私なら行かない。
公開日:
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最終更新日:2016/12/06
生き方と考え方
そろそろ旅の準備をば、などと言っておりますが。
実は今回の旅は早くから計画していたものの内容が二転三転してやや面倒なことも起きたりしたので
「これは今の時期に行くなというお告げか何かか」
などと深読みして一度は中止しようかとも考えました。
一人旅が気楽すぎて
今回は一人旅ではなく現地集合となるメンバーを伴う旅です。何しろ団体行動が苦手で協調性に難ありの私、ただでさえ誰かと一緒に旅行するのは気を使ってしまいます。
細かい経緯は省略しますが、今回はそれに輪をかけて予定が変更になったり途中で参加者が変わったりなどしてなかなか最終確定ができませんでした。こうなるといろいろ調整するのが面倒になってついやめてしまいたくなるのがダメ人間の性。そもそも私はいつでも旅立てる自由人なのだし、最も高くて混む年末時期をわざわざ選ばなくてもいいのだから今回はごめんなさいして日を改めて気楽な一人旅にしようかな、などと考えてしまったのでした。
全く、嫌な感じですね。
ほぼほぼ辞退の方向に気持ちが傾いていたのですが、事の次第を何気なく相談した友人が発した一言をきっかけに急遽方向転換したのでした。
私なら行かない
その一言とは
「私なら行かない」
というもの。状況を説明した後に今回はやめとこうかなあと思って、と言うと返って来たのがこの言葉でした。
おいおい、行かないっつってんのになんでそれが行くきっかけになるのだ天邪鬼だなとお思いでしょうか。
いえね、意外だったんですよ。
「えー、そんなの気にせずに行けばいいのに」
と言われると思ったから。
私は一人暮らしも長く一人旅にも慣れていて孤独を愛する根っからの一人好き。けれどこれは裏を返せば人との距離感が上手く取れず長時間人と過ごすことが苦手ゆえに身についたスキルでもあるわけです。まあ卵とニワトリ論でどっちが先かはわかりませんが。
それまで密に付き合っていた相手とも職場や仕事、住まいや環境が変わればあっという間に疎遠になってしまう人付き合いが不得手な私と違って、常に丁寧な人間関係を構築して多くの人に愛され40代となった今でも学生時代の同級生らとも付き合いが続いている友人。あらゆるタイプの人たちと和やかに会話ができる彼女であればグループ旅行なんてお茶の子さいさいなんだろうと思いきや
「家族とかパートナーとかよっぽど親しい関係じゃないと数日間一緒に過ごすのはムリ」
と言うではありませんか。びっくりしました。
見えていることが全てではない
私は自分の不器用さばかりに目を向けて人が普通にできることをこの年になってもスマートにこなせないとはいと悲し、などと勝手にさめざめしていたけれど、それは私の目にそう映っているだけであって絶対的な真実ではなかった。いやもちろん何の苦もなく他者とコミュニケーションが取れる人だって大勢いるけれど、そつなくこなしているように見える人でもその実ハラハラするほど気を使っていたり、苦手なりに努力して誰かと関係を築いていたりするのだなと改めて知ったような気がしたのです。
で、それなら私も苦手だ苦手だと逃げ回ってないで挑戦してみようかと。もしかしたらぐったりと気疲れしてやっぱ行くんじゃなかったなんて思うかもしれないけれど、それはそれでよくて別に大きな失敗ではないんじゃないかと。
もう若い時のように一緒に旅行に行ける友達もいなくなった、という人も多いであろう40代。一人旅はいつだっていけるしせっかくの機会なのだから今回のこの珍妙な企画を楽しんでこようじゃないか。
「私なら行かない」
のシンプルな一言が私にそう決断させたのでした。なんだか逆説的で酷く捻くれた考え方かもしれないし、こんなことは中3くらいで理解しているのが当然なのかもしれませんが、私にとっては新たな発見なのですよ。
こういうボールが投げ込まれて来るから他人の意見って楽しいのかもね。
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