減らす技術で、もっと小さく価値あることを。
30代の頃はよく、仕事の効率化や時間管理術の本を読んでいました。
仕事はもちろん、人生のあらゆる場面においてさまざまなツールやガジェットを素早く使いこなし、より多くのことを成し遂げる必要があると信じていたからです。
自分をマルチタスクな人間に仕立て上げるために得た多くの情報や学びは決して無駄にはなっていませんが、今となっては「短期間により多くのことを成し遂げる」ためのテクニックには興味がなくなりました。
なぜなら、そもそも私は「のんびりしたい」人間のようなので。
一度に同時にあれこれ仕上げる「デキるビジネスマン」には依然として淡い憧れがありますが、自分はもうそこを目指さなくてもいいかな、と今では思います。
人生をシンプルにして手に入れた「モノ」
昔読んだような気がしていたけれど、実は読んでなかった「減らす技術 The Power of LESS」。昨夜夜中に目が覚めてしまったので、再び眠るまでの時間を利用して一気に読みました。
毎日が心底イヤになった著者は、「人生をシンプルにすること」にしました。
もっと努力を、もっと成果を、もっとお金を……「もっと、もっと」と求めるだけの生活には見切りをつけ、ただ「減らす」ことにフォーカスしたのです。
すると、たった2年で彼の人生は激変しました。
ブログ「Zen Habits」を主宰する著者のレオ・バボータ氏。2007年度には世界ブログ総合大賞なるものを受賞している人気ブロガーです。彼は人生をシンプルにしたことでストレスフリーな生活、20キロの減量と禁煙に成功した健康な身体、家族と過ごす十分な時間など、多くの形なき「もの」を手に入れました。
最近改めてシンプルライフにまつわる本をまとめて読んでいるのですが、これも荷物を少なくしようというミニマリスト系の書籍かな、と勝手に思っていたら違いました。
もちろん、オフィスや自宅の持ち物を少なくしようという提案やモノを減らすための具体的なアドバイスもあるのですが、ページの多くが人生をシンプルにすることに費やされています。
彼の提案する「人生をシンプルにする方法」とは
- 制限する
- 本質に迫ることだけを選ぶ
- シンプルにする
- 集中する
- 習慣化する
- 小さくはじめる
この6つのステップ。
それぞれの項目で書かれていることはあまりにシンプルで簡単なテクニックばかりなので、斬新且つ高度なアドバイスを欲している人にとってはやや物足りないかもしれません。
でも、人生を変えるために必要なのは、そんな簡単なプロセス。簡単なことを日々黙々と積み重ね、継続する。それこそが最も大切な行動なのだと、私も現在実感しています。
タスクを減らせば、いちばん大切なことに集中できる
以前はあれもこれもやりたいことのように思えたり、誰にでもいい顔をしたいがために、あまり大切ではないことに随分自分の時間を使っていたような気がします。
現在は荷物を減らすのと同時に日々の「やるべき(と思っていた)こと」を減らし、自分が本当に実現したい夢や目標達成のために必要なことに集中して時間とパワーを使うようになりました。
これが、すごく気持ちいいです。
一度にたくさんのことはできないので、ひとつひとつ小さなゴールを決めて、一定期間継続して、習慣化して、というプロセス。そこには派手さも面白みもないけれど、実はどんな斬新な方法をよりも効果的なのでは、と、最近になって改めて思うようになりました。
参考 ブログ開設1周年。1年間ブログを毎日更新し続けて思うこと。
そんなことに気づくのが40代になってからとは少々遅咲きではありますが、気づいただけでもありがたい。もしあのまま気づいていなければ、自分が本来は求めてない「マルチタスクな生き方」を求めて、今でも苦しんでいたかもしれないのだから。
などと言ってはいますが、まだレオ・バボータ氏のように何か成し遂げたわけではありません。けれど、日々の小さな小さなゴールをクリアできている日々には人生が好転しているという確かな手ごたえを感じています。
小さくても、価値ある人生にするために。
持ち物も暮らしも人生も、この先もずっとシンプルにいきたいものです。
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