大人のジュエリーは年齢を強調するアイテム論。

おしゃれな人の旅支度、という見出しが目に止まってHarper’s BAZAARを手に取りました。

 

パラパラとめくって目当てのページにたどり着く前にイネス・ド・ラ・フレサンジュのページで一旦停止。そこに書かれていた

「大人のジュエリーはエレガンスよりも年齢を強調するもの」

という一文になるほどね、と考えさせられたのでした。

大人の女性は本物を身に纏うべし論

若いうちは安い洋服やフェイクのジュエリーで遊ぶのも可愛いいけれど、いい大人になったらきちんとした本物を身につけるべし。

この考え方はかなりスタンダードであるし、そこそこ的を射た言葉でもあります。「若さ」という光り輝くアクセサリーを持っている10代、20代は何もわざわざ高級な洋服やジュエリーに頼る必要はない。逆に年齢を重ねた大人だからこそ似合うのが「きちんとしたいいもの」。若い子に似合うようなチープな素材やフェイクジュエリーは大人の女性にはふさわしくない、ってね。

私もこの「大人は本物論」には部分的には賛成派であるのだけれど、冒頭の言葉にはああ、確かにそういう側面もあるかもねと納得。

常に若々しくありたいと願う女性は多いのに、ある程度の年齢になると自らを必要以上にマダム然と見せてしまうアイテムに手を伸ばしがちなのはなぜでしょう。滑稽なほど若作りに励むのはさすがに痛々しすぎるけれど、40代、50代になったらこうでなきゃダメ、みんな同じようにいいジュエリーを買うべし、なんてのは確かにナンセンス極まりない。さらには

「30代は人生で最もバランスが取れた楽しい時期。だからこそその時代から抜け出せなかったり、固執してしまう。でも、新しいものはよくない、似合わないと決めつけてしまうのはもったいない」

というようなことも語られており、30代の自分をこじらせるのは何も日本人だけじゃないんだね、パリジェンヌもそうかもね、と思ったり。

関連 「あの頃の私症候群」が今の自分をダメにする。

なんて、これはイネスが語った言葉だからこそ説得力があるのは事実だし、別にこれこそが正解!だとも思いませんが。

40代過ぎればジュエリーのひとつも持つべきか

ちなみに私がジュエリー類を持っていないのは別に年齢を強調するアイテムだから避けているわけじゃなくて、あんまり興味がないだけです。

関連 持たない、買わない、小さな暮らし。いったいどれだけ貯めてるの?

手が荒れやすいので指輪はつけ難いし、ネックレスとかブレスレットは好きだけどいわゆる宝石類にはとても疎い。あれ、誕生石ってなんだったっけ?という私が

「40も過ぎたのだからそれ相応の貴金属でも買わねば」

と鼻息荒く高価なジュエリーを手に入れたところでまさに豚に真珠という感じであります。

ジュエリーといえば、実家に帰る度に母が

「おばあちゃんの形見のダイヤモンドは遺産としてあなたに残してあげるからね。売るなりリメイクするなり好きに使いなさい」

と大風呂敷を広げてきます。が、代々の形見を譲り受けるありがたさは感じるものの失礼ながら宝石自体の価値に興味もなければ期待もしていません。ザ・シェフでレストラン経営者の夫を持つ妻が競馬狂いの夫を立ち直らせようと大事な形見のアクセサリーを売って味沢匠への報酬金500万を作る話があったけど、即500万になるアクセサリーってなんだったんでしょうね。金とかかな。

当たり前を疑う手間を惜しまない

味沢のせいで話が盛大に逸れておりますが、とにかく自分の中にある固定概念は何によってできているのかを考える手間は惜しんではいけないなと考えた次第。ジュエリーの件でいえば本当に自分が好きで身につけるのなら問題ないけれど、世間一般では大人の女性はこれくらい持っているのが普通だし、とか、みんな持っているんだから自分だって合わせなきゃ、なんてことになるともう豚に真珠以上に勿体無い。

関連 「自分へのご褒美」。 それ、ホントに嬉しいの?

逆に本当は欲しいけれど手が届かないから欲しくないフリをしてやせ我慢するのもとても悲しいことで。欲しがるのって別に全然悪いことじゃないですからね、それが本当に欲しい、必要なものでさえあれば。

ミニマリストの持たない暮らし

当たり前だと思っていた常識はなぜ自分の中で常識と成り得たか。そのルールは今なお自分にフィットしているのか。

なんて理屈っぽいことをくどくど考えて生きていくのは疲れそうですが、もはや今の自分に合わない常識をいつまでも引きずったままいるのはさらに疲れる。時にはこれまでの「普通」とか「常識」が果たして今の自分を幸せにしているのだろうか、と疑う手間を惜しんではいけないよね、というお話でした。

 




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Comment

  1. ちゅーなー より:

    crispy様

    旅から戻り、現実に戻りました。
    ちゅーなー君、1人で?海外?北欧⁈
    という声がちらほら。男1人の海外旅行って
    そんなに珍しいのかしらん?と。

    女性がジュエリーとすれば、男性はさしずめスーツと携帯品
    でしょうか。良いスーツを着て、良いカバンやペンを持てと。

    北欧で溜息が出たのは、ファッション雑誌の広告に出てくる
    ようなイケメンがゴロゴロしてて、彼らのスーツの着こなしです。男の私もウットリしました。
    常識からすれば良いスーツや携帯品を購入は間違いでは
    ありませんが、正解とも言い切れない。
    今日の記事を読ませていただきながら、1人海外旅行珍獣
    扱いされてる(笑)ことも相まって、常識って?と感じること
    しきりです。

    しかし、まさかの味沢匠。いや、ビール飲む手が止まったんですが、10分くらい。
    外国の贅沢大使をポトフで納得させた味沢?
    重度認知症の師匠の記憶をオムレツで復活させた味沢?
    他に例え話もあるのに、あえて味沢?

    確かに疑う手間を惜しんでませんね。
    惜しんでたら味沢は出ない(笑)

    • crispy-life より:

      ちゅーなーさん

      無事お戻りとのこと、何よりです。イケメンゴロゴロ、いいですね、男女問わず美しい人は目の保養になりますね。

      「大人はよい物を持つべし」の常識は現在の40代くらいまでが引きずっている古い常識で、若い人はまた別の感覚なのだろうなと書き終わってから思いました。世間はこうだと言っている、というのも結局は自分の思い込みに過ぎませんね。

      そしてまるで味沢に造詣が深いような書き方をしていますが実は全然知らなくて、先日たまたまこのエピソードが掲載されていた本を読んだだけなのでした。たまたまザ・シェフを読むってどんなシチュエーションだよって感じですが、完全なる知ったかぶりです。

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