人間より、モノのほうが信じられる。
ここのところ訳あって依存に関する書物を読み漁っています。
その中で
「人間は人(他者)より、モノのほうに依存しやすい。なぜなら、自分の思い通りに動いてくれない他者と比べて、モノは期待した通りの効果をくれるから」
なる記述があり、ああ確かにそういうことはあるかもね、と頷く。
人よりモノの方が信じられる
親子関係や配偶者、パートナーや友人、はたまた直接は面識のない著名人など、他者に対して異常なまでに執着してしまう種類の依存もあるけれど、相手が人間となると自分の思い通りにはならないし、また自分が求めるものを必ず与えてくれるとも限らない。そもそも、他人が何を考えてるかなんて、どれほどの思いやりを持って接したとして100%はわからないしね。
その点、感情を持たず、行動もせず、言葉すら発しないモノは、やさしい。
いや「やさしい」などとポジティブな表現をするのはこの場合よくないのだけれど、人間と違ってモノは条件さえ揃えば自分が狙った通りの効果をもたらしてくれるから簡単に信じられる。だからこそ、依存しがいがあり、手放せなくなる。
内容が内容なので、文中で語られる「モノ」とは、ドラッグとかアルコールとかタバコとか、ついでに過食やギャンブルや(日常生活に支障をきたすほど過剰にプレイしてしまう場合の)ゲームなどの行為。いずれもやめたいと思ってもなかなかやめられないものやことを指しており、純然なる物質についてではありません。
それでも特に欲しくない、必要ない、いらないものをせっせと溜め込んでしまう行為も「あれば安心と信じ込んでいる」という点では、似たようなものか。いや、不用品収集によって心底安心できるなら全く問題はないけれど、本当はやめたいと思っているのにやめられないとなると、事態はすでにアディクション。
やさしさってやつは、見方を変えれば恐ろしいものですね。
いつでもイイ感じ、なんて不自然過ぎる
そもそも、なんで依存という状態が起こるのか。
大前提として人間は幸せな状態を維持したいと考える生き物であり、そういう根源的な欲求を持っているから。で、いい状態を維持するために、いい気分をもたらしてくれる対象を求めてしまう、らしい。
いやそれホントに?と思っちゃうのですけども。というか、「幸せな状態」ってのがもう人それぞれで千差万別十人十色、バラエティに富みすぎているであろうのに、そんなあやふやなことを大前提としていいの?という気がしなくもないのですけども、まあそれはそれとして。
別に一等前後賞おめでとうございます的ラッキーじゃなくても、日常生活に時々はふんわりとした心地よい瞬間があって、同じくらい嫌なこと悲しいこと、イライラさせられる出来事に遭遇するのもこれまた自然なこと。その波を自分の力でコントロールしようとするなんて土台無理な話。
よって、いつでも期待通りの効果をもたらしてくれるモノに頼って常に
「(ホントは違うけど)イイ感じ」
を維持しようなんて不自然極まりない行為なのだとわかれば、危険な依存状態に陥らなくて済む、らしい。
や、ちょっと端折り過ぎというか、解釈ねじ曲がってるかもですが、多分。
心がささくれ立った時もニュートラルな位置に戻せる方法を知っているのは大切だけど、それが体に有害な物質或いは行為を用いての逃避でしかないとなれば、おいおいそりゃちょっと問題じゃないですか、という話。ですかね。
この手の文献を読めば読むほどわかるような、わからないようなモヤっとさがあったので、書けば整理できるかなと思ったのだけど、やっぱりあんまりわからないような。自分があまり物事に執着しないタイプだからかしらん。
なんかねえ。
今この瞬間を生きればいいとか、将来を憂いてばかりいるのはナンセンスとか言いながら、それでも人生晴れたり曇ったり、いろいろあるのが当たり前なのだから目先だけで判断せず長い目で見て、俯瞰しなくちゃ、みたいな視点も必要とか、いやいやどっちよ、と。
つまりはあまりガンコちゃんにならず、状況に応じてポリシーをコロコロ変えるご都合主義でいけばいいんじゃない?ってことですかね。適当でいいんスよ、みたいなオチならば大得意ですよ。
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