誰だって、いつでもいちばん欲しいもの。

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今回のセブ島滞在では多くのセブっ子と話す機会があったので、ネタになるかなという軽い気持ちで会う人会う人に質問をしてみました。それは

「今いちばん欲しいものって何?」

というもの。

この質問への最初のリアクションが面白いようにみな同じだったのですが、一人だけ違った反応をした人がいました。

今いちばん欲しいものはなんですか?

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今いちばん欲しいものはなあに?

突然の問いに対してはほぼ質問で返されました。

  • モノって何?どういうジャンルで答えたらいいの?
  • モノだけ?旅行とかそういうのもアリ?
  • 何それ、心理テスト的なヤツ??
  • 現実的な答えじゃなくてもいいの?

など、まずはこの質問の真意を知りたい、もしくは質問返ししている間に答えを考える、という行動を取った人がほとんどでした。

そりゃそうか。
いきなりそんなこと聞かれて即答できるのは無邪気な子供くらいですわね。

いやいや、別に深い意味はないし心理テストでもないから単なるアンケートだと思って軽い気持ちでどうぞ。そしてジャンルは何でもアリで、と返すと出てきた答えは以下の通り。

  • コスメが好きだから新作コスメをあれこれ試したい
  • 料理教室に通いたい
  • 外国で働きたい
  • 娘のためにも結婚してパートナーを得たい
  • スモールビジネスを始めたい
  • 今の仕事でスキルアップしたい
  • 周りの人を幸せにしたい
  • モノはいらない
  • 息子が成功できるように手助けをしたい

単純に欲しいモノを答えてくれた人、仕事や将来の夢や目標を語ってくれた人、物質よりも精神的充実こそが大事なのだと力説する人、何よりも家族が大事だと話す人。

平均年齢が23歳と若く、経済成長目覚ましいフィリピン。今回質問した人たちも20代〜30代と若い人たちばかりだったので日本のバブル時代よろしくもっとあれが欲しいこれが欲しいという物質的な欲望が多く出るかと思えば全くそんなことはありませんでした。もちろんサンプル数が少ないのでこれだけでは何の比較も判断もできませんが、コスメが欲しいと答えた女性も

「これはまあ目の前の欲求というか、単なる消費財的な話ね。もっと大きなことを言えば」

と、今後の働き方、生き方に関する展望を語ってくれたのでした。

治安の改善を望む声が圧倒的

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そして皆同様に口にしていたのが新政権への信頼と期待。

参考 フィリピンでの超法規的殺人を懸念=米国務省(朝日新聞)

米国務省のアナ・リッチーアレン報道官は22日、フィリピンでの超法規的殺人について懸念を表明し、人権を尊重した上で法律を執行するようフィリピン政府に求めた。これより先、フィリピンの警察当局は、麻薬絡みの殺人件数がドゥテルテ大統領の就任以降、1800件相当に上ると公表した。

参考 フィリピン・ドゥテルテ新大統領の信任率が急上昇!(ダイアモンドオンライン)

ドゥテルテ新大統領の信任率が91%と歴代大統領で最高となっている(7月21日調査)。一方、信任しないは0.2%で実質100%の信任率に近い。その原因は、公約の麻薬撲滅が、大統領就任以来、確実に成果を挙げているためと思われる。

かなり性急かつ過激なやり口に国外からは疑問の声も上がっていますが、フィリピンにおける新大統領の信任率は過去最高値を記録。今回私が話したセブっ子たちも新政権にはフィリピンの治安改善を大いに期待している、と目を輝かせていました。

危ない国、行きたくない場所、治安が不安。そんな現状を変えダーティーなイメージを払拭しもっと外国人に気軽に来てもらえる場所でありたい。欲しいもの、したいことの話題からこんな結末になることが少なくありませんでした。

今の暮らしに満足してはいるけれど

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と、少々話が逸れましたが今回この質問に質問を返さず即答した人が一人だけいました。今いちばん欲しいものは何?という私の問いに彼女はすぐさま

「何もかもから解き放たれて自由になりたい」

と答えたのです。

彼女は今回私が同様の質問をした人たちのなかで最も社会的に成功している人物の一人。別に大富豪でもビジネスオーナーでもありませんが、それなりの肩書きを持ち十分な収入を得ているように見えます。いや、だからこそ仕事のストレスが大きいのでしょうか。

「仕事でストレスを抱えてるの?残業が多いとか?」
「いや、そんなことはないんだけど。仕事も責任はあるけれど楽しいし、さほど忙しくもない。でも、ああもう何もかもから逃げ出してどこかに行ってしまいたいって思う時があるの」

たまたまこの日そんな心境だっただけかもしれないし、家庭に問題があるとか将来が不安とか、いろいろあっての発言だったのでしょうがあまりの即答ぶりに驚いた私。

関連 お金と自由と持たない暮らし。

同時に彼女の深いところを不躾につついてしまった気もしてやや申し訳なくも思ったのでした。いや、もちろん考えすぎなのですが。

みんながいちばん欲しいもの

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「何が欲しいとかあれがやりたいなんて求めるものは人それぞれ違って当然だけど、突き詰めればみんな幸せを求めてるってところだけは同じだよね。国籍も性別も関係なく、例えテロリストであっても同じ望みを持っているんじゃないかな」

とはモノはいらない、と答えた20代の男性の言葉。

あれが欲しい、こうなりたい、ああしたい、なんていう願望を持つのはなぜなのか。どれもこれも結局は自分自身が満足のいく人生を送りたいから、そして自分や周りの幸せを願うから。これはおそらく全人類に共通するたったひとつの願いでしょう。

けれど何をもって幸せと感じるかは人ぞれそれ。だからこそ人間は面白くもあり悲しくもあり恐ろしくもある。

関連 一般的な幸せで私が満足するかどうかはわからない。

私の幸せはあなたの幸せとは異なるし、誰かの正義は私の正義ではない。
単なる趣味嗜好、美味いとか不味いとか好き嫌いの問題であればマイノリティ上等、個性という表現にて片付けるべきだとここでも事あるごとに主張してはいるけれど、私には到底理解できないような世界になることを心から望んで活動している人たちも少なからずいるわけで。

基本的に何を思うも、何を信じるも自由。

「私こそが正しいやり方、あなたの考えは間違っている」

なんて押し付けるべきではないけれど、願わくば幸せや平和、平安なんてものに対する定義ぐらいは全世界全人類共通のものであれば。いや、安直にそう考えることがそもそも薄っぺらいエゴでしかないのか。

ミニマリストの持たない暮らし

単なる思い付きで始まったミニアンケート。結局は質問した側が多くのことを考えさせらる結果となったのでした。ミイラ取りがミイラに、ってね。

 




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