ファッショニスタから学ぶ、最高に楽しく生きる人生の極意。
公開日:
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最終更新日:2018/08/24
ファッション, ミニマルライフ, 音楽、映画、芸術、世界

By: Freya Spargo
この映画、日本に来ないのかしら?
と言いっぱなしにしていた映画がうっかり上映中だったので観てきました。水曜日だしね、えへへ。
94歳のキュートなファッショニスタ、アイリス・アプフェルに密着したドキュメンタリー。
映画館に集った人たちの装いが街中のそれよりもどこかゴージャスだったのは気のせいでしょうか。
最高に楽しく生きる、人生の極意
インテリアデザイナーとして早くに大成したのち、80歳を過ぎてからファッションアイコンとして世代を超えてリスペクトされる存在となったアイリス。
参考 INTRODUCTION (アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー)
世界中の人々が惚れ込んだのは、94歳にして多くの有名デザイナーたちからリスペクトされ、今なおNYのカルチャーシーンに影響を与える、アイリス・アプフェル。1950年代からインテリアデザイナーとして活躍、夫と設立したテキスタイル会社が大成功をおさめ、ジャクリーン・ケネディや歴代大統領からホワイトハウスの装飾を任されたというキャリアを誇る。
元々その筋では名の知られた人物だったけれど、84歳にしてまた異なるフィールドで脚光を浴びることになった彼女。人生の後半戦にこんなステージが用意されていようとは本人も驚きでしょう。
と言っても、これは降ってわいたシンデレラストーリーではなく、彼女はもともと一流のビジネスウーマン。そのファッションセンスも決して生まれ持っての才能「だけ」ではなく、長年地道に学び、身につけてきたものなのです。90歳を超えた今でも週に一度はショッピングに出かけたいという彼女、
「やみくもに買ってるわけじゃないの。私の買い物は『発掘』なんだから大変よ。」
との言葉通り、一流メゾンであれ蚤の市であれ、洋服選びはかなり真剣。財力にものを言わせて高級品を買い漁るようなスタイルではないようです。だからこそあのセンスとスタイルが身についたのでしょう。
人間はモノを所有することはできない

By: Herry Lawford
彼女のファッションアイテムやアートのコレクションは膨大な数に上り、アクセサリーを纏ったビクターの犬が鎮座する自宅はまるでおもちゃ箱のよう。さらに倉庫には大昔にヨーロッパで買い付けた骨董品やアートが所狭しと並んでいました。
それでも驚いたことに、ひとつひとつの品についてこれはいつどこで買ったもので、このワンピースにはあのジャケットを合わせるのがいい、などときちんと把握している。
もちろん数的にもそして年齢的にもすっかり忘れてしまっているアイテムだって中にはあるでしょうが、本人のセリフ
「数は多いけど全部着ているのよ。それも、何度もね」
のように、彼女の人生にはそのどれもが必要なものだったのでしょう。
ニューヨークきってのセレブと私たち一般人を同じ土俵の上で語ることはできないけれど、ちっぽけなクローゼットの中でさえいつ、どこで買ったのか思い出せない洋服を多数眠らせてしまうのは不要なもの、そんなに好きじゃないものをせっせと買い集めていることの証拠。
モノがいくら多くても、それら全てが本当に必要ならば、それでいいのです。
とは言ってもアイリスにも「手放す」タイミングが来たようで。
「人間はモノを所有することなんてできない。こんなにたくさん持っているように見えるけど、全て一時の借り物に過ぎない。だから今度は私が次の「借り主」を探すの。思い出の品を手放すのは、すごく辛いけどね。」
好奇心とコンプレックス

