空いた時間を埋めたくて、部屋を片付けてばかりいる。

公開日: : 最終更新日:2018/02/13 ミニマルライフ, 生き方と考え方

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相変わらずマドンナは人気です。

関連 70代ミニマリスト主婦の財布。

私が子供の頃の実家は、今よりずっとたくさんんのものを狭い家に押し込んで生活していました。それでも、なぜいつもこの家はすっきりと片付いている(注:だからといって、おしゃれとかセンスがいいわけではない)のだ、と、友人の間で噂される程度には美しい状態を保てていたのは、偏に母の努力の賜物でしょう。

共に暮らしていた子供の頃はそれも当たり前でしかなかったのだけれど、親が高齢者と呼ばれる年齢になると、感じ方も変わってくるものですね。

ものが多いなりに片付いている家

同年代の友人のお母様は、異常なほどに買い物が好きで物持ちが良く、さらに、整理整頓も上手いらしい。

ストックがないと心配になるからか、毎度同じものを2つ3つと買う癖があるらしく、当然ものは鼠算級に増えていく。消耗品ならまだ消耗するチャンスはあれど、家具とか調理器具なんていうそうやすやすと消耗しないものも当然複数購入そして所持するので、実家は高齢者二人暮らしの室内とは思えない状態になっている。とは、友人の弁。

「これが乱雑なゴミ屋敷にでもなっていればまだわかりやすいんだけど、なまじ片付け上手なものだから、びっくりする量のものがそれなりにきちんと収納されている様が怖い」

のだとか。怖い、とは、天井まで積み上げられた本が地震で崩れ落ちたらどうしよう、とか、そういう怖さ。単純に心配で仕方ないようです。そりゃそうだ。

関連 実家断捨離の難しさ、本質は片付け以外にあるのかも。

あなたのご両親はすっきり暮らしている点が安心できていいよね。ウチなんて、母親が起きている時間は殆ど家の片付けに費やしているようなものだから。という友人の言葉はさすがに言い過ぎじゃないかと思ったけれど

「なんだか、わざと片付けなければならない環境にして、暇な時間を作らないようにしているようにも見える」

との観察眼には少々驚いたのでした。なんか、愛があるなあと。

常に忙しく、何かをしていたい

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そういや昔、会社の同僚が

「週末に誰からも誘いがないと、なんで私ってこんなに人気がないんだろうってイライラしてしまう」

とかなんとか言っていたっけ。じゃあおまえから誘えばいいじゃないかとも思わなくはないし、まだ若く遊びたい盛りだからこその「イライラ」ではあったにしても、誰かから求められる、必要とされることで得られる満足感とか安心感、そして充実感みたいなものはあるんだろうな。と、孤独に強い私でも想像はできます。

関連 シンプルは孤独、そして何よりも面倒なこと。

件の友人のお母様も、その昔は忙しい旦那様やまだ小さい子供達の世話ばかりか、近隣に住まう親戚一同の一手に引き受けていたという働き者。誰かの為に忙しく立ち働くことが当たり前の環境が長らく続き、そのうち子は巣立ち、世話の焼ける親戚もいなくなり、旦那様も隠居生活に突入。

自分が家族に必要とされなくなったわけじゃないけれど、昔ほどは周りに手が掛からなくなった今、空いた時間を今度はものに向け始めた。ぽっかりと空いた時間を埋める方法は、ものを増やすことだった。

だって、ゆったりのんびり、なんかより、毎日やることがたくさんあるほうが楽しいし、生活が充実するもの。

時間があると、ろくなことを考えない

OXO ケトル

いやこれ、完全なる妄想というか最後の方はもはやおとぎ話級の作り話ですのであしからず。

でも、ものを減らせばその分時間に余裕ができるのは真実なのだから、ものを増やすことで時間を埋められると考えても矛盾はない。そして、端から見ればおよそ無意味で非効率な誰かの行為や習慣が、本人にはものすごく重要である場合も、ある。

常に何かをしていたい、ボーッとするのが苦痛、いつも忙しなく働きたい。そんな人だって確かに存在するからね。

関連 短所はこの際おいといて、もう長所に注力する。

暇な時間はボーッとお茶でも飲んでそれなりに有意義に過ごせるならいいけれど、時間があるとあれこれよくないことばかり考えて不安になるから、目の前のことしか考えられない多忙な状況に身を置いていたい、なんて時もあるでしょう。私も学生時代はその方式でバイトしまくったりしたし。考える隙もなくなり、お金も稼げてこりゃ一石二鳥だわい、と思っていた。

たとえお母様の不安解消に繋がるとしても、家族としては危険なほどにものを積み上げた家を全肯定するわけにはいかない。けど、もしもこの「単に時間を埋めたいのではないか疑惑」が遠からずの事実だったとすれば、解決策はあるのかな。興味関心を家の中以外の人や集まりや趣味なんてものに移すことができれば、そこで時間を消費して充実感を得られれば、ものへの執着は薄れるのかしら。

ミニマリストの持たない暮らし

暇な時間を埋めるかのように、ものを片付けて1日を終えているように見える。そう分析した友人の言葉に見え隠れする愛らしきものについて考える。もちろんこれも彼女の想像でしかないのだけれど、思慮浅い私では到底たどり着けないであろうその洞察力の源に思いを馳せる。

 




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