私たちにできないことなんて、何もない。
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最終更新日:2020/12/29
生き方と考え方
先日静電気防止スプレーを自作しました。
静電気防止スプレーについては、ちょっと調べれば同じような情報が山ほど出てきたということは、今やお手製が一般常識、なのか?しかし私はつい先日まで全然知らなかったのです。何しろ、調べたことすらなかったので。
調べないとわからない。逆に言えば、調べさえすれば、大体のことはわかる。
そうか。今の時代、もう身の回りのことに関しては「わからないこと」なんてないんだな。わからないこと、知りたいことはぽちぽちと検索しさえすれば、ほぼ答えが手に入るようになってるんだな。
ということは、私たちに「できないこと」なんて、もう何もないのかもしれない。
私たちにできないことなんて、何もない。
日常の些細なことに疑問を持っても調べる手段がなく、知らない=できない、だったその昔。だからこそ「花嫁修行」などというものが存在したのでしょうか。結婚してからじゃ遅い、母から娘へ家事のいろはを伝授しておかねば、と。
でも今は家事に限らず知らないこと、やったことのないことでも調べれば済むのだから、わざわざ修行せずともどうにかなる。もちろん、慣れは必要なので多少練習する必要があるけれど、どうすれば効率よく技を習得できるか?というノウハウだって容易に手に入る。
これはおばあちゃんがいなければ知りようがなかった「おばあちゃんの知恵」ですら、誰もが入手できる奇跡のおばあちゃんシェアリング時代と言えましょう。
育った環境に左右されることなく、欲しい情報は誰もがすぐに手に入れられる平等さ。誰もが、なんでもできる時代。ありがたいですね。
年の功よ、さようなら。
その反面「経験値」がものをいう時代は終わったのかもしれません。
もちろん物事の種類によるけれど、その道10数年のベテランの技を数時間で学べる方法なんていくらでもあるし、知らなくても調べればわかるのだから、勝ち抜きクイズ番組にチャレンジする以外に、一般人がちょっとしたことを「知っている」強みはさほどないでしょう。経験ならまだしも、知識量に関しては完全に「年の功」は通用しない。
自分の親世代は超スピード時代へのキャッチアップを完全に諦めている向きも多く、アナログ生活のまま今生を終えようとしています。それもまたよし。別に大きな問題はない気もするのです。
携帯電話やパソコンの画面を覗き込むのはマナー違反?
逆に、生まれた時から膨大な情報に触れ親しみ、調べることと得た知識の扱い方を知っている若い世代は強い。強いというか、それを当たり前のこととして育っているのだから、すごい。あんたたちすごいよ、と思わせられる場面がしばしばあります。
それでは人生の後半戦でこんな時代に突入した我々世代は、どう泳いでいけばいいのかな、なんてことを考える。えらいこっちゃ。
半世紀くらい人間やってないと得られないもの、何かあるかいな。強いて言うならば、自分をコントロールできる力が身につくこと、か?
辛いこと、悲しいこと、やるせないことがあったときの気持ちの切り替え方とか、異なる思想をもつ他人との意見のすり合わせ方、もしくはすり合わせない方法あたりは、経験からしか学べない。もちろん、前知識があるほうがうまくやり過ごせるに違いないのだけれど、頭でわかっていることでも、実際に経験してみなければわからなかったりするのが世の常だし。
嫌な気分から素早く立ち去る方法。
あれ。なんかもっと違うことを書くつもりだったような気がする。ここまできて完全に終着点を見失って迷子状態になっていますけども、ともかく。
年の功は通用せずとも「なんでもできる」の恩恵は、その気になればこれからいくらでも受けられる。さらにはこれまで粛々と身につけてきたしなやかさとかしぶとさが、今後いろいろと役に立つのかもしれません。
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