ストレスを力に変える教科書 その思い込みは何のため?
先日買い物とストレスの関係について触れました。
私はそもそもあまりストレスを感じないタイプ。
それは心理的負担を感じる要因は即消去、もしくは変換できているからなのかも、と書きました。
さて先日、書店でストレスに関する書籍を見かけたのでふと手に取りました。
ストレスは己を知るきっかけになる
その本は「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」。見覚えのある表紙だなと思ったら、著者の前作を読んでいたのでした。
関連 読んでも何も変わらない。「スタンフォードの自分を変える教室」。
パラパラと目次をめくってみると
「全ては思い込み」
の文字が。
辛い状況も、運のなさも、全ては自分の思い込み。そんな都合のよい考え方が大好きな私。
思い込み、というその一文が気に入って読んでみました。
不安、プレッシャー、過去のつらい経験はエネルギーの源。私たちは、「ストレスは悪いもの」と思っている。
しかし、その思い込みこそが有害だとしたら――?
本書では最新の科学的実験と実際のストーリーをもとに、「困難を乗り越えて強くなる方法」を解き明かしていく。
「ストレス=悪いもの」
ではなく
「ストレスは有害であるという思い込み=悪いもの」
では?という考え方から始まってストレスに関するさまざまな実験・検証がされている一冊。
この本ではまず大前提として
「人間は自分が大切に思っている領域が脅かされる場合によってのみストレスを感じる」
としています。
自分にとってどうでもいいことについては悪い状況になっても精神的苦痛をさほど感じない、と。逆に考えればストレスは自分にとって大切なものは何なのかを知るヒントになるとも言えますね。
私が携帯電話が苦手なのは自分だけの時間、空間に突然訪問されるのが苦痛だから。ということは、私は自分のプライベートをとても大切にしている、と考えられます。
なるほど、自分の場合に当てはめてみると確かにストレスは自分が何を大切に思っているかがわかるヒントになるかも。さて、みなさんはどうでしょう?
ストレスを力に変える3ステップ
また本書での「思い込み」とは世の中に対する見方を指すものであって趣味嗜好、味覚に関する「好み」の分野での思い込みは人生観に影響しないとしています。
例えば世の中はどんどん危険になっている、とか、モノをたくさん買わなければ豊かにはなれない、とか、私の人生はお先真っ暗だ、などという思い込みは行動や身体に影響を及ぼす場合があるものの、私はプログレが好きだ、キュウリが嫌いだという思い込み(好み)は人生には大きく影響しない、ということですね。
そしてストレスを悪だと思い込んで避けたり、見ないふり、気にしないふりをするのではなく、しっかり受け止めて力に変えていく方法として
- ストレスを認識し、身体に起こる変化を観察する
- 大事なものが脅かされる=大事なものが浮き彫りになる
- この経験をどのように活かすかを考える
以上の3つのステップが紹介されています。
あー嫌だ嫌だ!と重い気分にじっと漂ったままイライラくよくよするだけではなく、目を瞑ってやり過ごすのでもなく、現象は現象として受け止めて認識・解決するという考え方ですね。
私はどちらかというと嫌なことが起こっても
「多分気のせいだから気にしない」
といった考え方をする(そしてそのまま忘れる)タイプなので、もしかしたら物事の本質を解決せずになんとなくやり過ごしている場合があるのかもしれません。
まあそれはそれでいいような気もするけれど、困難にぶつかった時の対処法はいろいろバリエーションがあったほうが心強いのも事実。ストレスやプレッシャーをうまく昇華する方法のひとつとして
「ストレスの正体を見極め、力に変える」
というやり方は自分のお気楽な性格にも合いそうな気がします。
辛い経験をしなければいけないわけではない
さて、全ては自分の思い込み、ストレスはうまく付き合えば力に変わる。
なんて聞くと
「ストレスをきちんと受け止められる人なんて、そもそも大して辛い経験をしたことがないのでは?」
という意地悪な疑問も湧いてくるというもの。が、これに対しては相関関係が見られなかったというデータもあるそうです。本書の考えに則るならば、その考え方こそが思い込み、と言えますね。
逆に、辛い経験がある人ほど立派な人間ということでもなく、強くなれるわけでもありません。望まずも経験してしまったトラブルや辛い経験はその都度乗り越えればいいけれど、わざわざ進んですることではない。なんて、考えてみれば当然のことですが若いうちの苦労は買ってでもしろ、なんていいますからね。怖い怖い。
と、またまた長くなりそうなのでこの辺で。
ストレスと上手く付き合いたい、妙な精神論じゃなく検証に基づいたストレス対処法を知りたい、辛い経験を乗り越える方法が知りたい、思い込みの力で自分を変えたい、はたまた著者のように飛行機恐怖症を克服して旅をしたい、という方ならヒントが見つかる一冊です。
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