本当に怖い、妙な考え癖と思い込み。
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生き方と考え方
まだ後半を書いていませんが。
巣鴨には辛い思い出がある、と書きました。
今回改めてそのことを思い出してみると、とにかくつっこみどころ満載だったので恥を忍んで記録しておきたいと思います。
巣鴨にまつわる辛い思い出
私が昔一度だけ巣鴨を訪れた理由、それは出張時に宿泊するため、でした。
えええ、なんでわざわざ巣鴨に泊まる必要が??と思われるかもしれません。具体的には忘れてしまいましたが、ちょうどその時期の東京では大きなイベントだか展示会が行なわれていてホテルが全然取れなかったのです。
もうほんっとぜんっぜん!
もちろん、1泊5万円以上するようなラグジュアリーホテルならば空きはあったのですが、ただの出張で泊まるには相応しくない。必死で探しまくってなんとか見つけたのが巣鴨のホテルだったのです。
都内のビジネスホテルはどこも満室、という時期に空室ありの巣鴨のホテル。
なんかもうフラグ立ちまくり、という感じですが。
深夜に到着した巣鴨は暗く、ホテルは駅から遠く、そして場所はわかり辛く(当時iPhoneなんかありませんからね)。地図を片手にどうにかこうにかたどり着いたのは超・怪しげなホテル。フロントは下町の銭湯の番台よりも狭く、部屋は窓がなくかび臭く、クローゼットすらない。旅の疲れを倍増させるに十分なパンチ力がありました。
「ここ、絶対普通のビジネスホテルじゃないよね…」
深夜着の早朝出発ゆえに滞在時間はほんのわずか。とはいえ、なんで頑張って働いてるのにこんな薄気味悪い宿に泊まらなきゃならないんだろう。なんか、惨めだ。
と、夜中にめそめそしていた、という悲しい思い出です。
あほか、と。
めんどくさい思考
もう書いてるだけでこっ恥ずかしく、当時の自分をグーで殴りたい衝動にかられます。
なんでこんなことでいちいちめそめそ落ち込むのか、と。
まあもちろんホテルのことだけが原因じゃなくて、他にもいろいろうまくいかないことが多かったりとか、その日の仕事に納得がいかなかったからとか理由はあるのですが、ホントにめんどくさい。
しかも、当時の同僚が平気で高いホテルに泊まってサクッと経費で落としているのを見て
「私のほうが会社のこと考えてこんなに頑張ってるのにアイツら無駄金ばっかり使いやがって」
とか思ってましたからね。関係ないっちゅうの。
今考えれば私は何をしたかったかというと
「こんなに頑張っているのに報われない私。そしてそれでも健気に頑張る私って偉い」
と「頑張る私」に酔っていたかっただけなのです。
コスト意識を持つのは大切なことですが、安いホテルに泊まることと仕事のパフォーマンスには一切関連性はありません。そして頑張りは報われたほうがいいに決まっているし、報われるような努力の仕方を考える必要もあるわけです。
それなのに
「逆境にもめげずに頑張る私、カッコいい!」
と強く実感したいがためにわざわざ辺鄙なホテルを選んでおいて嘆いたり、同僚の行動を非難したりしてみせる。後は休みなく働いたりバリバリ残業をやってたのも今考えれば同じ理由によるものです。
いやあ、若さゆえとはいえ、大分めんどくさいですね。「若さ」とか言っても28,9歳とか既にまあまあいい歳でしたけどね。
本当に怖い、妙な「考え癖」と「思い込み」
さて、タイムマシンがないので残念ながらグーで顔面殴りに行くことはできませんが、今ならそんなことはしないよなあと思います。ホテルの部屋が酷かったらとりあえずは笑うし、どうしても無理だったら宿を変えることもできる。別にめそめそする要素などどこにもありません。
そして
「状況が悪くても健気に頑張る私」
を実感したいがためにわざわざ逆境を準備したりもしません。今ならもっとストレートに欲しいものを欲しいと言えます。
辛い思いや苦労をたくさんしなければ、欲しいものは手に入らない。そんなルールはありませんからね、単なる勝手な思い込みにしか過ぎないわけで。
と、今でこそ散々自分の稚拙さを笑い飛ばしていますが、自分に妙な「考え癖」があることに気がついたのはここ数年のこと。変な考え方をする癖がすっかりついてしまっていたので、それが自分自身が勝手に創作した単なる「思い込み」であることに気づくのは容易なことではありませんでした。
もちろん現在ではすっかり考え方が変わったよ、とまではいきません。長年蓄積してきた考え癖は結構厄介なものですからね。
それでも
「おっと、また妙なことを考えてやがる」
とハッとして方向転換できるようになったのはかなりの成長ではないかと思っています。
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