40代女性のファッションが難しい理由。
40代ともなれば生活や体の変化、体力の衰え、今後の仕事のやり方などなど、考えなければならないことがあれこれ増えてきます。
しかしながら、40代女性にとって最も身近な悩み事といえばファッションではないでしょうか。
20年前ならばこの悩みは30歳で迎えていたのでしょうが、医療の進化で人間の寿命が延び続けている昨今、自動的に「若い」と言われる期間も延びています。
今の30代女性って普通にギャルですよね。
1990年代にギャルの教祖として一世を風靡した安室奈美恵さんも現在36歳。相変わらず可愛らしいです。
40代のファッションが難しい理由
2014年現在、「40歳」は何かと区切りになると思います。
30代までなら20代の頃に好きだったテイストの洋服を無理なく着こなせますが、40代に入ってそれを続けていると、どこか痛々しくなってしまう。
少々寂しい気もしますが、これは仕方ないこと。
40代はすっかり大人。大人なりの着こなしを覚えなければいけないと思うのです。
恐怖!永遠のオリーブ少女
私がまだ20代で販売の仕事をしていた頃。
雑誌「オリーブ」から抜け出してきたようなファッションの女性が来店しました。
休刊になって久しいので、若い人たちは「Olive」をご存知ないかと思いますが、80年代にティーンネイジャーの間で大流行したファッション誌です。
話を戻してこの女性客。青いリボンのおさげ髪、ボーダーのTシャツにベージュのキュロット。肩から生成のトートバッグを下げて、足もとは真っ白なスニーカーという爽やかな出で立ちでした。
あー、こういうナチュラルファッションって定番だよねえ…とその女性の背中をぼんやり眺めていたのですが、彼女が振り返った瞬間私の中に得も言われぬ衝撃が走りました。
とても綺麗な人なのに、この違和感は、なんだ…?
実はこの女性、顔を確認すると40代後半くらいだったのです。
コーディネートとしては何らおかしなことはないのですが、どう考えても大人の女性には似合わない高校生っぽい装い。似合わないばかりか、年齢と洋服のギャップが彼女をさらに老けて見せていました。
当時私はまだ20代。若者らしい言い方をしてしまうと
「あーあ、おばさんが若作りしちゃって…」
で済んだのでしょうが、それだけでは済ませられない物悲しさを感じました。
若さ=美しさという思い込みの悲劇
私の苦手な言葉は、女子力、美魔女、大人女子、アンチエイジング。どれもこれも若さに執着している痛々しい言葉に思えます。あと、ほめられレシピとかモテコーデなんていう自分の価値を他人軸で測るような言葉も好きではありません。
もちろん、若い頃って男女ともに生命力に溢れていて文句なしに美しいのですが、年を重ねてからしか無し得ない年齢相応の美しさもあると思うのです。
特に40代ともなれば内面が表情に表れる年代。意地悪な人は意地悪な顔に、悩んでばかりの人は悩み顔に、泣いてばかりの人は泣き顔に、人生を楽しんでいる人は楽しい顔になるのです。
若く見せることばかり考えるのは、もうやめよう
今週の読書に選んだ米澤よう子さんの本。
1ページ目にあった言葉に大きく頷きました。
その年齢、そのとき、その場で、自分の心に正直でいられる―。
自然体で、決して無理しない、自分らしいおしゃれができる―。
ロングラン・モードのパリジェンヌ流。
今まで好きだった洋服がどうも似合わなくなってきた、と思える40代はおしゃれの転換期。そこで焦って「若さ」にしがみ付いてしまうのはスマートじゃありません。
これからの自分を愛するためにも、20代、30代の「若かりし過去の栄光」に未練たっぷりのファッションはあっさりと捨て去って、今の自分だからこそ楽しめる装いにもっと目を向けたいものです。
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Comment
私はまだ30代ですが、共感しながら拝読しました!
歳を重ねることでしか得られない美しさってありますよね。
最近周りにそういう人がたくさんいるので、年を重ねるのが楽しくなりました。
カリッとした毎日の主さんも、そのひとりです。
Erisaさん
ありがとうございます。40代って凄く楽しいですよー。
先日とある雑誌で夏木マリさんと桃井かおりさんの対談を読んで、圧倒的に美しい60代女性の存在にわくわくしました。日本はまだまだ若さ偏重文化ですが、こういう先輩がいれば徐々に年を重ねる美しさが認められるだろうなと期待しています。