モノを減らしても、残念ながら人生は変わりません。
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最終更新日:2019/07/29
ミニマルライフ
このブログにはモノを持たない生活についての記事がたまっているので、シンプルな暮らしや断捨離に関連するキーワードで検索してこられる方もいらっしゃいます。
先ほどなんとなく検索キーワードを眺めていてちょっと気になる言葉がありました。それは「モノを捨てた 人生変わった」というもの。
推測するに
「モノをたくさん捨てたことで人生が激変した人の体験談が読みたい」
ということかと思います。
断捨離の効果、何かいいことが起こる?
モノを捨てたいと考える人の中には単にすっきりしたいとかモノが増えすぎたからというだけでなく
「断捨離したら何かいい変化があるのでは」
と期待している方も多いのではないでしょうか。確かに「断捨離で人生変わった!」みたいなタイトルの記事、ウェブや雑誌でよく見かけますよね。
さて、何をもって断捨離の効果というのかは判断が難しいところではありますが、自分史上最小限のモノで生活している身としては、少ないモノで暮らす様々なよい効果は実感しているし、生きていくのにそんなに多くのモノは必要ないこともわかったし、この生活は自分に合っているとも思います。その辺りのことは何度も書いています。
「人生変わった」ってどういうこと?
実は私、多分人一倍「人生が変わる体験」に憧れを持っています。
いや、正確に言うと「持っていました」かな。
よく著名人のインタビューなどで「あの出会いが私の人生を変えた」とか、「その瞬間、これが僕の生きる使命なんだとわかった」みたいなフレーズでてきますよね。ある日突然何かと、または、誰かと出会って、人生が激変する。
そんなの、めちゃくちゃ愉快じゃないですか!憧れる。
でも、40年以上生きていますが残念ながら未だにそんなドラマティックな経験をしたことがありません。そして、多分これからもしないだろうなと薄々わかり始めてきました。
これは別に私が人生を諦めたとか達観したとかそういうことではなく、人生ってある日突然変わらずとも、毎日毎日少しずつ変化しているものだと思うようになったから。
もちろん世の中には映画みたいに良くも悪くも劇的に人生が変わる体験をする人もいるでしょうが、多くの場合はあるひとつの出来事が人生を変えるのではなく、小さな要素がいろいろ絡み合って影響しあって少しずつ生き方が変化していくものなのではないでしょうか。
例えば、私がやたら多くのモノを所有することに初めて疑問を持ったのは、あまりよくないことがきっかけでしたが、その瞬間に私の人生が大きく変わったかというと、(この場合は幸いにも、ですが)今になって思えば変わらなかったのです。
参考 典型的な「片付けられない子」がミニマリストに変化した5つの理由
が、その後の人生に大きな影響を与えた事柄であったのは言うまでもありません。
人生を変える最も確実な方法
ロマンのない話になってしまいますが、人生を変えるドラマティックな「何か」や「誰か」が、ただのほほんと待っているだけで向こうからやってくるようなことはまずないでしょう。
でも、「小さな要素がいろいろ絡み合って少しずつ生き方が変化する」と仮定すれば、宝くじに当たるような確率の大きな「何か」をただひたすら待つことなく、小さな変化を積み重ねる作業をすればよいだけなので、自分で自分の人生をコントロールできるということになります。
なんかこっちのほうが「確実に人生変えられそう」って思えますね。うん。
シンプルライフで人生が変わった人
さて、話を元に戻します。
「モノを捨てて人生が変わった」という人はとても多いようです。以前ここでも紹介した「減らす技術」のレオ・バボータ氏も、モノを減らすことで「人生が激変した」一人。
本の概要をさっとなぞってしまうとまさしく「捨てたら人生変わった」という印象を持ってしまいそうですが、彼の場合も小さな行動をこつこつと積み重ねた結果、振り返ってみると大きな変化を遂げていたわけです。
結局「モノを減らす」ことは人生を変える魔法でも奇策でもなく、そのコツコツのうちのひとつに過ぎないんですよね。
結論、モノを捨てても人生は変わりません。
さて、ミニマリスト界隈では有名な1冊「100個チャレンジ 生きるために必要なモノは、そんなに多くない!」を先日ようやく読みました。
会社経営者・ブルーノは、自宅に溜めこんだ大量の所持品を棚おろしして100個に絞りぬき、一年間だけ100個の持ち物だけで暮らすというライフスタイル「100個チャレンジ」を提唱。実践課程をブログに発表していくうち、試みは人々の共感と注目をあつめるようになり、人生を一変させるアイデアとして、『TIME』誌ほか、あらゆるメディアでとりあげられ、全米、そして世界中にひろまりつつある・・・。
書籍紹介文にも「人生を一変させる」とありますが、本書で一番印象的だったのは以下の一文です。
大切なのは、中流階級のアメリカ人の男が、百個以下の所持品で暮らすことの奇妙さではなく、少ししかモノがないのに、日々の生活がそれほど変わらなかった点なのではないか。
そうなんです。
絶対に必要だと思い込んでいたモノがなくなっても、生活は大きくは変わらないんです。
逆に言えば、モノを大幅に捨てることで部屋や気持ちがスッキリする、掃除がラクになるという目に見える「効果」はありますが、突然人生がバラ色に「なる」かといえば、残念ながら、なりません。
うん、なれないですよ、モノを捨てるだけで幸せには。
ただ、モノを減らそうという決意をきっかけにコツコツと身の回りを整理する行動を積み重ねることで、確実に変化は「起こせ」ます。
人生は、溢れるほどモノがあろうとなかろうと変わらない―もっと言えば、そういったガラクタがなくなれば、それだけ充実した人生を送る余裕が生まれるのだ。
「変化を起こす」ほうが「変化を期待」するより、より能動的かつ現実的。断捨離した瞬間に人生が変わると思ってたのに何にも変わらなかった…なんてガッカリしている暇があったら、さて次はどんな行動を起こそうか?とスッキリした部屋で計画するほうがゆっくりでも着実に人生を変えていけるのではないか。
最近はそんな風に考えるようになりました。
大切なのは、何を目標にシンプルな暮らしをするのか。その先にどんな人生を構築したいのか、を考えること。
などと延々と書いている私も偉そうに語る程人生の達人ではないので、この辺りのことは常に意識しています。
「意識」といっても別にそんな堅苦しいことではなくて、ただただ満足の行く人生を全うするためにはどうすればいいのかを常に考えてるだけですけどね。
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