灘の酒蔵巡り その6. 福寿・神戸酒心館で利き酒を愉しむ。灘五郷リターンズ ’16
2015年、2016年と新年行事のように足を運んだ灘五郷の酒蔵巡り。
参考 灘の酒蔵巡り
今回で本当に最後です。
長年近くに住んでいたというのに遠く離れてからようやく訪れるというトンチンカンな行動。灯台下暗しとはよく言ったもので。
福寿・酒心館にて利き酒を愉しむ
甲南漬で奈良漬の旨さを再発見した後は御影郷にある神戸酒心館へ。
参考 蔵見学(神戸酒心館)
手造りにこだわる「福寿」の酒造りの様子のビデオ(英語・中国語・韓国語可)をご覧いただき、実際に酒造りを行っている福寿蔵のご見学、当社自慢の純米酒や貯蔵タンクから汲みだした生酒などの試飲をお楽しみいただけます。参加費はいずれのコースも無料です。
宝暦元年創業の「福寿」が運営するこの神戸酒心館。酒蔵見学の他、飲食店やイベントホール、ギャラリーを有する多目的スペース、といったところでしょうか。
入ってすぐはショップスペース。福寿の酒はもちろん、酒に合う兵庫の珍味や酒器なども販売しています。
そしてなんと、ここでは生酒の量り売りが!
量り売り用の瓶も安価で販売されているのでふと思い立って持ち帰り、なんてことも可能ですね。近所に住んでたらこれ、瓶ぶら下げて買いにくるわ。
さて、単なる資料展示だけではなく実際の酒造りを見学できるのも酒心館の大きな魅力なのですが、酒蔵見学コースは2日前までに予約が必要。ならばこちらでの目的はひとつ。
ショップ内に設けられたカウンターでオーダーできる「利き酒セット」で飲み比べだ!
「福寿」は、七福神の一柱「福禄寿」に由来し、福寿を飲んでいただく方々に、財運がもたらされますようにとの願いを込めて商標にいたしました。
あらあらそれは是非ともあやからなければなりません。
利き酒セット3種で500円なり。なんかなみなみ注いでもらってすみませんねえ。
いただいたのはこの3種類。
- 福寿 大吟醸
- 福寿 御影郷 純米酒
- 蔵直採り生酒
蔵直採り生酒はここでしか飲めない、買えない商品なのでしょうか。瓶が量り売り用に用意されたそれですね。
「大吟醸から順にお飲み下さい」
とのお姉さんの教え通り大吟醸、純米、生酒と飲み進めます。
普段は食事と一緒に味わうことが多い日本酒。こうして違う種類の酒をしっかり味わうのはなかなか面白いものですね。大吟醸の華やかな香りと繊細な味わい、奇をてらわない純米酒の落ち着き、そして生酒の荒々しい旨さ。それぞれ全く別物ではあるけれど、私は生酒が好みでした。
魅力的なおつまみセットもあったのですが、ここは純粋にそれぞれの味わいの違いを楽しんでみましょうということでオーダーせず。いやー、面白かった。そして飲み終えた頃には適度にご機嫌な感じに。
ごちそうさまでした。
利き酒を満喫した後外へ出るともう暗くなり始めていました。
庭の梅、早くも蕾がふくらんでいる。
神戸酒心館
神戸市東灘区御影塚町1-8-17
078-841-1121
灘五郷散策の後は御影駅前で一杯
試飲と利き酒で火照った体で寒さもなんのその、そのまま御影駅まで歩き今年の酒蔵巡りの〆もここへ。
去年御影駅前でたまたま見つけて入ったお店、美よ志。
赤星で喉を潤して手作りのおつまみをあれこれいただきました。カキフライなんて300円なのにちゃんと揚げたてでタルタルソースまで添えてくれるんだから天晴れ。この後熱燗に切り替えて炙りたらこなどをつついたのでした。
店を出て調子に乗って新開地まで飲みに行っちゃって、その後また三ノ宮行って、結局帰ったの3時頃だった。一体何時間遊んでんだ。
灘の酒蔵巡り、おすすめはどれだ?
というわけで長々と灘五郷の酒蔵巡りツアー記事を書き連ねてきましたが、じゃあ結局おすすめはどこなのよ?って話。
貴重な資料、という点では櫻正宗の泣ける映像資料が一押しでしょうか。
でも正直なところ、見学できる灘の酒蔵は資料展示、試飲、ショップでお買い物、と相場が決まっているので資料館としてはどこも似たり寄ったりです。よって、神戸観光の限られた時間内で全ての酒蔵をまわろうと欲張る必要はありません。
酒蔵に行くついでに食事がしたいな、とか、利き酒にチャレンジしたいとか、要望と使える時間によってコースを選択するのが一番いいと思われます。
なんという身も蓋もない言い方だ、お前には郷土愛がないのか、と叱られそうですが、灘の酒蔵巡りは観光客向けにきちんと体裁が整えられており本当の意味での「酒蔵、酒造り見学」とは異なるもの。ていうか、本気で酒造りしている場所に毎日毎日観光客に来られてもそれはそれで邪魔ですわね。
それでも散策コースとしては純粋に楽しいし、気の遠くなるような歴史を持つ灘の酒に関する資料展示はどこも素晴らしい。そして貴重な文化財として代々大切にされていたものを一瞬にして失ってしまったにもかかわらず各社懸命に再建し今尚奮闘している様を多くの方に是非見ていただきたいとも思うのです。
神戸は小さな街だしこれといって見所もありません。
けれどやはりなんだか美しくてどこかホッとできる場所だと感じるのは自分が生まれ育った街だから、だけではないと信じています。
ふふふ、ひいき目かな。また来るね。
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