短所はこの際おいといて、もう長所に注力する。
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最終更新日:2017/08/22
生き方と考え方
近所のスーパーの店長(だと勝手に思っている)が苦手です。
店長は30代半ば。時にはカウンター内で事務作業などもしていますが、品出しやレジうちも自らこなすプレイングマネージャー。
そのスーパーの店員さんは彼以外の殆どが主婦パートさんか外国人アルバイトなので、小さな店とはいえ店長の負担はかなり大きいでしょう。
が、そんなことはおくびにもださず、彼は周りにあれこれと指示を出しながら、自らもてきぱきと動いています。
止まったら死んじゃう!人になりたい
そのスーパーに行った時に店長が品出ししていると
「おおぅ…」
と、ちょっと身構えてしまうのです。なぜなら、妙に緊張するから。
いや別に店長がイケメンだとかタイプだとかの色っぽいお話ではなくて、小さな店内をテキパキと動く姿に妙に圧倒されてしまうのです。
私はずっとテキパキ動ける人や気の利く人、なんでも器用にそつなくこなせる人になりたいと思っていました。20~30代の頃は仕事効率化とかデキるビジネスマンのなんたらとかそういった類の本ばっかり読んでたし、ちょっとでも要領の悪い部下がいたら徹底的に責めたり(ひどい)してました。
だって、やっぱり動きの早い、仕事の早い人ってデキる感じがしてかっこいいじゃないですか。
サラリーマン時代はある程度の経験を積んだこともあって、自分もそれなりに動ける人間になったつもりでいましたが、同時に本質的にテキパキしている人には全然かなわないことも悟りました。
さて、話は戻りますが、ある日、件の店長が会社員時代の同僚に似ていることに気付きました。
そういやその同僚もものすごーくテキパキな人だったんですよね。動きにやたらと無駄が多いところが愛嬌のある人物ではありましたが、彼にも最後まで苦手意識を持っていました。
要はコンプレックスの裏返しってやつです。
何事も時間を無駄にせずちゃっちゃかやりたい!と思うものの、私はやっぱり根本がボーっとしています。
ボーっとしてる、っていうか、のんびりしている。
いや、のんびりしたい。
定住しない生き方が好き、なんていうと1分1秒を惜しんであちこち飛び回るようなイメージがあるかもしれませんが、私はほっといたら何時間でもボーっと妄想して過ごしていられるタイプ。
いつでもパワフルに動き回る人が「止まったら死んじゃう!」なんていいますが、私はじっとしてても平気。何も予定のない休日が勿体無い、なんていう感覚も非常に希薄です。
でも、「止まったら死んじゃう!」人になりたかった。
のんびりが自分の本質的な性格というか性質なんだと幼少の頃からわかっていたのに、どうしても認めたくなかった。これはよくないこと、ダメなことなんだと思い込んで、どうにか変えようと必死でした。少ない時間でたくさん動いて多くのことを成し遂げられる人間にならなければ人から賞賛を受けられないのだから、と。
やらなくていい努力は捨て去る
さて40もとっくに過ぎたというのに今更感たっぷりなんですが、もう短所はおいといて、長所を伸ばすことにしました。
テキパキできないのは確かに短所ではあるのですが、人様に迷惑をかけない程度ならまあよしとしましょう。そこを必死に直す努力は今後しないことにします。
これを一般的には「諦め」というのかもしれませんが、努力してもあんまり改善しないと実感した、さらにいえば本心では求めていないことに執着して時間を使うのはそろそろ勿体ないと感じるお年頃。
それならまだまだ伸びていきそうな能力に注目したほうが最後は納得できるような気がするのです。
苦手な数学を克服することに時間を使うよりも、得意で好きな英語をさらに磨いたほうがいい。そんな感覚。
「じゃあおまえの長所はなんなのだ」
っていう話なのですが、なんでしょね。なんかあるはずですよ。多分。
孤独に強いとか、物事に執着しないとか、持続力があるとか。
あ、幸せのハードルが低い、っていうのもあるな。何しろ日々生きてるだけで結構楽しいと思えてしまうおめでたい体質なので。
そうそう、件の店長については自分のコンプレックスの裏返しだと気づいてからは苦手意識を持たなくなりました。
今ではおっ、今日もがんばってるねー、てな感じです。
何様。
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Comment
なんだか妙に共感しました。
私も昨年に大きな転機が訪れるまで、動き続けないと!という意識で生きていました。
今は、なにもない日がなによりしあわせです。
今回のお話、crispylifeさんがどういう経験をしながら、今のライフスタイルに辿り着いたのかを知ることが出来て、とても興味深かったです。
エリサさん
いつもありがとうございます。
のんびりするのも悪いことじゃないんですよねえ。思い込みって怖い。