不機嫌は罪である。
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最終更新日:2022/03/17
読書

上司やリーダー、先輩や家長など、その場を取り仕切る存在が、ある意味道具としての「不機嫌」を使うことで、チームをまとめる。遥か昔、昭和の時代にあった風潮です。
しかし、時代は変わった。
昔気質の職人よろしく仏頂面で無言を貫き、わざと音を立ててドアを開閉するような行動を取ろうものなら「不機嫌であることを隠そうともしない稚拙な人」という印象を与えてしまうのだ。
そんな記述が「不機嫌は罪である」の中にあり、なるほどねと思いました。
本書が刊行されたのはもう4年も前のこと。それ以降も不機嫌への悪評は、年々高まっています。
不機嫌は罪である。
不機嫌はどちらかというと中年以降の男性に多く見られる傾向である。本書にはそう記されていました。
性別だけで判断するのは乱暴なやり口とはいえ、確かに男性のほうが朗らかさの表現は不得手なのかもしれません。
自身が幼少の頃は当たり前に存在していた「大人の不機嫌」が許されなくなっただけでなく、自己の評価を著しく下げる行為となったことに、戸惑う大人も多いのではないでしょうか。
お金の「見えない不安」を取り除くには。
気の毒な気もするけれど、常識が変わってよかったじゃないか、とも思う。不機嫌でいるのって、本人にとっても決して楽しいことではないものね。
不機嫌は悪であるという風潮がもたらすメリットは山ほどあるけれど、デメリットもないわけじゃない。いや、不機嫌自体がどうこうではなく、不機嫌がなぜこうも悪者扱いされるようになったか、という背景は割と複雑なのです。
情報の多さゆえに生きづらさを感じたり、ちょっとしたことで傷ついてしまう若者の存在。簡単に不機嫌を撒き散らしてしまえるSNSの台頭、そして、ある種の同調圧力などなど。
新入社員にちょっとでも不機嫌な顔を見せると「もう辞めます」と言われ兼ねないから、マネジメント側はスキルとしての上機嫌を身につけなければならなくなった、とか。
仕事ができない人とは一緒に働きたくない。
いやはや、大変ですけども、まあいいじゃないですか。我々世代だってその昔、先輩にたくさん迷惑をかけて、たくさんお世話になったからこそ、こうして立派な中年になったのだから、次世代のために不機嫌を食い止める工夫くらいはしましょうよ。自分にとっても、損はない話だもの。
上機嫌の反対は、不機嫌だけじゃない。
不機嫌を表に出さない方法や、怒りをコントロールするコツなどを説く書籍が増えたのは、世の中の常識が変わったから。なるほどねえと思いつつも、疑問は残るのです。
何を隠そう、わたくし長年「上機嫌で暮らす」を人生のテーマに掲げております。年の項も相まって、カッとなって相手を攻撃したり、感情的になって不機嫌を撒き散らしたりすることはほとんどなくなりました。どうすれば外的要因に左右されず、穏やかでいられるのか、その方法もわかっています。
嫌な気分から素早く立ち去る方法。
だからこそ、上機嫌の反対は、不機嫌だけではないと感じるのです。怒りやイライラ、攻撃的な行動だけが不機嫌なのではない。怒りや負の感情の他にも、不機嫌を司る要因があるのではないか、と。
例えば不安とか思い込みとか。そして、これらはなかなか厄介なヤツだと思うのです。
何一つ変化していないのに揺れる不思議。
一般常識の変化を待つことなく「不機嫌同様、必要以上の不安を撒き散らすのは、もはや悪である」というマイ常識を、個々が勝手に設定できたらば。ご陽気な人類が増加し、あんな諍いやこんな争いも消滅するのではないかと思うのですが、果たして。
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