虹の都 光の港、蒲田駅周辺を歩く 東京散歩・大田区。
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最終更新日:2016/12/18
東京散歩
週末あまりにも天気がよかったもので散歩に出かけてまいりました。そう、そろそろ佳境の東京散歩です。
いやあ秋の散歩ってのはまた格別ですね。ちょっと肌寒いけれど歩いていたらすぐに汗ばんでくるような陽気に出かけるははなんとも気持ちのいいものです。
そんな絶好の散歩日和、今回は大田区へと向かいました。
虹の都光の港キネマの天地 蒲田行進曲
大田区といえば羽田周辺かと考えていたのですが、乗り換えなどで何度か使っているけれど未だ降り立ったことのない蒲田が浮上。蒲田、蒲田なあ、と考えていてうっかり「蒲田行進曲」が観たくなってしまいました(単純)。まあこの映画に蒲田は一切出てこないんですけども。
さて蒲田行進曲をご存じない若い方もおられるかもしれません。
「新選組」の撮影真っ只中、土方歳三に扮する“銀ちゃん”こと倉岡銀四郎は、敵役の坂本龍馬を演じる橘が、主役の自分より目立っているのが気に入らない。さらに、最大の見せ場である“池田屋の階段落ち”のシーンが、命の危険を伴うため、中止になろうとしていた。そんなある夏の日、大部屋役者のヤスのアパートに、銀ちゃんが子供を身ごもった女優・小夏を連れてくるのだが……。
実はこの映画が突如頭に浮かんだのは蒲田散歩だけが原因ではなく、少し前に「イン・ザ・ヒーロー」を観たからでもありました。ああこれって蒲田行進曲だよねえと思いつつしかし蒲田行進曲自体をもうそんなに覚えてないななどと考えたのもきっかけのひとつだったのです。
しかしあの映画観たい!とひらめいたら夜中でも一歩も出かけることなく部屋で検索してポチッと選んですぐスタート、なんてエラい時代ですな。
というわけで何十年かぶりに観た蒲田行進曲。若き松坂慶子の美しさは言うに及ばず、とにかく驚いたのは風間杜夫の色男っぷり、平田満が知人にそっくり、そして中村雅俊の違和感。
この手の邦画って自分の中で時代感がめちゃくちゃなんですよね。公開されたのは80年代だけれどおそらくリアルタイムでは観ておらずさらには映画の時代設定の関係もあり映画を観て当時のことを思い出す、なんてノスタルジー要素ははない。でも公開当時に大ヒットした中村雅俊の歌はしっかり80年代の記憶とともに覚えているからこそ妙な違和感があるのです。そう考えると音楽の力ってのはすごいですね。深く理解できないにしろ、子供の意識にもしっかりと刷り込まれる強さ。今どきの子供の記憶に残る歌はなんだろう、さてはPPAPか。
話は戻って蒲田行進曲、大人になってから改めて観ると銀ちゃんの横柄さや小夏の不甲斐なさよりも後半のヤスの豹変っぷりに一番イラつきますね。映画ってのは同じ作品でも見る時期や心境によって大幅に感想が変わるものです。
おっと、散歩に出るまでの前置きがまたまた長くなってしまいました。
京急蒲田駅 駅前を歩く
今回の出発地点は京急蒲田駅。生産性のない散歩の原点に戻るべく、何も考えずにJR蒲田駅前に向かってただふらふら歩く計画です。計画と言っていいのか。
京急蒲田、初めて降りたけどこんなに大きな駅だとは知りませんでした。京急本線と羽田空港線の分岐点という重要な駅だからか。
あ、今書いてて気がついたけどJRと東急の駅名が「蒲田駅」なのに対し、京急の駅は正式名称が「京急蒲田駅」なのですね。なるほど。
ホームは2階建で6線。
改札階には京急蒲田駅周辺の模型が設置されています。
改札を出てみれば拍子抜けするほど新しくて綺麗な駅前。よくよく調べれば駅ビルの完成など現在の形になったのは去年2015年12月なのだとか。そりゃ新しいわ。
駅ビルに観光案内所があったので寄ってみる。
ものづくりの大田区らしい展示品。中には蒲田名物であるぎょうざのキーホルダーなどという恐ろしい土産ものも。
参考 輝け!大田のまち工場(大田区)
大田区には約4,000の工場があり、「モノづくりのまち」として知られています。「モノづくり」といっても、デジタルカメラやゲーム機などの最終製品を造る工場ばかりではなく、主に金属を素材とした「削る」「磨く」「形成する」「メッキする」といった、ひとつの加工を専門に請け負っている工場がほとんどです。
そうだ、「下町ロケット」の舞台も大田区でしたね。
驚いたのは観光案内所の盛況っぷり。一人旅らしい若い白人女性が大田区観光プランについて相談していたり、子供連れの中国人ファミリーが駅周辺の歩き方レクチャーを受けていたりと職員のみなさまはなかなか忙しそうでした。観光案内所、みんな上手に利用しているのですね。
さて駅を出ると真正面がもうアーケード。
このアーケードを抜けたらJRの蒲田駅のようです。
商店街ウォッチャーとしては通らねばなりませんね。
結構規模の大きい商店街。アーケードを抜けても道の両側に屋根のある道が続いており雨の日でも傘いらず、なのでしょうかね。
時間はちょうどお昼時、とんかつ屋さんに行列が。どうやら人気店のようです。
大田区民ホール・アプリコの撮影所模型
京急からJRの駅に向かう途中にある区民ホール・アプリコ。もう面影もないけれど、この辺りが松竹蒲田撮影所があった場所のようです。キネマの天地と謳われた蒲田撮影所ですが、実際稼働していたのは1920年から36年の16年間。関東大震災による被害や周辺工場の騒音が映画撮影に不都合だったなどの理由もあったようですが、たった16年で役目を終えるとはなんだかかなり短命だなあという印象。
アプリコの地下にはこの松竹蒲田撮影所の模型が展示されています。
こんなにしっかり作ったのに16年で終わりかあ。
俳優控え室の位置関係などを確認しつつ、前日の映画を反芻。映画の舞台は蒲田じゃなくて京都で松竹じゃなくて東映撮影所、なんですけどね。
区民ホール裏にある公園では紅葉が楽しめました。
やっぱり晴れた日の紅葉はいいねえ。
JR駅周辺をウロウロ歩いているととんでもない名前の川に遭遇。
呑川(のみかわ)。何か誘われている気がしてなりません。
呑という文字にだけいやしく反応してしまいましたが呑川は映画「シン・ゴジラ」ではゴジラの移動ルートとなっておりました。改めて確認してみると大田区は現在も多くの映画やドラマの舞台になっているようで。
観光的要素皆無の細かい散策をしつつ、蒲田駅東口に到着しました。
続く。
関連 バーボンロードとかまたえん 蒲田駅西口を歩く 東京散歩・大田区
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Comment
友人が蒲田にいるため、しばしば呑川ぞいをジョギングしています。最初に川の名前を見たときは我が目を疑ったものです。
川をしばらく下っていけば養老の滝に行き当たると考え(くだらん)、久が原の方まで行ってみましたが、そんなものはなかったですね。目黒川に川のつくりが似ているなあと感じました。
平松さん
>最初に川の名前を見たときは我が目を疑ったものです。
おお、やはりそうですか!なんだか嬉しいです。そして私も目黒川に似ていると感じたのでした。が、養老の滝までは考えが及びませんでした…。なんだかうっかり養老の滝を見に行きたくなりましたよ。