おひとりさま、寂しい老後の真実は。

公開日: : 生き方と考え方

kobefood1608_4

おひとりさまの老後、といっても自分のことではなく、母について。

老後も何ももう80手間の後期高齢者で、しかも配偶者が健在であるからおひとりさまではないけれど、とにかく父より長生きするようにと何年も前から言い含めています。

別に父に早く逝って欲しいわけではなく、家事能力の低い昭和の男の一人暮らしは何かと不便だから、現実問題として母が残されたほうがいいよね、という満場一致の見解です。

つまり、うまくいけば母もいつかはおひとりさま時代を過ごすことになる。

おひとりさま、寂しい老後の真実は

1905kakegawa_36

「うまくいけば」なんて、実父に対する態度としてどうなんだと投石されても仕方ない表現ではありますが、本人も承知の上。

「自分の方が長生きできる気はまったくしない」

と常日頃から申しておりますので問題ありません。両親は同じ歳なので、一般的に女性の方が長生きであるということに加え、

「あんな神経の図太い人間がそう簡単に死ぬはずがない」

という長年連れ添った夫婦ならではの見解がある模様です。

子供に迷惑をかけない老後、とは多分違う話。

一方の母は、最後にやってくるであろう一人暮らしライフを心から楽しみにしているフシがある。

片付けや掃除といった家事は嫌いじゃないけど、食事の支度は未だ大食漢で食べることが大好きな父がいるから仕方なくやっているだけ。一人になったら一切の調理を卒業し、必要最小限の家事のみこなし、その他は1日中自由気ままにだらだら過ごしたい。それが彼女の最後の夢なのだとうっとり語ってくれたことさえあります。

もちろん、現実にはわかりません。父がいなくなったら

「やっぱり一人は寂しいの、めそめそめーそ」

などと手のひら返しをしないとも限りません。私も少し前まではきっとめそめそやるだろうと睨んでいました。けれど今となっては、この人本気でおひとりさまを夢見ているのでは?と思うようになったのです。

ひとりでたのしい自由な暮らし

hatobus_tour_2

世間では70代、80代になってもなおパワフルに趣味や社交、レジャーに励むご老人がいます。さらには、現役でバリバリ仕事している人だっている。

一方、成人してからのほとんどの期間を専業主婦として生きてきて、近隣住民とも積極的に付き合おうとせず、親しい友達もおらず、親戚関係は良好ではあるけれど、すでに兄弟は他界している母がおひとりさまになったら、これはいよいよ本格的な「おひとりさま」になる。

割と世間で恐れらている、人知れずひっそり、という危険性を孕んだヤツ。

幸い、今の両親の住まいは職員さんの見回りつき高齢者住宅ゆえ、娘としては安心です。それでも、ねえ本当に大丈夫?本当の本当に孤独に向き合える?と思わなくはありません。何しろ、これまで一人で暮らした経験がないのだから。

「誰とも話さないと、ちょっとさみしいな、って思わない?」

今回の帰省にて改めて問うてみたところ、きっぱりはっきり清々しく

「ぜんぜん!」

と即答されました。

70代ミニマリスト主婦のセレブ生活。

単なる人嫌い、と表現してしまうのはいささか乱暴だけれど、とにもかくにもリーブミーアローン。誰かと行動を共にしたり、世話を焼いたり焼かれたりするのが心底苦手だから「一人静かに過ごしたい」は本音なのでしょう。さぞ寂しかろうと周りの人が気を使って声をかけてくれたり、会合に誘われたりするほうが、余計ストレスになるかもしれません。

そこまで筋金入りじゃないにしても、私もどちらかといえば一人好きなので、その気持ちはわからなくもない。

シンプルは孤独、そして何よりも面倒なこと。

母の夢見る最後の暮らしは

「孤独でさみしい老後」

と呼ばれるそれかもしれないけれど、本人にとっては初めて手にする自由な暮らし。人生最後のおたのしみに位置付けているようだし、実際その時がきて夢の暮らしをエンジョイできるのであればいいですね、と思うのです。

いや、もちろん父にも頑張っていただきたいのですよ。ただ、特に仲睦まじくもない腐れ縁すら腐りきってしまったような夫婦でも、父が残されるのはなんだか不憫でね。余計なお世話ですけどね。

 




関連記事

色あせた日常の底上げ、ポイントはふたつ。

大型連休も終了し、通常モードに戻りました。あーあ。 昨年のゴールデンウィークは特に何も

記事を読む

2015年後半戦突入!下半期の運勢を占う。

昨年末になんとなく書いた占いの話。 参考 2015年の運勢を占う。 年末年始の縁

記事を読む

盛らない生き方。

By: David[/caption] 先日いただいたご質問にお答えする記事を書きました。

記事を読む

自分を疑え。

By: Kanko*[/caption] 今年やりたいことを紙に書き出しました。 え、

記事を読む

簡単だけど、誰もやらない方法で差別化する。

By: Terry Johnston[/caption] 先日からオンライン英会話スクールに入会

記事を読む

薄くて軽い、お付き合い。

どうやらこの街にも、長く居過ぎたようだ。そう感じたのは、その日特に行きたい店を思いつかなか

記事を読む

限りある貴重な時間を溶かしている。

短期間で2周した話。 王さまが気はやさしくて力持ちすぎて、それを観られただけでもよかっ

記事を読む

ヒントが思わぬ場所から投げ込まれてくる話。

直接的じゃなく誰かとか何かを伝って欲しい答えがやってくる、みたいなのありますよね。 ふと開

記事を読む

起業後押し、650万の生活費2年支給へ…政府

私の周りで結構話題になっています、これ。 起業後押し、650万の生活費2年支給へ…政府

記事を読む

犬のこと。

犬派か、猫派か? などという話題がたまに出ますが、私は犬も猫も好きです。でも、どちらか選ぶ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

やりたいことリスト’24「ちゃかし倒してゲームする」

毎年恒例の儀式・その2「やりたいことリスト」のお時間がやって

2023年、買ってよかったものベスト3。

1年間の買い物を振り返る恒例行事、今年もいってみましょう。

あの世にものは、持っていけないから。

銀座で酒を飲みながら、友人の現役引退後、つまり、定年退職後の

1人で飲むなら、定食で。韓国・ソウル一人旅で食べたもの その1。

昨年11月に出かけた韓国・ソウル。思いのほか高くついた韓国旅

おねだりした矢先の、老親の入院。

自分自身の老後計画のために、老親におねだりをかました私。正月

→もっと見る

PAGE TOP ↑