なにもない生活、自由な時代、生きづらい人。
仕事が落ち着いて、少し余裕が出てきたことも関係しているのでしょうか。ここのところ改めて「なにもない生活」の楽しさをじっくり噛み締めています。
なにもない、とは文字通りの意味で、ものもなければ約束もない、すべきことなど何もない時間。一人暮らしだからこそ叶うわがまま気のままのんべんだらりと過ごす休日が、楽しくて仕方ないのです。
相変わらず幸せのハードルが低すぎるなと呆れなくはないですが、これでいいのだ。
何もなくても自由でいい時代
先日、トリスのCMについて触れましたが。
オリンピックという大イベントを間近に控えているとはいえ、今の日本は夢と希望に満ち溢れた状態にはなく、閉塞感漂うところはある。けれど、私みたいなデタラメな人間でも特段責められることなく生きていける自由な時代であるとも言える。
わかりません。もしかしたら私の鈍感力が抜きんでており、実は責められていることに気づいてないだけかもしれません。しかしながら、商店街の文房具屋さんの娘さんが
「いい歳して嫁にも行かずみっともない」
などと陰口を叩かれていた40数年前を思えばなんという変化よ。いうてもあの娘さん、当時まだ30歳くらいだったのではなかろうか。30て、ガッキーじゃないか。どの口がガッキーに暴言吐くか。そんな意地悪を言っているから娘がデタラメに育つ祟りを受けたのだ。
あ、陰口を叩いていたのは、うちの母親です。
これは母の心の闇を表すエピソードでしかなく、当時の時代背景を代表するようなものではないけれど、そんな空気感もなくはなかっただろうことは容易に想像できる。娘さん本人が気にしていなければなんてことない話だが、今と違って面と向かってのおせっかいが咎められなかった分、かなり面倒だっただろうなと思うのです。
あれから半世紀近く(!)が経過し、時は令和。家業の文房具店を毎日手伝ってらした娘さんよりよっぽど親不孝な生き方をしている私は、東京で概ね健やかに暮らしています。
こうしておばさんが生きやすくなった一方で、おじさんは生きづらくなったのかな。
時代が変わって、生きづらくなった人
アンクルトリスは亭主関白セクハラパワハラ好き勝手に振る舞ってもスルーされてたのしそうだったけど、今のおじさんはわけが違う。
年を取っているだけで威圧感を与えてしまう危険性があるので異性や若い人に対する行動言動に相当気を使わなければいけないし、女性に対する発言よりもよっぽど気軽にキモいクサいウザいと虐げられがち(ごめん)。いやいやいや、何もそこまで言わなくても、と密かに傷つき涙する夜だってあるでしょう。前に50半ばの先輩がSNSで
「もうおっさんがこの世からいなくなればいいのではないでしょうか」
と自虐していたけれど、そんな気になっても仕方ないね、というシーンは、確かにある。ほら、おばさんと違っておじさんって繊細なところあるし。
大きなお世話だけれど、おじさんもがんばれアゲイン。
で、今私が自由にのびのび過ごせているのはこういう時代に生きているからだけれど、それは諸先輩方が道を切り開いてくれたからに他ならない。時代が、空気が、勝手にいい感じに変わったわけじゃない。
次世代のためにとか、地球にやさしくとか、持続可能な社会とかそんな大それたことではないけれど、個人がそれなりに生を面白がる姿勢を持っていれば、1ミリくらいは誰かや何かの役に立つのではないかしら。などと都合よく解釈して今週末ものんべんだらりとするのだった。
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日本の生涯未婚率を押し上げているまるいです。
その昔バブルに証券会社に就職した隣のお姉さん。
あまりの忙しさに退職したいけれど、結婚退職でないと辞められない圧があり予定もないのに結婚前寿退職をしました。
当時は勿論ネットのない時代なので、関わりさえなけれはバレないはず。
ても、お姉さんの仕事振りを高く評価していた上司がぜひ結婚祝いをしたいと食い下がり、仕方なく婚約者は元職場の世界で殺されましたとさ。
その後、平和な会社で働いていたお姉さん。
25歳くらいかな、皆結婚して遊ぶ友達がいなくなりました。
お母さん(隣のおばさん)は、お姉さんの友達の子供を預り、お姉さんの遊び友達は確保されたそうです。
その話を聞いた若かった私は、独身だと遊ぶ友達がいなくなるのかー、と思ってました。
が、友達少ない私の周りでさえアラフィフ独身女がチラホラいる。
良い世の中に、なりました。
未婚率、あがるわー。
あっ、隣のお姉さんはその後ご結婚されましたよ。
めでたしめでたし。
まるいさん
まさかの、殺人事件…!でも、お姉さんの頃ならばさもありなん。女性は20代で寿退社、男性は終身雇用が当たり前の時代ですもんね。今はみんな働いているから、既婚未婚問わず付き合いも続く傾向にあるのかな。
20年前にはまだ面と向かってやいやい言うおせっかいおじさんとかおばさんとかいましたが、流石に最近は減ったでしょうか。でも、そんなおせっかいさんの存在を通じて結婚した人も多かっただろうし、必要悪という見方もあるかもですね。いや「悪」は失礼か。
私も少子高齢化に思いっきり加担している身で面白おかしく過ごしていて大変恐縮ですが、そこは今更どうしようもないので今後自分にできることを粛々と続けるのみであります。