過剰なおひとりさまアピールの寂しさ。
一人暮らしかつフリーランスなもので、一人行動にまつわる話をよく書いています。
一人で過ごす密やかな楽しみとか孤独とはなんぞや、みたいなことを考えるのが殊の外好きなのです。
基本的には一人でも二人でも大人数でも、それぞれの生活に楽しさや侘しさ、喜び、心労はあるのだから、一人だからいいとかダメとかって単純なものではないよね、と考える派。実際、一人暮らしの私は本日も朗らかに過ごしておりますありがとうございます。
けれど、一人イコール大変、寂しい、と捉える人やそう見える場面が多いことも十分理解しているつもりです。
一人の時間とみんなの時間は別のもの
普段は自宅で一人晩酌に勤しんでいますが、友人知人らと食事を共にすることも少なくはなく。最近は
上野の韓国料理店で旨味たっぷりの海鮮チヂミや豪快な厚みのサムギョプサルを頬張ったり、
新宿の上海料理店で大量の唐辛子と共にカラリと揚げられたカエルの唐揚げにむしゃぶりついたり、
渋谷の和食店のカウンターで旬のつまみをつついて日本酒をちびちびやったりしています。うほほ、ご馳走ご馳走。
中華料理や韓国料理は一人よりも大人数で行くほうがあれこれオーダーできるし、何よりワイワイしながら飲食する楽しさというのはこれ格別。なわけですが、誰かと食卓を囲む行為と一人でひっそり杯を重ねるそれは全くの別物。
私にとって、誰かと一緒に食事するときの主役は、あくまで会話。一方、一人のときの中心は酒であり肴。よって、外食、特に飲酒を伴う外食について、一人がいいとか嫌だとかで単純に比較して優劣をつけることなどできません。
そんな話をしたわけではないのですが、友人がレモンサワー片手に
「過剰におひとりさまアピールされると対応に困るんだよねえ」
とつぶやいたのでドキリ。あら、それって私のことかしら、なんて自意識過に反応してしまったのですが、彼女の会社の後輩の話でした。
困惑のおひとりさまアピール
聞けば件の後輩嬢は食事や遊びに誘っても一向に応じてくれず
「私は一人でどこでもいけるし、なんでもできるんで、わざわざ誰かとつるんで行動する必要ないんです」
の一点張りなのだとか。
ああー、今時の若い人はお酒飲まないから飲みニケーション(死語)とか嫌がるよねえ、と思ったら後輩嬢はすでに40代。帰りにちょっと一杯などという文化が理解できない年齢ではなく、実際お酒は好きだと言う。
勤務時間外まで社内の人と一緒にいたくないという気持ちもわからなくはない。でも、ちょっと距離を縮めて話したいとか、上司に叱られて元気がなさそうだから励ましてあげたいな、なんていう場面でも頑なにおひとりさま最高、一人でいたいアピールをされるので困惑する、とのことでした。
あああ、なんかすみません。いや、私の話じゃないんだけど。
おひとりさまに感じる寂しさ
単独行動大好きな私はおひとりさま大好きな後輩嬢の言い分はよくわかるし、もちろん本当のところはわからない。
もしかしたら会社の人たちとの付き合いで嫌な思いをしたからこそそういう断り方をしているのかもしれないし、単に友達が避けられているだけかもしれないし、私同様酒癖が悪いゆえに醜態を晒したくない、といった理由があるのかも。
けれど、おひとりさまアピールを受け続けることを
「誘いに応じてくれなくて寂しい」
とも表現した友人の言葉にああそうか、と。
一人が好きで、それについて他人にどう思われようが気にしない側の人間はそこで完結できるけど、頑なにおひとりさまポリシーをアピールし、貫くことで近しい、そして少なからず自分に関心を持ってくれている誰かに寂しい思いをさせる場面もあるのか、と。
もちろん、自分の気持ちを差し置いて、犠牲にしてまで誰かの要望を聞き入れる必要はない、というか無理。
一緒にいるのがただただ辛い人の誘いに無理して応じることはできないけれど、嫌い、とまではいかないならば、おひとりさま至上主義でもたまにはうっかり誘いに乗るチャレンジ精神は持っていたいなと改めて考えたのでした。
人と関われば痛い目をみる
誰かと時間を共にすることが「チャレンジ」って大げさな、とお思いでしょうか。
いやいや、私のようなもじもじ型の人間にとってはこれが結構な高さのハードルなんですよ。でも、だからこそ得られる果実的なものもあるわけで。
例えるならば年がら年中ツアーだらけのバンド活動はキツくても、たまのセッションなら気負いなくやれるよね、という話。
ソロ活動ではありえない面倒や息苦しさはあれどそれが一生続くわけじゃなし、えええなに今のリフ、なんでそんなの出てくるの?みたいな発見だって多々あるのだから。
関連 私なら行かない。
寂しい、とつぶやいた彼女の隣で菜の花のおひたしをつつきながらそんな風に考えたのは、孤独大好きおひとりさま万歳の私がここのところ重なった友人らとの会合にてそれはそれは痛い目にあっているからであります。
無論痛みを悦ぶ複雑な癖は持ち合わせておらず、基本的に痛いのはイヤなんだけど、たまに痛い目をみるのもアリだなあと思うことしきりの2017年春。
今もなお胸をチクチクと刺してくるこの痛みについて、書き始めると夜が明けそうなのでまたいずれ。ああ痛い。
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