チェンマイの寺でお坊さんに教わったシンプルな瞑想法。
今回チェンマイまで足を伸ばしたのはとあるお寺で瞑想を体験するためでした。
「修行」というほど大げさなものではなく、お坊さんのお話を聞いて、一緒に瞑想して、をただ繰り返すというかなりのほほんとした体験。
もともと瞑想には関心があったものの仏教徒でもなくスピリチュアル関連も苦手な私。勢いで参加したものの、実際に体験するまでは少々不安がありました。
チェンマイで教わったシンプルな瞑想方法
宗教的な話ばっかりされたら嫌だなー、洗脳とかされないよね?なんて考えなくもなかったのですが、そんなことは全くなく、非常に温和で柔軟な思考を持つお坊さんに瞑想方法を教えていただきました。
気楽だったのはお坊さんが
「私はもちろん仏教徒ですが、世の中にはいろんな宗教を信じている人がいる。瞑想に興味があるけれど私は他の神を信じています、という人もいていいんですよ」
と言われたこと。なんとウェルカムなんでしょうか。洗脳の心配とか馬鹿みたいでした。
さて今回教わったのは「座り瞑想」と「歩き瞑想」の2つです。
座り瞑想の方法
- 楽な体勢で座禅を組んで座る
- 指を体の前で組む
- 「プッ」(吸う)「トー」(吐く)のリズムで呼吸する
- 目を閉じ、呼吸に意識を集中させる
歩き瞑想の方法
- 両足を揃えて立つ
- 「歩く」と決める
- 「右」「左」と出す足を確認しながら小さい歩幅で歩く
- 左右の足を交互に出すことに意識を集中させる
これだけ。
いや、お坊さんこれじゃわかりませんて!!本に書いているのと何も変わらないし!
と正直思いました。
実際、お寺に通っている間ずっと瞑想をしていたけれど、
「ああ、これが瞑想か!」
という境地には一度も至らず。
チェンマイまで行った意味はあったのか
と、これだけだと
「わざわざチェンマイまで行ったけど収穫なしでした~」
という話みたいですが、そうではありません。
わざわざここまで来たんだからどうしても効果的な方法とか瞑想で得られるメリットとかそんなことを教わりたい!なんて考えていた私。もちろんそれは決して間違いではないんですが、実は瞑想に成功も方法論もないのかも、と思い至りました。
というのも、最終日にお坊さんが
「あなたが、そして世界中の人々が今後もっと成功して、幸せを感じられるようにお祈りしますね」
と言われ目を閉じて過ごした数分間は、自分の感覚が妙に研ぎ澄まされ、意識が内側に向いて、とても静かで心地よい時間だったから。
ああ、方法論云々じゃなくて、この経験はきっと自分の人生に後々効いてくるんだろうな、という確信めいたものを感じたのです。
そもそも私が瞑想に興味を持ったのは自分のとっちらかった頭の中を整理する方法として有効だと感じたから。別に瞑想マスターになろうとか、瞑想の真実を探りたいとか、宇宙のしくみ云々なんていうのが目的ではなかったのです。
「今に意識を集中するだけで得られる心地よさが本当にあるんだな」
それがわかっただけでも十分でした。
今に集中する一番簡単な方法
その後、お寺での瞑想体験のことを思い出すにつれ、あることに気がつきました。
瞑想で得られるのが
「過去や未来に纏わる雑念に惑わされることなく今この瞬間に意識を集中することで得られる心地よさ」
だとしたら、私はブログを書くことでその時間を過ごせているなあ、と。
もちろん書く時はいろんなことを考えながら、思い出しながら書いている訳ですが、基本的には「書く」ことに集中しています。というか、集中しないと書けません。他のことをあれこれ考えながら文章を書くほど私は器用ではないのです。
今やっていることに集中する。これって意外に難しい。
歩いている時とか、スマホでなんとなくブラウジングしている時とか、食事中とか、あるいは誰かの話を聞いている時でさえ、私たちはそれらを器用に「ながら」でこなしてしまいます。気の乗らないミーティング中にああ、これが終わったらあの書類作らなきゃ、なんてついつい別のことを考えてしまうなんていう経験が誰にでもあるはず。先輩や上司に「常に先のことを考えながら行動すべし」なんて教えられた経験もあるでしょう。
でも、今やっていることに集中して取り組めばまた違った世界が見えてくるかもしれない、とも思うのです。
残念ながらちょっと教わったくらいでは瞑想マスターにはなれませんでしたが、自分が集中できる時間を既に持っているのだと改めて気付けたこと、そして自分が陥りがちな思考の癖についてもハッキリ認識できたことなど、いろいろ得たものが多かったチェンマイの旅でした。
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