方向性の違いによる別れ、最後まで思い続ける尊さについて。

公開日: : 最終更新日:2019/01/24 生き方と考え方

Cerveceria Restaurante Doña Juana SLL

平日の昼下がり。待ち合わせた銀座のカフェに現れるなり

「安室ちゃん行ってきたー、最後に観られてよかったー!」

と、興奮気味に話す友人。

そりゃよかったじゃないか。ところで我々はそこそこ長いお付き合いになるけれど、あなたが安室ちゃんファンだったなんて事実をこれまで一度も聞いたことありませんよ?

方向性の違いによる別れ

rio 65 trio

確かに、現在40歳前後の女性ならば一度くらいはハマった時期があってもおかしくはない。

安室ちゃんと同じ年であるこの友人の場合、大ブームの頃がまさに青春時代で、その後仕事で上京した当時に一番ハマっていたらしい。ここのところはなんとなく離れていたけれど、引退の報を聞きいてもたってもいられずの滑り込み参戦、という流れのようです。

ああ、そのパターン、多いだろうなあ。

一人の歌手やバンドやミュージシャンを、デビュー当時から最後までずっと同じテンションを保って観続けられることってそうそうないのではないかと思う。同じ「ファン」という立ち位置でも、俳優とかスポーツ選手あたりを応援する心理ははまた違うのかもしれないけれど、音楽ってのはねえ。方向性の違いでメンバー脱退もしくは解散するバンドが多いように、演者本人のみならず、聴き手にも必ず方向性の違いは、やってくる。

方向転換のタイミングが来る前に活動を止めてしまったとか、早くに本人がいなくなってしまったという27クラブ的ケースであれば、デビューからラストまでずっと好きでした。はあるかもだけれど、活動期間が長くなればなるほど、最初から最後まで一途に思い続けるのは難しい。

自分自身を振り返ってみても、ファーストアルバムからラストアルバムまで満遍なく聞きまくったアーティストなんていないもの。

最後まで思い続ける尊さ

140802lg

リリースされた全曲把握してるのは、もしかしたら基本のキのビートルズくらいかもしれないし、それだってもちろん生きた年代が違うので後追いだし、13枚しかないアルバムも、ものによってはさほど聴き込んですらいないかもしれない。そもそも活動期間がたったの8年だから短かすぎる。(でも、今これを書いていて久しぶりに最初から通しで聴いてみようかという気になり、うっかりI Saw Her Standing Thereのあるある沼)

音楽に限らず、俳優でも棋士でも選手でもチームでも、全作品読んだ作家とか、全作品観た監督とか、全試合、全なんとかをコンプリートした経験、ほぼないわ。

これは私が作者や演者でなく作品そのものに傾倒するタイプだからなんだろうけど、それと同時に探究心の浅さも露呈している。

収集癖への淡い憧れ、コレクターにはなれなくて。

だからこそ、全盛期から比べれば総数は減少したものの、おばさま方の黄色い声援を未だ浴び続けている人の姿を見ると、本人もファンもすごいな、と思うのです。だいたいはもう秀樹クラス、往年のアイドルですかね。あとは熱狂的信者を有する長渕あたりか。声は黄色かないけど。

長年のファンらは惰性で応援しているのではなく、昔も今もそう変わらないレベルで対象者を好きで、今後の音楽性はもちろん、姿形がどう変化しようがその想いは揺るがなくて、もはや彼が存在してくれているだけで幸せ。そんな域に達しているのでしょう。慈悲深すぎる一途さが、もはや尊い。

47歳からのニューヨーク留学 夢と現実と厳しさと。

さて、別の友人が最近、子猫を飼い始めました。

猫を撫でながら一杯やるか。と、酒瓶ぶら下げて様子を見に行くと、部屋は既に大改造。猫タワーマンションみたいなのがリビングの中央に建設されてるし、ふかふかの猫ベッドに猫おもちゃ、お留守番見守りカメラに至るまで、大人の財力を駆使した猫フル装備がなされておりました。

迎え入れ数日間で見事な溺愛、親バカっぷり。わかるよわかる、その気持ち。そうなるよね。

どうせ捨てるなら、何も持たないほうがいい。

今後15年か、願わくばそれ以上、猫のためにも頑張って働くよと息巻く友人。猫は歌ったり踊ったりしてはくれないし、あと数ヶ月も経てばふてぶてしい姿に変化を遂げてしまうけれど、方向性の違いを理由に別れることはできない。

けれど、一番近いファンとして最初から最後まで見続けられるうれしさたるやあなた、ねえ。

 




関連記事

愚痴を聞くために呼び出される。

愚痴を聞いて下さい。 あまりにもあからさまなその要望に、少々面食らいました。 人

記事を読む

お年玉をあげたって、面倒見てもらえるわけじゃなし。

お年玉の平均額っていくらくらいなんだろう。 と、検索してみれば、お年玉平均額情報を記載した

記事を読む

瞑想のすすめ。散らかった頭の中を整理する方法。

瞑想って随分メジャーになりましたよね。 以前は怪しい団体か宗教かと思われていた部分があ

記事を読む

大人がざわつく理由。

西側の友人から返ってきたメッセージに添えられた、割れた瓶やグラスが床に散乱する写真を見て、背

記事を読む

働きたくない想いは、苦手意識を凌駕する。

今日は午後から2件約束がありましてですね。1件は「はじめまして」の約束。もう1件は既存クラ

記事を読む

浅い関係、おかしな嫉妬。

移動してから数日間はすっきりしない天気だったけれど、今日になってようやくカラッとスカッと青空

記事を読む

自分で仕事を作る方法、副業、複業、週末起業。

By: markus spiske[/caption] それなりの規模のきちんとした企業にお

記事を読む

15年来の友人にLINEをブロックされた。

かれこれ15年ほどの付き合いになる友人から、絶縁宣言らしきメッセージを拝受しました。

記事を読む

おばさんのミニスカートは迷惑論。

By: anneheathen[/caption] おばさんがミニスカートを履く行為は周りへ

記事を読む

あげたいもの、買いたいものと欲しいもの、喜ばれるものの間で。

年末はスペインで過ごした後、そのまま両親の家に向かいました。 「今スペインに来てるんだけど、

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

生涯独身なんて、選ぶんじゃなかった。

恐ろしく肩が痛いので病院に行ったら、肩関節周辺炎、いわゆる「

韓国・釜山一人旅で行ったところ その2。山歩き・街歩き。

釜山一人旅散策記録の続きです。韓国・釜山一人旅で行ったところ

肩関節周囲炎(重度)発症のお知らせ。

2024年も残すところあと2ヶ月となりました。

韓国・釜山一人旅で行ったところ その1。海歩き、街歩き。

韓国・釜山一人旅記録の続きです。韓国・釜山一人旅、海のそばで

韓国・釜山一人旅、海のそばで暮らしたい。

韓国・釜山に行ってまいりました。 韓国への旅は、去年訪

→もっと見る

PAGE TOP ↑