顔ハメパネルに物申す。
突然ですが、みなさまはパネルをやるタイプでしょうか。
無邪気が信条のお子様らはかなりの高確率でハメにいくと予想しますが、大人、しかも中年以上ともなれば、目の前に頃合いのパネルが現れたとしてもおいそれとは挑めないのではと推測します。
当然、私もいたしません。
しかし、撮りたくなる時ならば多々あります。
顔ハメパネルに物申す
穴の空いたパネル、つまり「顔ハメ看板」に似合う連れと一緒の時は必ずハマってもらい、撮影します。
この「顔ハメ」をライフワークとしている人が絶対いるだろうなと思ったら、いました。
ハマった看板3000!マニア塩谷朋之が選んだ、旅してハメたい『全国ご当地顔ハメ』40選・東西対決(じゃらんニュース)
Q.なぜそんなに顔ハメ看板が好きなのですか?
それは私にもわからないのですが、何故か自分の顔で穴を埋めたくなります。
理由などない。そこにあるから埋めるのだ。
顔ハメ看板自体への愛と好奇心に満ち満ちている氏とは違い、私が欲しいのはハメた時の作品としての完成度。穴の位置、大きさ、角度、ハメる顔の大きさ、そして表情。すべてがピタリと決まった時の満足度は、単なる観光地での思い出作りのラインを軽く越えてくるのです。
顔ハメパネルアルバム
先月の徳島旅行では、阿波おどり会館のパネルの出来が秀逸でした。
阿波おどり会館でダンサーとしての矜持を見せる。高速バスで行く徳島の旅
モデルの顔と完全に一体化する設計が素晴らしいし、センター位置で舞えるという夢のような構図もよい。
一方、渦の道に設置されていたパネルには苦言を呈さずにはいられません。
大鳴門橋に、いきなり顔。
橋の中腹に顔を出す理由がなければボディもない。とりあえず穴さえ開けておけばいいだろうという投げやり感はいただけません。ここでハマれというならば、企画者各位はそれなりにグッとくる完成形を計算したパネル製作をすべきではないでしょうか。
徳島駅に設置されていたこちらのパネルもやや惜しい。駅のイラストに顔をハメる意図は不明ですが、ここにお遍路姿を持ってきたのは当然でしょう。しかし、マイナスポイントはサイズ、サイズであります。こういうデフォルメされた顔サイズは今一歩、作品としてのリアリティにかけるのですよ。
ついでにこれまでのパネルフォト遍歴の一部を紹介すると
昨年の高松旅行でのショット。
ことでんキャラクターのことちゃん、ことみちゃん夫妻と記念撮影できるこのパネル。窓から子供が手を振っているという構図がとても愛らしく、穴の大きさ、ベース絵の顔サイズもバッチリ。おすすめできる1枚です。
こちらは兵庫県・姫路市に初詣に行った際にみつけた顔ハメパネル。
世界遺産、万燈祭、アーモンドトースト 姫路は侮り難い街だった。
今時は飲食チェーン店でもご当地ネタ顔ハメパネルを製作しておるのですね。
なんの脈略もなく看板商品である餃子を大胆にレイアウトする気持ちは理解できますが、これもサイズ感に難あり。顔をここにハメさせることの意味を、もっとシンプルに考えていただきたい。
同じく姫路にて。姫路城をバックにローラースケートで軽やかに舞うぷりぷりの牡蠣という世界観がすでによくわかりませんが、なぜ牡蠣のボディに人の顔を書いたのかも謎。牡蠣は被りもの設定なのか。パネルが設置された箇所は道幅が非常に狭く、正面からの撮影すら叶わないといういろんな意味で混乱必至の1枚。
こちらはちょっと変化球、須磨水族園で遭遇したプラカード方式柄つきタイプ。
柄が見えてしまうゆえに世界観が完成しにくいというデメリットはあるものの、背景を選べたり、モデルの身長に高さを合わせて無理なく撮影できるのは大きな利点ですね。何より、イラスト自体のクオリティが高い。
こちらも同じく手持ちタイプですが、柄がないので手が不気味なことになっている。顔ハメパネルのペンギン自体にはやっつけ仕事っぽさが伺えますが、ここでの評価ポイントは背景の可愛いさでしょうか。工夫次第でさらに上を目指せるポテンシャルを秘めています。
こうして並べてみると、納得のいく作品撮影ができる顔ハメパネルってのは案外少ないのかもしれません。
「顔ハメ」マニア語る「こんなパネルは惜しい」 5つの特徴があった(with news)
こちらでマニアの方が1番に指摘されている「穴が大きい」には同意します。が、私自身はモデルの顔演技は必要ないと考えており、撮影に時間もかけません。SNSでの賞賛も求めません。
さりげなく見つけ、何気なくハメて、それとなく撮る。パネルとモデルの出会いの奇跡、一瞬の空気感のようなものを大事にしたいと考えるのです。こんなことでは顔ハメパネル撮影を極めること叶わず、やはりこの分野でも私はマニアになれないのでしょう。
憧れのマニア道は、いつまでも憧れのまま。
一人旅ではついつい犬を撮ってしまう癖がある私ですが、ハマりやすいモデルと連れ立って出かける際にはシャッターチャンスを逃すまじ。今後もライトなスタンスながらに積極的にハメていきたいと思います。
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