実家の片付け、まずは主役は誰なのかを定義する。

公開日: : 最終更新日:2016/10/02 ミニマルライフ

週末の朝、いつものカフェに出かけたら、たまたま見上げた画面にNHKが映っていました。

この店、朝の時間だけは音声なしでニュースなどのテレビ番組を流している模様。

カフェでテレビを流すって相当ハードル高そうですが今のテレビって字幕が出るから便利ですね。みたい人は字幕で見ればいいし、音声はないからみたくない人の邪魔にはならない。なるほどねえ。

さて、その時間に放映されていたのは情報番組で、テーマは実家の断捨離問題。

関心のある話題だったので思わず作業の手を止めて見入ってしまいました。

家族が残した思い出の品

番組で取り上げられていたのはとある家族の片付け問題。

奥様を亡くされてから実家で一人暮らししているお父様を手伝って一緒に片付けようとする娘さん。間取りは4LDKだったかな?十分な広さがあるお家なのですが、台所も居間も寝室も、そしてわざわざ増築したという納戸にも、とにかくモノが溢れています。

お父様は奥様を亡くされてからすっかり元気がなくなってしまったようですが、娘さんは片付ける気満々。2人で協力してなんとかすっきりした暮らしを実現しようと奮闘しているのですが、あまりにモノが多すぎてどこからどう手をつけていいのかわからず困り果てている、といった状況。

それではお片づけのプロの力を借りてこの家庭の問題に取り組んでいきましょう、といった構成になっていました。

どこか懐かしさを感じるこの流れ。お片づけ関連の番組企画は最近では珍しくないのでしょうが、なんとなく昔やってたリフォームの番組「ビフォーアフター」を思い出しました。

さて、お片づけのプロがこの家が片付かない原因を分析していくと、いろいろな問題が浮かび上がってきました。
大きくはお父様と娘さんの考え方の違いや思い出の品に関する捉え方の相違。モノのない時代を生きて来たお父様はまだ使えるのに捨てるなんて勿体ない、という意識がとても強く、そして奥様の思い出が詰まったものは何も手放せない模様。台所に山積みになったタッパウェアを大事そうに抱えて

「自分は全く使ってないけど、『捨てないで』と言われてる気がする」

と、奥様の写真を見つめながら呟くお父様。これは確かに、娘さんも手が出せません。

私の両親は健在ですが、もしも同じように父が残されて、母の思い出のモノを捨てたくない、と言ったとしたら…と想像すると、それがどんなに不要なものであったとしても捨てなくていいよ、と声を掛けると思うのです。逆に母だけになった場合、母は恐らく躊躇なく父のモノを捨てる予感がします。いや、わかりません、あくまで想像ですが。

人によりけりでしょうけど、どちらかというと男性のほうがモノへの思い入れが強い傾向にあるのではないでしょうか。特に、私たちの親世代は。

実家の片付け、主役は誰なのか

そしてもう一点、父娘の片付ける様子を収めたVTRをチェックしながらアドバイザーの方が指摘されていたのは

「この家の主役は誰なのか」

ということ。

というのも、お父様がもうこれはいらない、と言って手放そうとしたモノに関して娘さんは

「それはまだ取っておいたほうがよくない?」
「そのうち使うから、勿体ないよ」

とやんわり反対する言葉を投げかけていたのです。
これは娘さんの行動に問題があるのではなく、単にモノに対する価値観の違い。高価なもの、今後残していてもそう古くはならないであろうものなどをお父様が処分しようとするのを止めたくなる気持ちはよくわかります。子供から見ると

「いやいや、それじゃなくて他に捨てるべきものがいくらでもあるでしょ」

とつっこみたくなるケースも多いですからね。

関連 帰省で考えた、親の家の断捨離問題。

けれど、今このお家に住んでいるのはお父様本人。お父様が片付けの主導権を握らないと一向にすすみませんよ、とアドバイスされて娘さんも頷いていました。

さらに、ただ片付けよう、モノを減らそう、だけでなく、なぜ片付けるのか、どういう家が理想なのかを明確にしたほうがいい、とも。

その結果、娘さんの口から出てきたのは

「みんなが泊まれる家にしたい」

という言葉でした。

せっかく大きなお家があるというのにモノに溢れていて布団も満足に敷けなくなってしまった実家。孫の顔を見るのが楽しみというお父様を訪ねても、娘さんとまだ小さなお孫さんは近隣のホテルで寝泊まりしているといいます。帰省した時には、ホテルじゃなくてこの家にみんなで泊まって家族が一緒にいる時間を増やしたい。それが、娘さんが実家を片付けたい最大の理由でした。

今はもう使っていないモノを保管しているせいで住まいに人間の居場所がなくなり、家族の時間が減ってしまっている。そう、まるでモノがこの家の主役であるかのように。

問題点が浮き彫りになったことで、この家の目指す片付けの形がはっきりしたようです。

やっぱり考える、家族の距離感

さて、結果このお家はどうなったのでしょうか?

という肝心なところで続きはまた来週〜となってしまったので結果はわからずじまいでしたが、おそらくお孫さんが泊まれる家になったことと思われます。娘さんの「泊まりたい」という言葉でお父様にスイッチが入ったようでしたから。

と、延々と番組解説のようなことを書いてしまいましたが実家の片付け、程度は違えどどこの家庭でも抱えている問題なのだろうなと改めて感じました。

幸い私の両親は70代夫婦にしてはすっきり暮らしているほうなのでさほど心配はしていませんが、今度両親の家に行ったらやろうと思っていることもあります。

関連 実家の片付け問題とは無縁でも、次の帰省でしたいこと。

そして片付け問題でもやっぱり重要なのかもしれない、と感じたのが家族の距離感。

関連 母が憎い。母と娘の確執と家族の距離感。

番組に登場した親子はお互いに威圧的な態度を取るような「近すぎる」関係ではなさそうに見受けられましたが、それでもついつい相手のやることに口出ししてしまうのは家族という特別な関係性ゆえのこと。

こればかりは今日明日どうこうするのはなかなか難しいので、プロや第三者に間に入ってもらって事務的に事を進めるというのも事を荒立てずにスムーズに片付ける良い方法なのかもしれません。

関連 実家断捨離問題の難しさ、その本質は片付け以外にあるのかも。

そしてもう一つ、この番組を見ていて面白いなと感じたのが、登場した片付けアドバイザーの杉之原富士子さんは引っ越し業者でパートとして働いた経験を元にお片づけサービスで起業された主婦だということ。引っ越し業者のパート勤務をする中であらゆる家庭の荷物問題、片づけられない高齢者の悩みや苦労を数多く見てきたことが起業のきっかけになったそうです。

最近はブームなのか、片付けサービスやアドバイス関連の資格を持つ人も増えているようですが、普通の主婦がパート経験を元に50代になってから事業を立ち上げ、日本が直面している問題に果敢に取り組んでいるという事実もなかなか興味深いところではありました。いくつからでも何かを始めるきっかけは転がっている、いやいや、痛快ですねえ。

 




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