京都 清水寺、随求堂胎内めぐりで生まれ変わった私。

公開日: : 最終更新日:2018/07/18 旅人への道, 生き方と考え方 ,

京都散歩2017

齢すでに40半ば。人生を一からやり直すことはできません。

関連 今すぐ一から人生全部やり直したい。

そうして私は今日も私のまま生きている。

しかし、実はこっそり生まれ変わったのです。

京都生まれ変わりツアー 2017

京都散歩2017

年明けに久しぶりに京都へ行ってきました。

今回のメインターゲットは仏像。JR京都駅から出発してバスでまずは三十三間堂まで移動し、そこからはぶらぶら歩きながら四条方面へ向かう京都散歩です。

京都散歩2017

JR京都駅。じっくり見たことなかったけれどかなり壮大ですね。

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京都の街がぐるりと見渡せる屋上のテラスも気持ちいいです。

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寒いけど。

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バス停でバスを待ちながら京都タワーを眺める。

京都散歩2017

JR京都駅から三十三間堂までは歩いても15分程度の距離なのですが、その先も歩くので序盤だけショートカットしましょうという算段です。

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京都散歩2017

三十三間堂向かいの京都国立博物館の建物が素敵。

京都散歩2017

が、今回の目的はこちらです。

国宝・三十三間堂 千手観音坐像

京都散歩2017

京都散歩2017

国宝三十三間堂、拝観料は600円なり。

参考 国宝・三十三間堂

正式名は、蓮華王院で、その本堂が「三十三間堂」と通称されます。これは、東面して、南北にのびるお堂内陣の柱間が33もあるという建築的な特徴によります。「三十三」という数は、観音菩薩の変化身三十三身にもとづく数を表しています。

長い長い堂内に絶対的センター国宝・千手観音坐像が鎮座し、サブをがっちり固める風神雷神、その下で二十八部衆がチャンスを伺っているばかりか周りには千体の等身大観音が控えているという手に汗握る圧巻のステージ。いやステージじゃないけどそのパフォーマンスに圧倒されるという意味でもはやステージ。

堂内写真撮影NGなのでそのステージングの素晴らしさを画像でお伝えすることができないのが残念ですが、ひとつひとつ異なる顔を持つ千体の観音さまの中には必ず会いたい人に似たものがあるとのこと。もしかしたらあの人やあの娘に似た観音さまが見つかるやもしれません。

最後列の観音さまを移動させるのは相当困難だよね下手したらドミノ倒しの大惨事とか、夜中はやっぱり動き出して大宴会になるんじゃなかろうなんてナイトミュージアム的なことを考えたり妄想は膨らむばかり。こんな緻密なものを700年以上も前の鎌倉時代に制作していたなんて人間って恐ろしい生き物ですね。

六波羅蜜寺 空也上人像

京都散歩

もうひとつの目的地は六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)。こちらの宝物館にて展示されている空也像を観たかったのです。

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こちらも拝観料は600円なり。そして同じく写真撮影禁止ゆえにそのお姿は公式サイトにてご確認いただくとして。

参考 重要文化財一覧(六波羅蜜寺)

空也上人立像 鎌倉時代(重要文化財)
運慶の四男康勝の作。胸に金鼓を、右手に撞木を、左手に鹿の杖をつき、膝を露に草鞋をはき、念仏を唱える口から六体の阿弥陀が現れたという伝承のままに洗練された写実彫刻である。

残されている資料が少なく謎多き人物なので本当のところはよくわかりませんが、本寺サイトによれば第60代醍醐天皇の皇子・空也上人。実際にこの像をしげしげと見つめてみると写真で見ていたのとは印象がまるで違って驚く。写真では静かに悟ったような表情に見えたのに、右から眺めてみれば眉間に力が入った苦難の表情に見え、左側から苦しみは感じられず。

いやはや、立像ですらこうなのだから、実際に目にして触れて体験してみなくては見えてこないことってのは山ほどあるのでしょうね。

森羅万象に生命を感じ、ただ南無阿弥陀仏を称え、今日ある事を喜び、歓喜躍踊しつつ念仏を唱えた。

今日ある事を喜び歓喜躍踊ってのがとてもよい。

口から出てるアレ、実際のところ作者がちょっとふざけてやっちゃったんじゃないのかなどと罰当たりなことを話していたのだけれどそんなことはあるはずもなく。ちなみに「南・無・阿・弥・陀・仏」で6体とのことです。

