おしゃれコンプレックスの正体。

公開日: : 最終更新日:2017/06/22 ファッション, 生き方と考え方

自分のファッションセンスがずっとコンプレックスになっている。

そう話す友人がいます。

が、彼女は傍目にはおしゃれさん。トンチンカンなコーディネイトをすることもなく、むやみやたらとトレンドに流されることもなく、ブランドや素材に関する知識もあり、いつも自分のキャラクターや体型にあった服を上手に着こなしている印象があります。

それでも本人は謙遜でもなんでもなく自分はおしゃれ下手なのだ、と思い込んでいる模様。

一体、何故なんでしょうか。

コンプレックスって何だ?

By: John

ところで改めて「コンプレックス」なる言葉の意味を調べてみました。

精神分析で使われる概念。無意識のなかに抑圧され,凝固し,そのために意識された精神生活に影響を与え,ときに強い感動を誘発する観念の複合体をいう。(コトバンク

….す、すみません、ちょっとよくわかりません。

どうやら「コンプレックス」そのものは本来「感情複合」と訳される精神医学用語。それが日本では何故か劣等感を表す言葉としてすっかり定着してしまったのが現実のようです。

理解するのがやや難しいコンプレックスの概念をコンプレックスの一種である「劣等感(inferiority complex)」として考えるとたちまち日本人の腑に落ちた、と。
なんかイヤですね、お国柄でしょうか。

ちょっと遠回りしましたが、ここでは日本的にコンプレックス=劣等感として話を進めます。

ダメ出しばかりの毎日では辛すぎる

おそらく人間であれば誰しもが少なからず何らかのコンプレックスを持っていると考えられます。
しかし、この感情はいかにして生み出されるのでしょうか。

例えば、背が低いことを気にしている男性がいる、としましょう。
彼は学生の頃に周りの友達から子供特有の悪気ない、けれど残酷な無邪気さでチビ、なんてあだ名で呼ばれたり、バカにされたりなんて苦い思い出を持っているかもしれません。けれど、大人になってからは背が低くて困ることもましてや嘲笑されるような場面もほぼないはず。
よって、子供の頃は重大な事案であった身長問題も、社会に出れば大した事ではなかったのだな、とわかる…となればよいのですが、なかなかそうはいかない。

別に周りに何も言われずとも、誰も気にしていなくても、自分が気になって気になって仕方ない。そればかりか、きっとみんな自分のことをバカにしているに違いない、なんて思い込んでしまうことすらあったりして。

確かに、毎日毎日誰かにコンプレックスを刺激するようなダメだしをされ続けるとなれば精神的ダメージは大きすぎます。が、まあ通常そんなことはない。それでも、たった一人だけ、年がら年中バカバカバーカと罵声を浴びせてくる人物がいる。

それは、自分自身ですね。

誰にも指摘されたことがない「問題」とも呼べないような些細な事柄を勝手に自分の弱点だと思い込み、日夜それについて考えてみたりする。

参考 本当に怖い、妙な考え癖と思い込み。

世の中に存在するさほど重要ではない劣等コンプレックスは、結局自分自身が作り上げているに過ぎないのかもしれません。

コンプレックスゆえに、服が増えていく

さて、前出の友人の話。

彼女は別にファッションについてものすごく深刻に悩んでいるわけではないですが、決して納得はしていないと言います。周りの誰もが彼女のセンスに疑問を抱いていないというのに、本人だけがコンプレックスを持ち続けている。

もしかするとこんなケースはたくさんあるのかもしれないな、と。

ファッションは時にマナーの一部であったり、人と差をつけるためのツールであったり、ともすれば異性の気をひくための小道具にも成り得るけれど、いくら「モテコーデ」やら「愛されワンピ」でキメたところで、そしてそれが他者に絶賛されたところで、結局のところ自分自身が納得できないなら意味がない。ましてや、服をとにかくたくさん持っていれば一件落着!とは全然いかないわけで。

