地球のごはん 世界30か国80人の“いただきます!”

公開日: : 読書, 食べること

whatieat

先日「収納のない部屋だからできる地球家族ごっこ」という記事の中でこの本について書きました。

地球家族―世界30か国のふつうの暮らし
マテリアルワールドプロジェクト ピーター・メンツェル
TOTO出版
売り上げランキング: 29,461

「申し訳ありませんが、家の中のものを全部、家の前に出して写真を撮らせて下さい」戦禍のサラエボからモノがあふれる日本まで、世界の平均的家族の持ち物と暮らしを写真で紹介します。

この写真集と同じシリーズで「地球のごはん 世界30か国80人の“いただきます!”」というフォトエッセイも出ています。




地球のごはん  世界30か国80人の“いただきます!”
ピーター・メンツェル フェイス・ダルージオ
TOTO出版
売り上げランキング: 79,381

「地球家族」は1994年、「地球ごはん」は2012年に出版されているので、写真を見ているとかなり時代の流れを感じます。

今回のテーマは“ 個人” の「食」。世界各国で暮らす、ご くふつうの人たちの食事風景を採り上げています。  本書のユニークな点は、一人ひとりの1日分の食事を総摂取 カロリー順にならべ、それぞれの職業やライフスタイル、食材 リストとともに紹介していること。人間ひとり分の1日の食事といっても、最少カロリーの800kcal(ケニア、マサイ族首長の第3夫人)から最大の12,300kcal(イギリス、3 児の母)までと幅広く、その内容は驚くほど多彩です。

 

執念の取材、怒涛のデータ量

この本の凄いところはデータの緻密さと食事を正確に再現して写真に収めようとする情熱。世界各国の人々の食事を1冊に収めるだけでも十分面白いんじゃないの、と思ってしまうのですが、異様なまでに正確なカロリー計算にこだわり、個人が1日(1食ではない)に食べた食材と本人を一緒に写真に執念を燃やしています。それだけに写真に添えられた注釈が細かいのなんの。例えば、イラク戦争で若くしてで半身不随になってしまったアメリカの退役軍人の食材写真に添えられた文字「レタスとトマトのサラダ(トマトは写っていない)」。前編に渡ってこの調子。とにかく細かい。結構読むの大変。でも、引き込まれます。

 

楽しげなタイトルとは裏腹に、ヘビーな内容も。

ドイツの地ビールブラウマイスターの食卓に美しく並ぶドイツパンやサラミがいかにも旨そうだったり、スペインの闘牛士がやたらイケメンだったり、オンラインRPGにどハマりして(なんと、最高連続プレイ時間は三日三晩!)インターネットカフェでデリバリーを頼みそのまま画面の前で寝る、という驚愕の生活を送っている中国人青年、なんて楽しげなページも盛りだくさんではあるけれど、一番印象深かったのはバングラデシュの少年、12歳。
彼は列車の屋根に乗って首都ダッカまで仕事を探しにきて、そのまま駅に住み着いている家出少年で仕事は乗客の荷物運び。同様の生活をしている年嵩の子どもから苛められたり、売上を巻き上げられたりしながらも、なんとか1日3度の食事と紅茶、煙草(!)にありつけています。厳しい暮らしぶりなのに、生家での暮らしよりは駅のベンチで寝起きする今のほうがきちんと食べられるのだと言う少年。まだ体は小さいのに、何かを悟ったような目つきが既に子どものそれではありません。彼のエピソードの最後にとても辛い内容が綴られているのですが、それはぜひ読んでみて下さい。

 

