一人は一人でも、求めるものは同じじゃない。
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最終更新日:2021/05/31
生き方と考え方
しつこいですけど、外にフラフラ飲みに行けない世界は、本当に切ないものですね。
なんの楽しみもない、中年の暮らし。
キッチンのない部屋で過ごしていた頃は、外食・外飲みの毎日に疲れて、家で飲めないのはつらいなあ、と思ったものですが、逆もまたしかり。
状況が状況なので仕方ない。とはいえ、寡黙な一人飲み客ならアレ関連でそう警戒することもないし、そりゃ団体客ほどの売り上げは見込めないけれど、多少は店の応援になるのではなかろうか。
なんて考えておったのですが、自分のスタイルがスタンダードだと思ってはいけないですね。
昼下がり、焼き鳥屋のカウンターで。
今の状況に入る少し前、隣町の焼き鳥屋に一人で飲みに行きました。
焼き物も旨いし、1人飲みにちょうどいいサイズのつまみが揃っていて、私の大好きな瓶ビールの価格も手頃。カウンター席が比較的広いところも好みで、以前から何度か利用していた店でした。
いつものようにカウンター席に陣取り、焼き物と野菜のつまみを取って、シュワっとビール(ハア)。ほどなく、常連らしい中年男性が店員さんに挨拶しつつ隣席においでになりました。
男性はよっぽど喉が渇いていたのか、結構なハイピッチで飲み進めしばらくすると
「さみしい」
と、ぽつり。
曰く、アレがアレで前みたいに気軽に飲みに行けないし、休日も手持ち無沙汰だと。
どうやら以前はお子さんとこの店をよく利用されていたのだけど(ご飯ものもあるから子供の食事もOK)、お子さんがそろそろお年頃となった最近は休日にお父さんと出かけてくれなくなり、こうして1人で食事するしかない。さみしい、つまらない。
という話を聞くとはなしに聞いていて、ぼんやりと思い出す。そういや、この人前にこの店で見かけたことあるわ。小学校高学年くらいの女の子と一緒に、ご飯食べてらしたわ。お子さん唐揚げもりもり食べてたわ。
「とにかく、さみしいんだって!だからね、みんなも飲もう!奢るから!」
店員さんらと賑やかに乾杯した男性は、気が紛れてうれしくなったのか、酔いが回ったのか、そこからはひたすら大声で話し続けていたのでした。
一人は一人でも、求めるものは同じじゃない。
1人客なんて自動的に「黙食」なんだから、飲酒を伴う外食でも問題ないのでは。
そう考えてしまうのは、単に私が寡黙な酒を好んでいるからであり、一人客がみんな同じように飲むわけではない。店の人や、他の常連客とのコミュニケーションを楽しむために1人で飲みに行く、という向きだって、そりゃ多いよね。
孤独でも楽しそうな日本人
などと当たり前のことに気づかされた昼酒からしばらくして、1人飲みというあまりにささやかで大切なお楽しみは、あっさり奪われてしまったのでした。しょんぼり。
いつもの街をパトロールしてみると、普通に酒類を提供し、深夜まで営業している店はいくつかある。それぞれがそれぞれの事情を抱え、それぞれの判断にてサバイブしなければいけない今。営業如何についてはなんとも思わないけれど、そもそも空いた時間を狙って飲みに行く私のような人間が、ごった返している店でわざわざ飲みたいか?となるとまた別問題で。
切ない期間はさらに延長となり、ささやかなお楽しみへの想いは募るばかり。雨上がりの今朝なんて、ほんのり夏の匂いさえしていたというのに、街中での昼ビールが叶わないなんて、ああ。
明けたらまた寡黙スタイルで飲みに行きます。あの店やあの店、みんな待っててね。って、待ってるのは私のほうか。
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Comment
こんにちは。
思い切り、そうそう!ってなりました。
最近、家から徒歩圏内の居酒屋に1人飲みに行ったのです。ぼーっとしながら、1人でのんびり飲もうと思って。ところが、カウンターの空いてる席に座ったら、両サイドが話好きな方々だったので、ずっと会話に相槌を打ちながら飲んでました。まぁ、これも何かの縁なのだろうなぁ、と。飲みに行く理由は人それぞれですね。
クーさん
なるほど、挟まれるとそうなりますね。
私も基本は一人静か派なのですが、気づけば隣席の方と話し込んでいた、なんてケースもなくはありません。当初の思惑とは違った状況になるのもまた面白いものではあります。
しかしいずれのパターンもおいそれと楽しめないこの状況はいかんですな。早くのびのび街飲みしたいですね。