食の好みが合わない人こそ大切だという話。

公開日: : 最終更新日:2018/12/07 読書, 食べること

lindt

とりあえずパフェを食べようという近年稀に見る提案に面食らいながらも、おとなしく受け入れる。しかし、どう考えてみてもパフェと勝負できる腹や口ではなかったので、できるだけビターそうなケーキを選び、ブラックコーヒーの供とする。

そうだ、甘いものダメだったっけ?ごめんごめんと後で謝られたけど、そんなことはありません。

自分一人だったらリンツカフェでパフェ食べようなんて洒落た発想は出てこないのだから、このオファーはむしろありがたいことなのです。

まあ、パフェは食べられなかったんだけど。

食の好みが合わない人こそ大切だという話

新橋ときそば

どちらかといえば甘いものよりしょっぱいものが好きだけど、全面的に甘味がダメなわけではありません。

ただ、素面でアイスクリームやケーキなどの洋菓子を食べる習慣がないだけ。酒飲んだ後はなんとなく欲しくなるんだけどねえ。アルコール摂取後は血糖値が下がるらしいので、これは本能的なものなのでしょう。ダメな本能。

甘い女。

チョコレートも嫌いじゃないけど、そうそう頻繁には、そしてたくさんは食べられない。専門店にも近寄らない。そういや表参道のDelReYのシャンパンとチョコレートってメニューはよかったね、と思い出したのだけど、もうあの店とっくになくなっていのか。という程度には、チョコレート事情に疎い。

だからこそ、ここの季節限定パフェを毎シーズン欠かさず食べているという友人の話は新鮮で面白かったのです。

食の好みが合致する相手との時間は、楽しい。店選びにしても、オーダーにしても、ツボが似ていれば似ているほど、おお、そうそう、わかってるねえという高揚感もある。

では、逆の場合はどうか。

酒を一切飲まない彼女と私では、食の好みや店選びの指針はかなり異なるし、正直、合わない。だからといって、会うのがつまらないかというとそんなことはない。ハズず危険性は高いだろうけれど、自分の好みなどという限りなく狭い世界から、まだ見ぬ場所へといざなってくれるのは、むしろ「合わない」人なのかもしれない。

モノを溜め込む人とは友達になれない。

そう考えると、好みの合わない人って大切ですね。もちろん、ただ嫌いな相手ってのは好みが合おうが合うまいが一緒に食事はできないんだけど。

もう一杯だけ飲んで帰ろう

味覚にせよなんにせよ、好みの合わない人って大事。

自称「食の好みの合わない」夫婦が同じ日に同じ店で共に飲み食いした時間をそれぞれの目線で綴るリレー形式エッセイ「もう一杯だけ飲んで帰ろう。」を読んだ際も、同じように感じました。

肉には一切の興味を示さなかったもやし好きの夫が、肉食の妻の影響か、今では月一の焼肉会を楽しみにしていたり、肉さえあれば野菜なんて食べなくても平気だった妻が、しっかり出汁のきいたおひたしの美味しさなどを語るようになっている。まるっきり嗜好が変わったわけではないけれど、好みが合わないからこそ互いの影響によって新しい扉を開いたのだなあと感じられて、なんだか微笑ましい。

特に河野氏の記述には結婚後のご自身の変化を好ましく受け入れている様子がそこかしこに現れており、これまた微笑ましい。

お二人は共に食が細いので、お気に入りの店であれこれ食べたい時は敢えて大食いの友人を「仕込む」という作戦を取るらしい。根本的な食の好みが違っても、好きな人とみんなでワイワイ飲むのが好き、という点が完全一致しているからこそ、度々の外食を楽しめるのでしょう。

最近益々タイトになっているらしい我が胃腸。飲みに出かけてもオーダーできる品数がどんどん減ってきたのは、やっぱりどこか寂しいものです。

一人で酒を飲むならば 一人飲みの店選び

こういう本を読んでいると、ひとりでしっぽり飲んでばかりいないで、たまにはみんなを誘って大勢で出かけて、テーブルにずらりと料理を並べて食べたいな、という気になってくるのでした。

 




関連記事

大根と牛肉のバター煮

大根と牛肉のバター煮、焼き甘長で家飲み。

大根といえば圧倒的に焼き大根率が高い我が家ですが、本日は珍しく甘辛い醤油味の煮物に。

記事を読む

トマト冷しゃぶ献立

トマト冷しゃぶ、えのきスープ献立。

肉が少しに野菜たくさん、というメニューが好きです。 肉は大好きなのですが、肉だけを食べ

記事を読む

焼き茄子とトマトのサラダ献立

一人暮らしの晩酌メニュー 5/17 焼き茄子とトマトのサラダ、韮と蒸し鶏の和え物。

帰宅が少々遅くなったので軽く済まそう、と考えた夜のメニュー。 本日調達したのはトマトと

記事を読む

才能に頼らない方法 正しさとパッションの間で。

多少時間に余裕があるので、ここぞとばかりにインプット作業に勤しむこの頃。先週は文章作成に関する本を立

記事を読む

焼きれんこん献立

焼きれんこん、白菜のしょうが味噌煮込みで家飲み。

久しぶりの家飲みポストです。 本体は只今南の島で軟禁生活を送っていますが、出発前の晩酌

記事を読む

家飲み献立 9/22 鶏胸肉のバジル炒め、しめじとわかめの温奴、他全5品。

いやー、くしゃみと鼻水が止まりません。 風邪引いたわけじゃなくて、花粉症っぽいぐしゅぐしゅ

記事を読む

鶏肩肉の香味ダレ、白菜とツナの蒸し煮献立。

冷え取り対策のウォーキングに出かけていて発見してからとても気に入って通っているスーパー。そこの精

記事を読む

白菜と油揚げの卵とじ、ベビーリーフのサラダ献立。

白菜と油揚げの卵とじ、ベビーリーフのサラダ献立。

普段は手に取らない食材も積極的に試しましょう。などと言っておきながらこの体たらく。 メ

記事を読む

30歳過ぎたら絶望的、会えない長い日曜日。

「お酒飲めないと、人生損するよって先輩が言ってた」 ブランチがてら仕事をするために出か

記事を読む

こんにゃく麺を使った料理 レシピ

家飲み献立 3/23 具沢山 鶏出汁こんにゃく麺。

旅に出る前は保存できない食材は全て食べきろう。しかも、美味しく。 そう考えて最後の晩餐

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

50代海外一人旅。10年ぶりのタイ・ラン島へ。

サワディーカー。 というわけで、久しぶりにタイにやって

韓国・釜山一人旅で食べたものその3 外で飲む、屋台で飲む。

お待たせいたしました、韓国・釜山一人旅の食事記録、第三弾です

大人のアトピーに慌てない、いつものお守り。

大人になったら改善される。 なぜかそう考えていたことの

遊んで暮らしたい50代が今なお働く理由。

ここのところ、公私ともに文章を書く量がめっきり減りました。

ミニマリスト主婦はよく食べる。

連休中は実家に帰省しておりました。 ここ数年は年末年始

→もっと見る

PAGE TOP ↑