参考 洋服が好きな人ほど妙なコーディネイトに陥ってしまう悲劇。

もうこれ以上増やしたくないと思っているのに服を買ってしまう、たくさん持っているのに今すぐ着たい服がない。だからまた新しいものを買いに走って以下ループ。そんな状態に陥っている場合は、

「(思い込みの)おしゃれコンプレックスから抜け出したい=服を買わなきゃ!」

なんて公式が頭の中に潜んでいるのかもしれません。
となると、解決策は

  • 思い込みのコンプレックスから自分を解放する
  • おしゃれ=衣装持ち 以外の公式を採用する

などが考えられそう。
結局ファッションなんて人と比べて優劣を争うものではなく、自分が何を着たいか、どうありたいかがわかればそれでいいのですから。

参考 シンプルなファッションはつまらない。

いやいや、私は自分がこうありたい、なんて意見はないの。周りに褒められることこそが生きがい!と心から言い切れるならばいいけれど、結局いつかは自分のために選択すべきであると気付く日が来るのではないでしょうか。服だって、仕事だって、住まいだって、何だってね。

モノを持たずに身軽に暮らす

あらゆるコンプレックスの正体は理屈として頭でわかっていてもなかなか手放せないもの。ならば、いつまでもうじうじと抱え込んでいないで劣等感を埋める作業をしながら日々を生きていくしかありません。

私もコンプレックスは人並み以上にあるほうだと自負していますが、昔から気になり続けているのは

「人として浅い」

ことでしょうか。
うわぁ、酷い。まさかの人格全否定。

話がとっ散らかってだんだん回収しきれなくなってきたのでこの続きはまた次回。
やれやれ、毎回こう話が長いのもどうにかしたいところですね。

 




関連記事

頑張らないあの人の朝ごはん。

朝ごはんにいたしましょう。 平日の午前10時。厳かなる言葉を添えて送られてきた写真には

記事を読む

ファッショニスタから学ぶ、最高に楽しく生きる人生の極意。

By: Freya Spargo[/caption] この映画、日本に来ないのかしら?

記事を読む

白髪のロングヘアが与える印象。

そうそう、誕生日といえば。 定型文メッセージの恐怖と、再開のタイミング。 先日知

記事を読む

理想の暮らしと住まい、家はどこまでが家なのか。

By: David Hilowitz[/caption] 家、住まい、というと基本的には住居

記事を読む

手湿疹ケア1ヶ月

軽い鞄、汚れた女疑惑のその後。

購入してからまだ2ヶ月しか経っていないのにどういうこと? もしかして私はベトネベートハンドな

記事を読む

履かない靴は、売る?処分? それでもまだ持ち続けている。

By: J. Triepke[/caption] 日が長くなったな、と気づく今日この頃。

記事を読む

浅い関係、おかしな嫉妬。

移動してから数日間はすっきりしない天気だったけれど、今日になってようやくカラッとスカッと青空

記事を読む

ジャケットの着こなし

ビジネス仕様のジャケット、着こなしをあらためて考える。

By: Robert Couse-Baker[/caption] 近頃わりとジャケットが好きです

記事を読む

MBTのブーツ、サンダル MBTの効果を高める歩き方。

いやいやいや、いくらなんでも寒すぎるでしょー。まだ8月よ?? 今朝の風の冷たさに恐れを

記事を読む

40代、50代の望まない転職・再就職事情。

友人がこの度転職することになりました。 私より少し年上なのでまもなく50代にさしかかる

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

50代海外一人旅。10年ぶりのタイ・ラン島へ。

サワディーカー。 というわけで、久しぶりにタイにやって

韓国・釜山一人旅で食べたものその3 外で飲む、屋台で飲む。

お待たせいたしました、韓国・釜山一人旅の食事記録、第三弾です

大人のアトピーに慌てない、いつものお守り。

大人になったら改善される。 なぜかそう考えていたことの

遊んで暮らしたい50代が今なお働く理由。

ここのところ、公私ともに文章を書く量がめっきり減りました。

ミニマリスト主婦はよく食べる。

連休中は実家に帰省しておりました。 ここ数年は年末年始

→もっと見る

PAGE TOP ↑