「あの頃の私症候群」が今の自分をダメにする。
先日、着たい、使いたいと思えるファッションアイテムが変わってきたかもしれない、と書きました。
これは単に自分の好みが変化した、楽なアイテムに目が行くようになった、という原因の他、今まで自分らしいと感じていたファッションのテイストが年齢を重ねたことでだんだん似合わなくなってきたこともひとつの要因かもしれません。
さて、おなじみクロワッサンから「自宅の片づけ、実家の片づけ、夫婦関係あなたの「片づけられない」をすべて断捨離! 」というタイトルのムックが販売されています。
片づけの悩みはライフスタイルの変化とともに深く、複雑になっていきます。では、クロワッサン世代が直面する片づけの悩みとは何でしょう?このムックでは、自宅の片づけ、親の家の片づけ、夫婦関係の3つの焦点を当て、それぞれの悩みを断捨離的観点から解決していきます。
やましたひでこさんの自宅断捨離から、後悔しない親の家の片付け術、断捨離したいNO.1は「夫」(!)という衝撃、ゆるりまいさんの家族片付け記録、など、1冊まるまる「片付け」に関する内容でなかなか読み応えがあります。
さて「クロワッサン世代」とはどうやら50歳前後を指しているようなのですが、40代の私でもうなずける一文がありました。
37歳から抜け出せない症候群
スタイリストの地曳いく子さんが大人の女性のシンプルなワードローブの作り方、そして少ないアイテムでの着まわしを指南するファッションページ。この中で地曳さんは女性のファッションについてこう語っています。
“「37歳の頃の私」から抜け出せず、その頃似合っていた、お気に入りだったアイテムを手放せないでいる人が多い。けれど、好きだったから、似合っていたから、高かったから、なんていう理由で今の自分にはそぐわないアイテムを使い続ける行為は、新鮮なお刺身に古くなって風味が落ちてしまった高級醤油をつけて食べるようなもの。”
うまいこといいますね。
確かに、その醤油は高かったかもしれませんが、賞味期限を過ぎてしまったものでは素材を活かすどころか、台無しにしてしまいます。
37歳頃って確かに自分の好みが確立されてくるし、経済的にも若い頃よりも余裕ができることで納得のいくワードローブを実現しやすい時期。その時に手に入れたアイテムはそれなりに高価なものが多いので、この先10年、20年と使える...と思ってしまうんですよね。
もちろん、死ぬまで使えるようなものもあるけれど、ずっしりと重いバッグや20分で力尽きてしまうピンヒールはなかなか一生モノにはなりえません。
現在私の部屋にもまだ「好きだけど、あまり使わなくなってしまったアイテム」が残っています。
あの頃の自分を引きずっていないか。今の、そしてこれからの自分にとって必要か。じっくりと考えつつ、自分にとって心地よいクローゼットを作り上げる必要がありますね。
「新鮮な刺身」ってなんだか若さの表現のようですが、冷凍保存した刺身を解凍しても、哀しいかなあの頃と同じ鮮度は得られない。それならば若さを取り戻そう、時を止めようともがくのではなく今この瞬間を生ききるほうがよっぽど鮮度の高い人生になるのでは。
あの頃の自分を彩ってくれたアイテムに固執することなく、もっと柔軟に今の自分が心から喜ぶモノを選びたいものです。
関連記事
-
-
日本のフリーランサーに「非効率を極める」のススメ、が、辛すぎる。
フリーランサーとしては、耳の痛い話ですね…。 >>参考 日本のフリーラン
-
-
春への衣替え、ペラペラ布団と花粉症。
冬から春への衣替え儀式。去年はいつ頃だったかしらと振り返ってみれば、もうちょい先だったみたい
-
-
買わない生活の清々しさとルールブック。
買い物好き、買い物上手な人は、買い物に時間をかけるのでしょうか。それとも、即決即断即購入、以
-
-
ささやか過ぎる平凡な人生は退屈か。
先月バンコクからフィリピンへのフライトの際にマニラ空港で8時間のトランジットがありました。
-
-
乗り換え使い捨てが当然の切なさと束縛される恐ろしさ。
By: Steve Snodgrass[/caption] 契約更新時期がやってまいりました
-
-
今日捨てたもの 8/26 一度も履かなかったchloeのサンダル。
今月行ってきた 「毎日一捨キャンペーン(?)」 も残り1週間を切りました。
-
-
今年風の着こなし、今っぽいシルエットの是非。
すっかり春らしい気候になりました。 といっても陽が落ちればぐっと気温が下がるのが今の季
-
-
何を持っていたか、もう思い出せない不思議。
By: Matthew Pearce[/caption] 先日発注していた品物が届きました。
-
-
酒に強い、弱いは体質による 都道府県別酒豪型遺伝子出現率。
By: The British Library 先日SNSでこんな記事が流れてきました。
-
-
ファーベストのコーディネイトで考える「よそゆき」のこと。
服を少しづつ減らしている近頃ですが、古くなったから、痛んでしまったからといった事情以外での私