ご近所感覚の酒場を求めて。韓国ソウル一人旅で食べたもの・その2
韓国・ソウル食記録の続きです。
1人で飲むなら、定食で。韓国・ソウル一人旅で食べたもの その1。
外国人観光客を対象とした飲食店がひしめくエリア・明洞を拠点としていた今回のソウル滞在。
初のソウルゆえにどんな店に行っても楽しい!のだけれど、ローカル食堂好きとしてはやっぱり、地域密着型の店でも飲んでみたいのです。
一人ケジャンは、阿峴市場散策とセットで。
1人の食事にはちょっと豪華すぎる気もするけれど、せっかくの韓国旅行。ワタリガニの醤油漬け「ケジャン」も食べておきたいよね。
というわけで、これまた1人前からオーダー可能な店を検索。ローカル市場の近くの専門店に狙いを定めました。
ホテルのある明洞から徒歩で乙支路入り口駅(Euljiro 1-ga Station)まで移動、2号線に乗って阿峴(アヒョン)駅へ。
駅を降りるとすぐ、ローカル市場が広がっていました。
市場ハンターの血が騒ぐ絶妙な規模かつ空気感。
魚屋で今から食べる蟹を発見し、勝手に盛り上がる。
市場の中にはジョンなどのおかずをつまみに1杯飲める店なんかもあって、とってもとっても気になったのだけれど、肝心のケジャンが入らなくなることを懸念して我慢。お腹の容量を常に計算せねばならないところは、1人旅の不便さを感じます。うん、唯一のデメリット、と言ってもいいかもしれない。
細かく入り組んだ静かな市場を一通り冷やかした後は、目的のお店「阿峴洞カンジャンケジャン」へ。口開けを狙って行ったのですぐに座れましたが、開店間もなく満席になっていました。
店内はごくごく普通の食堂といった趣。写真がたくさん貼ってあるのは、アレですかね。テレビ取材が来ましたよ、的な。
蟹を食べるなら、ビールよりも酒でしょう。ってことで、清河(チョンハ)をオーダー。
ビール以外の韓国の酒といえば、チャミスルを筆頭に焼酎のイメージが強いですが、こちらは清酒。アルコール分は13度なので、立ち位置としては日本酒に近いでしょうか。ちょっと甘めの、するする飲める酒でした。
オーダーした料理は、カンジャンケジャンのセット。
メインの蟹に味噌汁とごはん、キムチ、サラダ、韓国海苔などおかず5皿がつきます。
麗しの内子!あー、写真見てたら今また食べたい。
ワタリガニの醤油漬けは大好きで、一時本当によく食べていた、のですが、いついかなる時も酒のつまみとしてしか意識したことがありません。
秋田の酒 うまからまんさく特別純米酒で贅沢晩酌 トマトと卵の炒めもの、ガサエビの紹興酒漬け。
よって、こうしてごはんのおかずに据えての「定食」スタイルで登場するのがものすごく不思議。でも、こうして1人前の分量かつあれこれつまみまで付いてくるセットは、一人旅には本当にありがたいですね。
他のテーブルのみなさんはこの定食をささっと召し上がっておられましたが、こちとら酒飲み。大事にちびりちびりといただきました。お会計は全部で31,000ウォン(3,665円)。今回の旅で一番高価な食事となりました。
- 阿峴洞カンジャンケジャン
清涼里市場でマッコリ立ち飲み。
今回のソウル滞在で最も印象深かったのは、清涼里青果物卸売市場にある小さな立ち飲みの店。
いや、立ち飲みの店なのかなんなのかよくわかりませんが、ああそうだった、海外旅行ってこういう感じだったよね!という基本的な楽しさのようなものを思い出させてくれたのです。
清涼里青果物卸売市場は、鐘路3街駅から1号線で清涼里駅下車すぐ。観光客にも人気の広蔵市場や南大門市場などとは違って、賑やかなれど華やかさはなく、主に地域の人たちや業者が利用しているであろう生活市場です。何しろ名前が「青果卸売市場」、主に果物を取り扱っている店が多い模様です。
不思議な乾物もあって楽しい。これは、ゴーヤ…?
