サイト閉鎖で考える切ないお仕事。
愚痴らないこと嘘つかないこと負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じ抜くことをモットーに明るく健全なブログ運営を心がけている仏ブロガーの私ですが、さすがに悪態をついた出来事がありました。これはさすがにどうなんだ、と。
その後持ち前の性格の悪さを遺憾なく発揮して陰湿な反撃を試みたのですが先方は華麗にスルー。結果も出ず仏設定も台無しというグダグダな感じでフェイドアウトしました。
脱力ですね。
こちらの被害といえば気分が悪い程度のことだし本件に貴重な時間を費やすつもりもなかったのでその後は放置。そんなこともあり今回の大規模キュレーションサイト閉鎖の件はかなり前から関心を持って動向を見守っておりました。
エビデンス云々も問題ではあるけれど
さて件のサイトは医療系の情報サイトを謳いながらも医師や専門家による監修は一切されておらず外部ライターが他サイト等から情報を寄せ集めて「リライト」したものが掲載されている点が問題となったようです。
参考 DeNA医療系サイト「炎上」で休止…検索「誘導」過熱(読売新聞)
エビデンスがない、というのは確かに問題視されてしかるべきですが、一次情報ゼロの記事を並べて情報サイト面するのも相当だなあと。
こんな雑な仕事っぷりでは当然外部ライターは元ネタのソース確認なんてしていないだろうし、運営サイドもそれは承知の上だった、というか確信犯でしょう。信憑性もなく読み物としての価値もない、ただ検索エンジンに強いだけのサイト運営を企業の一事業として手がけるって随分な話ですよね。
なんかこう、切ない。
ものすごい勢いで記事を増やしていたので内容はともかくそれなりのリソースを投入した事業だったはず。大人数の外部ライターを抱えてSEO対策がなされた記事を効率よく量産する体制はとても片手間でできる仕事ではなく社内には専任担当だっていたでしょう。
まあネタ探しもリライトも全てそれ専用ツールをゴリゴリ回していただけでマンパワーは使っていない説もありますが、だからと言って全自動でハイ出来上がりではないのだからそこに人間は確実に存在する。となると、内容は空っぽのままで狙い通りに急成長していくプロジェクトに携わる仕事に心底満足していた人はどれくらいいたのかなあなどと考えるわけです。
働くってなんだっけ
素人目にもアカンやつとわかる事業、収益が上がる以外のメリットはなく(いや、収益が上がるのは十分意味があることだけども)、なんなら自社の信用問題に関わる行為。社内で反対や改善を求める声が上がらないはずがないと思うのだけれどそれもこれも
「仕事だから」
でやり過ごしていたのか。まともな記事を納品していたライターもいただろうけど相当アレな内容が多かったからこそ問題となったことを考えれば書いてるほうもしょうもないなあと思いつつ
「仕事だから」
で請けていたのか。
だとしたらなんとも切ない。切ないよね。
なんてどれもこれも外野からの憶測に過ぎませんが、本件に限らず仕事なんだから仕方ないとか給料もらってるんだからとか生活のためだとか
「仕事」
を免罪符のように使ってしまうことって多いよなあと。とりあえず仕事と言っておけば大体のことは許される的な。
人生の満足度を上げるには
仕事って楽しいばっかりじゃないし我慢しなきゃならないことも辛いこともうまくいかないことも多い。でも仕事だから仕方ないの仕方なさ範囲をうっかり取り違えると人生相当切ないことになるなあと感じた出来事でした。いや、勝手な憶測です。わかってますけどね。
今の世の中、生活するために働くのは極々普通のスタイル。けれど売上を作ることだけを目的とした無意味な仕事もどんどん増えていてそれに振り回されているのもまた事実。
会社員でもフリーでもアルバイトでも派遣でも形態はどうであれ、そして仕事に纏わる日々の細かい不満はあれど、自分自身の仕事の存在意義を感じられたらそれだけで人生の満足度は上がるよね。何しろ大人は生活のほとんどの時間を仕事に費やしているのだから。
関連 もう十分豊かな時代なのだから、必死に働かなくてもいいのでは。
職に貴賎なし。どんな仕事にもそこから学ぶことはできるとしても、世の中に不要なものや誰にも喜ばれないもの、なんなら迷惑がられ忌み嫌われるものを作る仕事に人生の貴重な時間を費やすなんて切ない以外の感想が思いつかず。本当は一次情報の重要性云々の話を書こうと思ってたのにこの切なさにポイントに引っ張られてしまったわ。
そりゃあ生きるためだけど「働く」ってなんだろうね。
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Comment
crispy様
そりゃあ生きるためだけど「働く」ってなんだろうね。
雨露を凌いで、飯を食い、酒を飲み、布団で寝るため。
なればこそ、愚鈍なまでにクオリティの高い仕事をする。
まさか、ゴルゴ13か山下達郎か、凡人はそこまで完璧には
出来ないけど、目指そうとするべき。
調律の業界も安かろう、悪かろうが蔓延り…
その方々の尻拭いも多々…。
よくもまぁ、こんな調律するもんだね、と、
呆れるやら笑えるやらww。
でも、じっと我慢して己を磨くより他は無いんですよ。
これからも楽しい記事をよろしくです。乾杯。
ちゅーなーさん
えええ調律の世界でもそんなことがあるんですか? 素人考えではかなり研ぎ澄まされた世界というか職人技にもインスタント的サービスがあるとは思えず驚きました。
そうですね、食い、飲み、眠るため。
そして贅沢を言うならば他者でなく自分自身が納得出来る仕事によってそれらを賄えたらと思うのであります。
crispy様
連コメ失礼致します。
調律業種は法的縛りがありません。
極論、crispy調律事務所を作って工具持って
仕事しても罪には問われません。
だから…なんですよ。
尻拭いに行きまして…
ファーーーーーーwwwwwwwwwwww
と、ネット用語丸出し草はえた事案も度々。
人のふり見て我がふり直せ。
自分自身が納得できないんですよ。
まだダメだ、まだダメだって。
良い音じゃないって。
永久に満足出来ないのかも。
酒で癒やしてますよw
ちゅーなーさん
ああなるほど、メガネ屋さんみたいなものですね。検眼するのに資格いらない的な。あれ、大分違いますかね。
>自分自身が納得できないんですよ。
専門的なスキルは何一つ積み重ねてこなかった人間からするとこういう感覚で取り組める仕事ができる方を羨ましく思ってしまいます。満足しちゃったらそこで終了ですから終わらないのはむしろいいことなのかもしれません。