おばさんが嫌われる理由。
踊り疲れたディスコの帰りを存分に満喫する夏です。
ディスコでもなければ踊りでもないけど、終了時は激しく疲労困憊。先生が毎度毎度「はい、よくがんばりましたー」と労ってくださるのが心のそこからうれしい。
それくらい、疲れています。
おばさんの寸劇
幾分激しい動きを強要されるレッスンなので、フラガールチームと比べれば年齢層はやや若め。と言っても、まあ大体が40代オーバーのおばさんです。20代、30代の若いOLさんは代官山辺りのおしゃれスタジオでヨガとかピラティスとかするんでしょうしね。
が、先日は20代の女性が一人紛れており、ロッカールームでまんまとおばさんの餌食となっていた。
「いやーん、20代ですって!いいわねえ」
「ねえ〜、若いってもうそれだけで財産だから!」
「ホントホント、可愛らしいわねえ」
聞こえてくるのはおばさんらの若さ賞賛のみで、当の本人の表情は窺い知れない。いや、私は一体どこで聞き耳立ててるんだって話ですが、ロッカールーム混むから苦手で、毎度ちょっと離れた場所でこっそりと着替えているのですよ。社交性なくてすみません。
「20代、20代」
「ねー。でもね、おばさんだって20代の時は綺麗だったのよ〜」
「アラ、山田さん何言うの?今でも十分お綺麗よぅ」
「やだ、ありがとう、うふふふふ」
様式美である。
地球が誕生して46億年、人類が言語を用いたコミュニケーションを開始してからというもの、おばさんらによるこの手の寸劇は一体何度開催されてきたのだろうか。そりゃ死ぬほど、である。そして延々と続く寸劇の終盤になってもなお、当の20代ご本人の様子はわからない。憶測でしかないけれど、困惑しているに違いない。だって、さっきからおばさんの圧に押されて一言も言葉発せていないもの。
おばさんはなぜ嫌われる
果たして、いくつになったら「おばさん」なのか。
これは諸説ありますが、やはり今日日おばさんたるもの40は過ぎていたいところではないでしょうか。おじさんもまたしかり。30代ではまだ物足りないかなという印象はあります。
しかし「おばさん」という呼称を自身に対して積極的に用いていると
「まーたcrispyさんは自分をおばさんって呼ぶ」
「おばさんって言ってたら、ほんとにおばさんみたいになっちゃいますよ?」
などと、注意を受けます。主に、若い人から。まだおばさんやおっさんの域には達していない年代の人からおばさん使いを窘められるのです。
えー。ダメ?
叱られる度に感じるのは、おばさんって若者から忌み嫌われているのだなあということ。いや、おばさんそのものというよりも、この呼び方というか表現が好かれていないというか、単なる中年女性を表す言葉に過ぎないのに必要以上の重荷を背負わされている気がして、おばさんが気の毒でなりません。
まあこんなことは受け取り方による齟齬が生じているに過ぎず、私が「アラフォー」を嫌がるのと同じことなのだろうけど。
しかし、考えてもごらんなさいな。
おばあちゃんってあたしゃ孫なんかいませんよ。とか、お母さん?あなたなんか産んだ覚えはありません。なんて返しを受けないとも限らないセンシティブな各呼称と比べて、おばさん呼びのなんと大らかで便利なことか。
おばさんでいさせて
しつこいようだけれど私はそれなりにおばさんやおばさん時代を謳歌していて、大切にしている自覚がある。
一度きりの青春時代が儚くも美しいのと同様、おばさん時代もまた生涯一度きりなのだ。美しいかどうかは別として、ある意味儚くもある。
確かに、反省すべき点はある。年上の女性が自分のことを「おばさん」と表現したならば「いやいや、まだまだお若いですよ」と一度は否定すべきなのでは、それが大人としての嗜みでは?などといらぬ気を回してしまうのもわからなくはないし、私だっておばさん前時代にはそう捉えていたような気がする。
でも、心配いりません。自称おばさんらは本人が好き好んでおばさんでいるので、放っておいたらいいと思います。
大体いつまでも若い娘さん気分で過ごす緊張感を保てますかって話ですよ、ねえ。
おばさんは人生の踊り場のようなもの、一息つける休憩地点。ゆえに、不本意なお世辞や説教を被せて方向転換させようなどとは考えずに、ただただ薄ら笑いなど浮かべて放流しておればよいと思うのであります。
だって、もうすっかりその域に入って久しい同士らは肩が上がらないだの、嚥下力の低下が著しいだのといった中年トレンドワード満載のトピックスを、嬉々として繰り出してくるのだから。
私や、様式美おばさんらは、確実におばさんでいることをよろこんでいる。だから今は、おばさんでいさせて。
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