この市場内にあるアーケードの入り口付近に、件の店はありました。
実はここ、韓国にお住まいの日本人ご夫婦のYouTube動画を見て気になっていたんですよね。ホルモンでマッコリをちょいとひっかけるなんて、いかにも私好みじゃないですか。
でも、残念ながら、そうはいかなかった。
私が着いた時間が早すぎたからか、それとも別の事情があったのか、身振り手振りを駆使しても、ホルモンは焼いてもらえず。というか、店主の方とまったく言葉が通じず。
時は令和、私にはGoogle翻訳という強い味方がいる。しかし、そんな文明の利器をもってしても、言葉の壁は厚かった。途中でやってきたおじさまが英語を少し話せるというので助けてもらい、なんとかマッコリのオーダーは叶ったものの、どうしてもホルモンにはたどり着けなかったのです。
とはいえ、サービスのたくあんと1杯1,500ウォン(約170円)のマッコリだけで帰るのもアレなので、目の前で煮えていたおでんをいただくことに。おでんはさすがに、指差しでオーダーできました。
めちゃくちゃ寒かったこの日、熱々のおでんが沁みました。
いや、このクソ寒い日になんでわざわざ電車移動して市場にマッコリ飲みにきたのかという話ですが、こういうアホみたいなことを堂々とやってのけてこそ、自由気ままな一人旅ってもんで。
穏やかな店主さんは、もの静かだけれどとても親切で、寒いからもっとおあがりなさいなと、おでん出汁を継ぎ足し継ぎ足ししてくれました。おじさんのやさしさが、冷えた体にこれまた沁みる。おでんは1,000ウォン(約120円)でした。
- 清涼里青果物卸売市場
昼酒中年しかいないチメクの店。
おでんとマッコリだけではさすがに物足りないので、明洞に戻りがてらチキンでも食べにいきましょう。
韓国スタイルのざくざくしたフライドチキンとビール。そう「チメク」ってヤツを、ぜひとも現地でやってみたかったんだよねえ。
しかし人気店のチキンは1羽丸ごと供されることがほとんどで、ごく一般的な中年女性の胃袋しか持たない私はさすがに手が出せない。少量のおひとり様用セットを出している店もあるようだけど、うまい具合に見つけられずにどうしたものかと悩んで選んだ店がここ「韓国トンタッ」。地下鉄鍾路3号駅から歩いてすぐの場所です。
韓国ドラマに出てきそうな今ドキ(?)のざくざく衣やプリンクルのチキンじゃないけれど、一人でも戦える小さめチキンなのがありがたいじゃないですか。
メニューをチェックして、ビールにチキン、付け合わせの大根酢漬け・チキンム、味変用のヤンニョムソースをオーダー。一旦揚げて準備されているチキンを、サーブ前に揚げなおすスタイルです。
ビールを飲みながらチキンを待つ間、雑多な店内を見渡す。
うん。わかってたけど、ここは明洞にたくさん並んでいるおしゃれな韓国チキンの店じゃないね。おっさんおばさんが、ただただチキンをつまみに昼飲みを楽しむゆるい店だね。
私の後に入店したマダム2人組も、お一人様男性も、みんなマッコリ飲んでらっしゃる。先輩方はチキンにビール、じゃなくてマッコリなんですね。
なんだここ、めちゃくちゃいいな。
そして私のチキンが到着。うん、これくらいの量なら全然一人でいけますとも。
確かに揚げた鶏、ではあるけれど、フライドチキンというよりも鶏の素揚げ、といったほうがしっくりくる味とビジュアル。
ヤンニョムソースをつけるより、皿に添えられた塩胡椒をちょんちょんとつけて食べる方が断然好みでした。このシンプルさがいい。チキンの合間にはさむ大根も、口内リセットの役割を十二分に果たしていてとてもいい。お会計は全部で11,000ウォン(1,291円)でした。いい昼飲みだ。
- 韓国トンタッ 鍾路3号店
なんだか遅々としてなかなか完結しない韓国・ソウル旅記録でしたが、残すところあと1回となりました。
続く。
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