今見えている現実は真実ではない。セブ日記 10
3日連続の雨。
この島のいいところはスカッと抜けるように青い空なのだから、そろそろまたあの顔を見せてくれなきゃ困るなあと灰色の雲を眺める。
日中の最高気温は29℃。さすがに教室の冷房が寒く感じた。
それにしてもフィリピンの人はなぜこうも雨を好むのか。
今見えている現実は真実ではない
以前ほどではないにせよ、私は天気で容易に気分が左右される人間である。晴れた日には能天気な鼻歌を歌い、酷く冷える雨の朝は布団との別れを惜しみぐずぐずと動かない。
これは単に寒さと朝に弱いからでもあるが、雨はよくない天気であるという自分にとっては当たり前の認識ゆえのことだろう。一方フィリピンの人がやたらと雨を好むのは単に雨の後は気温が下がって過ごしやすいからなのだと思っていた。
「眺めているだけでなんとなく楽しいじゃない」
「雨の音って音楽みたいなものでしょう」
「なんとなくロマンティックだから、考え事するのにいいよね」
私だって夏の夕立ちは嫌いではないけれど、それでも楽しいとか美しいとまでは思わない。ところ変われど雨は雨。同じ状況であるのに、人によっては、そして認識が違えばよくない天気もちょっといい天気になるらしい。
今目の前にある現実が真実であるとは限らない。私にとっての当たり前は、誰かの当たり前ではない。
今日の食事
- 朝 ソーセージ、もやし炒め、トマト、トースト、マッシュルームスープ、コーヒー
- 昼 フライドチキンマッシュルームソース、空芯菜炒め、インゲンソテー、なすの煮もの、ごはん、レモングラススープ、黄色のすいか
- 夜 とんかつ、キャベツ炒め、ゴーヤチャンプルー、梨のサラダ、ごはん、野菜の味噌汁(持参品)、青汁(持参品)
揚げ物重ね。今書いていて気付いたのだけれど、昼のソースは朝のスープのアレンジだったのだろうか。ちなみにフィリピンではフライドチキンのお供に甘いバナナケチャップで味つけした柔らかいスパゲティが添えられることが多い。なんだかファミレスのお子様セットっぽいメニューだけれど、子供だけでなく、大人もこの組み合わせを好むようだ。
雨が続くとすでに日課となっていた屋上での夕焼け観測ができなくて寂しい。
夕焼けにはお目にかかれないのはわかっていても、少し外気に触れたくて、今日も屋上の雨よけの下で1時間ほど音読をした。繰り返し声に出して読んだのは、明日のプレゼン用の原稿。こんなお笑いマンガ道場的自作エッセイを読み上げているようでは到底ロマンティックな気分になどなれないが、ほんの少しだけ清々しい雨だった。
つづく。
※ 滞在した語学学校についてはこちらで書きました。
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