By: midiman
このドキュメンタリーが撮影された頃に100歳の誕生日を迎えたアイリスのチャーミングな旦那様は101歳の誕生日を前に亡くなったそう。身の回りに起こるそんな変化も彼女が最愛のモノたちを自分の手によって旅立たせようと決意するきっかけとなったのかもしれません。
何を選ぶか、何を所有、いや「借りる」か、そしていつ手放すか。いくつになったら、とか、結婚したら、とか、子供が巣立ったら、などと決められるものではなく、そのタイミングは人それぞれ異なって当然。本心に忠実に生きていれば必ず察知できるであろうその瞬間を正確にキャッチしたいものです。
映画の内容や彼女の生き様について、私が下手にダラダラ書くよりも興味を持たれた方は実際に映画をご覧になったほうがいい。よって内容に関しては多く触れませんが、これを観た後脳裏に浮かんだキーワードは「好奇心」と「コンプレックス」でした。
好奇心は最近ずっと書きたいと思っていたキーワードなのでこれもまたタイミング。なんだけど、ここからさらに話を広げると夜が明ける勢いの長丁場になりそうなのでまた次回。
春先は定番のトレンチコートにボーダーT、デニムの足元はスニーカー。シンプルなこなれファッションは確かに今の気分ではあるけれど、とことん個性追求型のガッツリ濃い味本気おしゃれもやっぱり好きなんだよね、なんて人におすすめしたい1本です。
※追記 書きました!
モノを持たない人間の好奇心とコンプレックス。
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Comment
ブログで紹介されてた映画、仕事帰りに駆け込みで見てきました!
1.高齢で杖や車椅子を使用するくらいなのに、あの重そうなネックレス、ブレスレットじゃらじゃらのお洒落への心意気がすごい。
彼女の半分以下の年齢で、毎朝アクセサリーひとつ付ける気持ちの余裕がないのに。。。
2.「センスがなくても、幸せならいい。」
センスの塊の人が言うと、人生で何が大切か説得力ありますね。
3.美人じゃないから、コンプレックスがあるから自分を磨く。(美意識が超高い人が言うと、かなり深い)
最近友人が羨ましくて仕方がない思いに取り付かれていたので、最強に響いた。
アドバンスト・スタイル(ご覧になりましたか?)もこの映画も、人生の先輩がイキイキとしている姿って、本当に元気を貰えますね。
「お洒落・センス」を通して、夫婦関係や経営感覚や子供を望まないという人生の選択などアイリスの色々な面が詰め込まれてました。
良い映画を見るキッカケをいただき、ありがとうございました。
まるいさん
おお、ご覧になりましたか。
私もヒールしんどいとか一丁前なこと言ってないで楽しめるうち(=生きているうち)にやりたいことやらないと、となんて考えました。
アイリスはファッションに対する意識や知識はもちろん、ビジネスやセルフブランディングの面でも努力を続けたスーパーウーマンなのですが、そんな人でも私たちとそうは変わらない感覚も持っているんだな、なんて感じました。それが「好奇心とコンプレックス」と書いた理由です。またこのあたり掘り下げて書いてみます〜。アドバンスト・スタイルは本しか見ていないので近々チェックしたいと思います、ありがとうございます!
昨年見た映画の中で、また見たいと思ったのが「アドバント・スタイル」と「あん」です。
「あん」は最近再上映を見て、2回目でも心に沁みいりました。
「アドバンスト・スタイル」は、モヤモヤしてる時に見たいなぁ、元気をもらえるから。
「ヒールはしんどい」と言って敬遠→「ヒールを履く高揚感」も敬遠→やっぱりワクワクしたくて履く→でもしんどい。
このループをまわり、下駄箱にたまったパンプスをお年頃の姪っ子に貰っていただく、という有様。
先日ブログにされていたヒールを履いて外出先で折りたたみシューズに履き替える、をしたのですが履き替えるタイミングを我慢しすぎて結構痛めてしまいました。
ひるむ事なく、またチャレンジしよう!(今度は早めにギブしよう)
try&errorの労力を惜しまない、と自分に言いきかせつつ。
(不要な物を増やすだけじゃないかという恐れと戦いつつ、っていうバランスを生涯思い患うのか。。。)
「好奇心とコンプレックス」のブログ、楽しみにしています。
まるいさん
>履き替えるタイミングを我慢しすぎて結構痛めてしまいました。
もうちょい耐えれるかな?むしろこのまま1日通せるか?みたいな感じですね。私は根性がないのであっさりギブアップしそうです。
ヒールも重たい鞄もアクセサリーも、もういいや、とすっきり思えるならきっぱりやめればいいんですけど、気持ちがあるうちは楽しみたいですね。
なんて迷いもそのうち懐かしい思い出になるんでしょうね、10年20年前に抱いていた悩みや迷いが今は薄れているように。