく訪れた場所を嫌いになりたくないから。
だから、慎重すぎるくらいがちょうどいいと思っています。
40代からでも、一人旅デビューはできる
さて話は冒頭のMさんに戻って。
「今さら英会話を勉強するなんて…」
という彼女に私が英語をきちんと学び始めたのは40過ぎてからですよ、というお話をしたところとても驚いておられました。
あ、ちなみに驚いておられたのは
「40過ぎてから始めてもこんなに話せるようになるんだ!」
ではなく
「こんな程度の英語力でもやろうと思えば一人旅は可能なんだ!」
という部分ですけどね、はっはっは。
ともあれ、すっかり奮起したMさんは英語の勉強を始めることに決めた、と後日メールで報告してくれたのでした。
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