清水寺で生まれ変わった私

茶わん坂

そしてこの途中、茶わん坂を登って清水寺へも立ち寄りました。

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平日とはいえまだまだお正月シーズン、観光客でごった返しているのではと危惧していたけれどそう酷い混雑もなく。

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が、上から見下ろしてみればこの状態でありました。さすが京都。

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で、清水寺ですけども。

参考 清水寺について

「清水寺」という寺名は、音羽山中より今もなお途切れることなくこんこんと湧き、音羽の滝に流れる霊泉に由来しています。この霊泉は「すべての人を救う」観音さまのご利益とあわせ、古来より無病息災、立身出世、財福、良縁、子授けといった現世利益を願う善男善女を集め、「清水の観音さん」の名で全国に広く信仰を得てまいりました。

清水寺といえば飛び降りるのに最適な舞台があることで有名ですね。私も何度もここへ訪れています。がしかし、今回私はここで初めて生まれ変わる体験をしたのです。

参考 随求堂(清水寺)

塔頭慈心院(たっちゅうじしんいん)の本堂で、享保3年(1718)の再建。衆生の願い、求めに随って、叶えてくれるという大功徳をもつ大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)を本尊(秘仏)としてお祀りしています。

そう、この随求堂にて妙な案内を受けてしまったのです。

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それは胎内めぐり体験なるもの。

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説明によれば、真っ暗な中手すりとして設置されている数珠を頼りに進み光に照らされた随求石にたどり着き祈って再び戻って来るというなんだかよくわからない出し物。出し物って言い方はイカンか。

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この階段を降りたら下は真っ暗なんですって。ふ〜ん。

1人100円。まあせっかくだし空いてるしやってみましょうかとなんとなく入ってみたらばなんじゃこりゃ。真っ暗ってアナタ、本気で真っ暗ですよ。神も仏もありゃしない、あるのは漆黒の絶望ばかりなり。なぜか連れが先頭で入ってしまい次いで私、後ろには見知らぬ人々が数人連れ立って始まった胎内めぐり。

怖い、怖すぎる。

真っ暗な中手すりを頼りになぜか中腰になって進む一行。別に天井は低くないんだけどなんせ見えないから怖くてかがんじゃうのはなぜなのだ。そして聞かれても求められてもいないのに全員が口々に

「次、曲がります」
「左、左方向です」

とかナビを始める謎現象。暗闇の中では誰もが妙な行動に出てしまうものなのでしょうか。しかし梵字刻まれし随求石なるものが薄ぼんやりとした光に照らされる様を発見した瞬間の喜びは大きく。既に妙な連帯感を共有している見知らぬ人たちと共に石を回しさすり祈り再び暗闇を抜けて全員無事に外の世界へ戻ったのでありました。

なんだこれ。怖いわ。でも、なんかすっきり。

こんなの昔からあったっけ?とサイトを調べてみれば2000年に始まったとのこと。どおりで知らなかったわけだよ、まあむやみやたらと怖く珍妙で結果なんだか清々しい気持ちになれたのはよかったです。

そんなわけで2017年の初め、私は無事生まれ変わることができました。

生まれ変わったり踊ったりして生きて行く

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久しぶりの京都。

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舞妓体験中の可愛らしいお嬢さん方とすれ違ったり

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両親へのお土産に毎度おなじみ黒七味の原了郭のお店に寄ったりと街歩きを楽しんだのでありました。

以前大阪に住んでいた頃、取引先の東京在住の女性に

「せっかく関西に住んでるのに京都や奈良に行かないなんて勿体ないわよ!」

と言われたことを思い出す。確かに近場にいるといつでも行けるからと後回しにしてしまうんだけど、他にも見応えある歴史的遺産が山盛りある関西エリア。今度は久しぶりに奈良にも行きたいなあなどと考えたのでした。

今日は1月17日。人生一からやり直せなくとも時にはこんな風に勝手にリフレッシュした気になって粛々と過ごしていければそれでよし。そして空也上人よろしく今あることを面白がって踊りながら生きるのだ。なんて何もかもが都合のいい解釈だけれど、とにかくそうやって生きるのだ。

 




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