モノを持たない人間の好奇心とコンプレックス。

公開日: : 最終更新日:2018/02/27 ミニマルライフ, 生き方と考え方

友人(40代・女性)がいきなり男性アイドルにハマりました。

これまではそういう世界とはとんと縁がない、というか敢えて距離を取った生き方をしているように見えたのでここへきて美男子見物に相当の時間と金銭をつぎ込むようになったのが不思議といえば不思議なのですが、グループ関連の音源や映像関連を買い漁り、ライブに通い、掲載雑誌のチェックに余念がない彼女を見ているともうなんというか羨ましくてしょうがない。

「AくんとBちゃんのカップリングはその筋では悶絶もの」

などと言われてもその方面の知識のない私にはコイサン語で絵本の読み聞かせをされているのと何ら違いはなくまさに馬の耳に念仏状態であります。

が、羨ましいぞ。
私だってカップリングに悶えたい。

コンプレックスと好奇心

もうずいぶん前に

「コンプレックスと好奇心」

なるキーワードをブチ上げたまま回収せず今日に至る、だったのですが。

関連 ファッショニスタから学ぶ、最高に楽しく生きる人生の極意。

アイリスのように大好きなファッションの世界で成功しプライベートでも素敵なパートナーに恵まれ多くの人に愛されるスーパーウーマンはやっぱり好奇心が旺盛であれこれ知りたがるしあれこれ欲しがる。そしてその好奇心こそが彼女の魅力をさらに増幅させるエッセンスになっていることは明らかです。

アイドルであろうが車であろうがワインであろうがファッションであろうが、対象は別に高尚な趣味じゃなくてもなんでもよくて、ただ好奇心の赴くままに走った結果

「ハマる」。

その感覚にずっと強い憧れを持っている私。そして多くのモノを持たない主義でありつつもゴルフを始める前からウエア一式揃えたりまだFすら押さえられないのにギブソンのカスタム買っちゃうようなカタチから入るスタイルにもなんともいえない羨ましさを感じているのです。

関連 カタチから入る趣味のスタイルに憧れはあるけれど。

この記事を書いた時にとおりすがりの人に

「モノを増やしたくないから趣味を持たないってバカなの?」

と言われたのですが全くもって仰る通りでなんというか本末転倒感半端ない。

けれど自分の情熱を信頼できないがゆえにカタチから入ることはできなくて、でもそういう勢いってちょっといいな、とずっと思い続けているわけで。そんなに羨ましいんならやれば?と言われてもやらない(できない)んだけど、相も変わらず夢だけは持っている。

結局私の憧れは

「マニアになりたい」

これに尽きるのだなと感じる今日この頃です。

実現できない夢、憧れのライフスタイル

さて、マニア界隈の一番の成功例といえばさかなクンなわけですが、さかなクンはきっと

「俺はさかなを極めていつか内閣総理大臣賞を受賞してやるぜ」

みたいな邪な気持ちを糧に魚を愛でたわけではないだろうし、あれほどの情熱を持つのはなかなか難しいにしても、何かを好きになったりハマったりするためになんらかの「努力」をするのもまた違うような気が。あ、でもミスターマイブームみうらじゅんは「「ない仕事」の作り方」で確か努力してハマるって言ってたっけ。

関連 モノを溜め込む人とは友達になれない。

じゃあ私も憧れのマニア的ライフスタイルに近づくべく対象を決めて日々好きになるように、ハマるようにといやむしろ自分がまだ気づいていないだけで実はもうハマっているのだなどという高度な自己暗示をかけ続ければ憧れのマニアになれる?そんな簡単なもんか?

と、今回もこれに関して結論は出ないのですが。

アイドルグループのライブDVDに合わせて完璧な振りコピを披露する彼女、見てるこっちが不安になるくらい毎日トンカツを食べ続けてSNSにUPする彼、江戸東京博物館でボランディアガイドさんにお江戸クイズバトルを挑む江戸マニア達やビアバーのカウンターで一見鼻持ちならないビール講釈を垂れるグループ。

関連 両国 麦酒倶楽部ポパイでクラフトビールに迷う 東京散歩・墨田区

その誰もをどこか羨望の眼差しで静かに見つめるだけの私。

実際丸1日彼らのマニア談義に付き合え、と言われたらきっとごめんなさいして一目散で逃げるだろうけど、そこまでの情熱を傾ける対象を持たない私は昨日も今日もハマらない自分にコンプレックスを抱き続けている。そして今後も98%の諦めを胸に、残り2%の可能性にこっそり賭けながら生きていくのだろうな。

ミニマリストの持たない暮らし

なんて長々語りながらも、もしも何かにハマったら一瞬にして人生が変わるとか、突然100倍幸せになるなんてこともないだろうとも知っている自分もいるわけで。

関連 モノを減らしても、残念ながら人生は変わりません。

何が起こっても人間は大なり小なりのコンプレックスを持ちつつ清濁併せ呑んで歩み続けるものなのでしょう。誰もが羨む成功と幸せを手に入れたファッションアイコン、アイリスが90歳を過ぎてなおしきりに

「私は美人じゃなかったから」

と、他人から見れば取るに足らないコンプレックスを口にしていたように。

 




関連記事

サンホワイト ワセリン

キレイの基準が低すぎる。

やったね、有言実行! 逃げ切り宣言からまだ2ヶ月ですが、年が変わって2018。

記事を読む

我が家のモノは98%がゴミだったとわかってうなだれ中。

By: Erich Ferdinand[/caption] 引っ越しを控えている身内からタイ

記事を読む

M1の疲れとおでんと役職定年。

100年ぶりに、リアルタイムでM1を見ました。 基本的にテレビは見ないのですが、最近

記事を読む

Tシャツしか着ない夏。

この夏はほぼTシャツで過ごしています。 少ない服で着回す、私服の制服化、そんなポリシー

記事を読む

ダウンシフトは「降りる」こと?減速して自由に生きる。

読もうと思って手元に置いている本がたまり始めたので、週末はおとなしく読書。 まず読んだのは

記事を読む

今日捨てたもの 憧れの曲げわっぱ弁当箱。

今月は毎日何かひとつづつ手放していく運動月間です。 なんとなく所有しているものって意外

記事を読む

これからの働き方と暮らし方。

東京を離れて早2週間が経過しました。 今回のセブ島滞在では珍しく予定をびっしり入れてい

記事を読む

妥協せずとも欲しいモノを作れる強さ。

By: Karyn Christner[/caption] 先日とある会で知り合った女性が食事中

記事を読む

40代フリーランス、就職したい金曜日。

金曜日ですね。 残念ながら今のところそんな可能性も予定もありませんが、就職したいです。

記事を読む

サグラダファミリア

シンプルな人はシンプルなものを作る論からの考察。

By: Steve Larkin[/caption] 小林カツ代著「食の思想」に、 「

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

マウンティングがやめられない。

すっかり世の中に定着した表現、マウンティング。 いつ頃

祝・完走。有言実行と新たな挑戦。

奥さん、6月です。 おかげさまで、有言実行となりました

人生にたった一度しかない50歳のゴールデンウィークを無駄にした。

ゴールデンなウィーク、いかがお過ごしでしたでしょうか?

どんなときも、1日は24時間。

瞬きしている間に、4月も中盤戦になっていて驚きです。元気です

私の身体を癒してくれる突起物。

今年の目標のひとつとして「腰痛を改善する」をあげています。や

→もっと見る

PAGE TOP ↑