灘の酒蔵巡り アクセス便利でおすすめ。 その1. 櫻宴 櫻正宗記念館
先日「観光地ではない普通の街並みをただ歩くような旅が好き」と書きました。
が、観光地っぽいところでも興味があればもちろん出向きます。
今回はずっと行きたいと思いつつも未体験だった「灘の酒蔵巡り」に出かけてみました。
灘の酒蔵巡り、おすすめコース
結果から言ってしまうと大いに楽しめて大満足だった酒蔵巡り。
各所の詳細は追ってすることにして、私が灘五郷散歩をおすすめする理由はそのアクセスの良さ。
駅から遠かったり、専用シャトルバスなどの力を借りなければ辿りつけないような場所にある観光地はよっぽどのことが無い限り足を伸ばさない私。理由はそうです、めんどくさいから(でた)。いや、乗り物をを乗り継ぐのは別にいいんですが、バスの時間とか電車の時間とかを調整しなければならないのがイヤなんですよねえ。
その点阪神電車の魚崎駅から徒歩でいくつもの酒蔵を見学できてしまうお手軽さは嬉しいものです。
魚崎駅は三宮から特急で7分、大阪梅田からでも特急で22分程。
参考 灘の酒蔵観光ガイドマップ(Feel Kobe)
看板がぽつんと設置されているだけの駅前は少々寂しいですが、気にせず南に歩きます。
1蔵目、櫻宴 櫻正宗記念館
魚崎駅から最も近くにあるのは創醸1625年の櫻正宗です。
参考 櫻宴 櫻正宗記念館
灘五郷の中心「魚崎郷」に震災の試練を乗り越え、正宗名発祥のアイデンティティを後世に遺すべく、 また魚崎郷地区の地域振興の一助となるようにオープン致しました櫻正宗記念館“櫻宴”。
2010年秋、装いも新たに生まれ変わりました。
そう、こちらは「正宗」の元祖。
今では「正宗」という文字が冠された酒は多くありますが、元々はこの酒造が使ったのが最初なんだそう。
参考 日本酒の銘柄「○○正宗」なぜ全国各地に? (日本経済新聞)
人気が高まるにつれ、正宗の名にあやかる蔵元が全国で続々と現れた。正宗の名は普通名詞となり、1884年に政府が商標条例を制定した際、桜正宗は正宗を登録したが受け付けられなかったほど。特許庁は「慣用商標の中で代表的な事例の一つ」(商標課)と説明。そこで桜正宗は国花の「桜」をつけた。
「正宗」で商標が取れなかったために「櫻正宗」になったのですね。
また、この地域の酒造りに欠かせない「宮水」を発見したのも桜正宗の六代目蔵元だと言われています。
宮水を使った灘の酒は江戸で爆発的に売れたそうですが、その理由は味もさることながらそれまで好まれていた伊丹や池田の酒よりも灘の酒ほうが江戸への運送の面で有利だったことも影響したようで。
と、話が少しそれましたがこの櫻正宗記念館。
オープンしてまだ日が浅いこともありとても綺麗な施設です。
魚崎駅から一番近かったのでスタート地点としてこちらを選んだのですが、これが大正解でした。
貴重な映像資料、最後まで見るべし!
2Fの展示室で上映されているビデオがものすごくいいんです!
他の酒造でも酒づくりの工程を収めたビデオや企業イメージビデオなどが上映されているのですが、こちらの映像は木造蔵での酒造りの様子を収めたとても古いもの。
※追記
後日櫻宴の担当者様にお聞きしたところ、この映像は大正末期から昭和初期に酒つくりの様子を後世に残すべく記録されたものだそうです。こうして映像として残っているのは大変貴重なものなのだとか。
もちろん、完全なる手作業で進められている時代なので、何人もが列になって重たい桶で水を運び、蒸した米を藁で巻いたものを肩に乗せて走り、と、どの工程もかなりの重労働。
もちろん現在の作業工程はずいぶん様変わりしているでしょうが、
「これはもう少し味わって呑まなければ…」
と、真剣に思ってしまいました。
だってね、ホントに大変そうなんですよ、酒蔵の人たちの仕事。重いわ熱いわ冷たいわ。
出来上がった酒は女性従業員の手によって瓶詰めやラベル貼りなどのラッピングが施されて完成。最後にのれんの前で笑顔でポーズを取る彼女たちの姿に何故か感動する私なのでした。
資料映像であんなに感動するとは。
少々長めですが、最後まで観ることをおすすめします。
こちらには多くの日本酒が楽しめるカウンターバー「三杯屋」があるのですが、残念ながら17時からの営業。夕方頃に行かれる方はチャレンジしてみては。
この他、櫻正宗の酒はもちろん酒肴や記念品が並ぶ売店やカフェスペース、豆乳、ピリ辛、酒粕など5つの味から選べる「ポン酒鍋」が楽しめるレストランもあります。この鍋、出汁の半分が酒で出来てるんだって、そりゃ旨そう。
櫻宴 櫻正宗記念館
神戸市東灘区魚崎南町4-3-18
TEL:078-436-3030
灘の酒蔵巡り、もう少し続きます。
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