みんな違うから、面白い。

しかし…というか、やはりというか、どこの国の若者もファストフードを好んで食べる傾向が強いようです。
例えば上海の学生寮で暮らす女子学生。彼女は基本的には実家で食べていたような中華料理が中心の食生活だけど、友達と「贅沢したいから」とクーポン券を使って週に幾度もKFCに通っています。KFCより彼女の実家での好物だという北京ダックのほうが美味しそうだけどなあ…ていうか、北京ダックって家庭で出すのか。ええと、まあ仕方ないといえば仕方ないですが、どこの国でもハンバーガーやフライドチキンなんて同じようなものしか食べなくなる未来はやっぱり来て欲しくないなあ、と、この本を見ていると強く思うのです。
あと、いろんな国に存在する菓子「ハルヴァ」についても書きたいのだけど、長くなるのでまた別の機会に。

大判の本でかなり重たいのでベッド寝転んで読むには不向きですが、ぜひ「地球家族」とあわせて読んで欲しいおススメの1冊です。






関連記事

塩手羽大根献立

塩手羽大根、ピーマンの卵炒め献立。

寒くなったりマシになったりの気候に惑わされているうちに、もうそろそろ10月も終わり。

記事を読む

171006ienomi_9

肉豆腐、なすと三つ葉のサラダで家飲み。

帰宅途中のスーパーで、とりあえず豚薄切り肉を買ったものの、迷う。 普段は買い物した時点

記事を読む

160616ienomi_7

塩漬け手羽焼き、水出し煮干し出汁のわかめ煮で晩酌。

とても好きな和食の店があるのですが、住まいから遠いので近頃はなかなか行けていません。

記事を読む

okinaan_2

上野 翁庵で年越し蕎麦。

蕎麦が好きなので年がら年中食べたいのですが、だからということでもなく年越し蕎麦が食べたい派で

記事を読む

にんじんしりしり献立

にんじんしりしり、豆苗の煮浸し献立。

麗しき粕汁週間。 粕汁さえあれば満足に飲めることが確実なので、毎度副菜が頼りなげになり

記事を読む

白菜と油揚げの卵とじ、ベビーリーフのサラダ献立。

白菜と油揚げの卵とじ、ベビーリーフのサラダ献立。

普段は手に取らない食材も積極的に試しましょう。などと言っておきながらこの体たらく。 メ

記事を読む

海老とキャベツのにんにく蒸し

海老とキャベツのにんにく蒸し、ピーマンと葱の梅和えで晩酌。

昨日は休肝日、だったのでこれは週末の食卓です。 肉抜き週最終日、さて何をメインにしよう

記事を読む

140926d2

家飲み献立 9/26 アッシパルマンティエに仏赤ワイン。

TGIF! 金曜日の夜はこれを作るぞ!と今週頭から決めていました。 なぜなら、ワイン

記事を読む

141122d4

家飲み献立 11/22 たら豆腐とぬる燗で晩酌。

「たら」って、ひらがなで書くとなんかわけわかんないですね。 鱈、です。魚の鱈。 にお

記事を読む

新玉ねぎのグリル

新玉ねぎのグリル、砂肝ポン酢献立。

新玉ねぎとくれば、その柔らかさを活かす生食が基本ですね。 オニオンスライス、大好きです

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

tainan_32
おばさんが嫌われる理由。

踊り疲れたディスコの帰りを存分に満喫する夏です。 自分の

つるむらさきとひき肉のナンプラー炒め献立
つるむらさきとひき肉のナンプラー炒め、紫大根のナムル献立。

辛味の効いた青菜炒めって、南国の味だよなあ。 暑い国のレ

taiwan-takami16
夏のサンダル、初ギョサンの条件。

夏ですね。ギョサンの季節がやって参りました(1年ぶり5回目)。

suginami_56
薄くて軽い、お付き合い。

どうやらこの街にも、長く居過ぎたようだ。そう感じたのは、その

卵とわかめのスープ ぬか漬け 小松菜のおひたし 焼き油揚げの酢醤油かけ
焼き油揚げの酢醤油かけ、小松菜のおひたし献立。

すご過ぎないものの力とは。 たまにものすごくおいしいもの

→もっと見る

PAGE TOP ↑