ものがない、服もない。ないないづくしの快適さ。
この4週間書き続けてきた滞在日記。最初から計画していたわけではないのだけど、途中からは意図的にタイトルをつけておりました。その結果、今回の日記群は
「ないないシリーズ」
として完結。
最終回宛ていにいただいたコメントを拝読し、おお、気づいてくれたのね、とちょっと嬉しかったりして。
ものがない、服もない。ないないづくしの快適さ
タイトルに「ない」をつけ続けたのはほんの思いつきのお遊びだったけれど、実際の生活の方も文字通りないないづくし。今回の旅の荷物は参考書類のおかげで思いのほか重くなってしまったものの、必要最低限の生活用品だけ詰めたスーツケースをお供に、テレビもない、冷蔵庫もない、がらんとした部屋で過ごすのは実に久しぶりの経験でした。
荷物の量だけで言えば、鞄ひとつだけを持って出かけた昨年の台湾一周旅行のほうが断然「ない」状態だったけれど、あれは毎日移動を続けるスタイルの旅。
関連 台湾一周 一人鉄道の旅
今回のようにまとまった期間同じ部屋で過ごすのとはちょっと種類が違うというか、同列には語れない。
服は少数精鋭で同じアイテムを日々ローテーションするスタイルだったし、今回の目的には洗面道具や化粧品、勉強道具以外にさほど必要なものもない。
よって、部屋は散らかりようもなく、退寮のための部屋の片付けもパッキングもあっけなく終了。あれこれ考えずにただただやるべきことだけしていればよかったこの1ヶ月。そりゃまあ慣れない留学生活は大変なこともあったけれど、正直なところ、すこぶる快適でした。
何もなくても人生は十分複雑だから
スピーキングの授業やグループレッスンのお題で度々モノの量に関する話題が取り上げられました。例えば、モノはたくさん欲しいか、買い物は好きかとか、旅の荷物は多い方がいいか、それとも少ない方ががいいか、など。
当然ながら私は「少ない方が快適派」の立ち位置。それは普段からここで散々語り尽くしているネタであるのでさほど苦労することなくポイントを伝えられたのだけど、中でも一番ウケたのがこの内容。
確かに、人生においては考えること、しなくちゃいけないこと、そしてしたいことが山ほどあるのだから、いらないモノの整理にばかり時間を取られている余裕なんてもはやないよね。と、このフレーズをやたら気に入って笑う講師もいました。
ウケてよかった。ブログもたまには役に立つじゃないか。
複雑な人生を軽やかに生き抜く知恵
ところで今回の滞在が思った以上に快適だったのは、幸い部屋が気に入っていたから。
壁の塗装があちこち剥がれている部屋はお世辞にもきれいとはいえないし、おしゃれでもない。シャワーの水圧も温度もギリギリ許容範囲内といったところだし、リネン類のセンスもどうかと思う。けれど、ガランとしたシンプルな部屋は妙に落ち着くし、天井の高さもありがたい。何より、大きな窓から見える山並みと大きな青空のコントラストはそれだけで十分清々しく、ベッドに寝転んだ状態でそれを眺めるのは何もない部屋でのちょっとした楽しみになっていました。
何も持っていなくても、楽しいこと、お気に入りの瞬間は見つけられる。すべてが完璧に理想通りじゃなくても、これはいいね、いいよいいよ、悪くない、と賞賛できるポイントを見出し、愛でる能力は、複雑な人生を軽やかに生き抜くための知恵となり得る、かもしれない。
なんていいながら、自宅に戻って我が日常と身の回りのものたちと再会したらばホッとするはず。それはそれでまた、愛しい瞬間なのだけどね。
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