台湾一周一人旅 駁二芸術特区に旗津フェリー、高雄を遊ぶ。
台湾一周一人旅も5都市目に突入。高雄に到着しました。
もともとは立ち寄る予定のなかった高雄ですが、台南から台東へ行くとなんだか旅も後半戦、南へ南へと移動していたのにいよいよ北上って感じになるのだなあなどと考えたらもう少し南側でウロウロしようかという気持ちに。
往生際悪いですね。
さて高雄に滞在するとなれば高雄を拠点にして台湾最南端の墾丁まで行くのもいいなとか、いやいや月世界ってのも気になるし、などと考えておりました。
高雄駅周辺
高雄市(たかおし/カオシュンし、中国語: 高雄市、英語: Kaohsiung)は、台湾南部に位置する台湾第二の都市。市内には台湾最大でアジアでも香港港・シンガポール港・上海港に次ぐ規模のコンテナ港である高雄港を有しており、台湾で消費される石油の大部分が輸入され同国の重工業を支えている。また輸出港としてアルミニウム、木及び紙製品、肥料、セメント、金属、機械類、船舶が輸出されている。(wikipedia)
さすが台湾第二の規模を誇る都市。駅の様子から駅周辺から突然都会でなんだかクラっと来てしまいました。おいおいお前は東京で暮らしてるんじゃないのかという話なのですが、台北をすっ飛ばして比較的のどかなエリアを回ってきた私の目の前に突然現れた巨大都市、という感じでオロオロ。
荷物をコインロッカーに預けて暫く駅前を散策したのですが、妙に都会すぎて面白みが感じられず、正直高雄に来たのちょっと失敗したかも…と思ってしまいました。これ、完全に深夜特急症候群ですね。
高雄市内の移動手段
などと巨大都市にまるで不満があるかのような出だしになりましたが、車にもバイクにも乗れない私にとって地下鉄が通っているのはかなりありがたい。
券売機でこのトークンを購入し切符代わりに使います。
と、せっかくICカードを持っているくせになぜトークンを買ったのかというと、主に台北で広く使用されているICカード「悠遊カード」は現時点では高雄の地下鉄で使用できず、2016年の7月より対応予定との情報を得たからなのでした。私の愛用しているPITAPAが都電では使えないのと同じようなことですね。がしかし。
私が台中で入手したのはコンビニエンスストア「OKマート」のICカード。これを勝手に悠遊カード形式のそれだと思い込んでいたけれど、よくよく確認してみるとこれ、高雄をはじめ主に南部で利用されているらしい「一卡通(ipass)」形式だった。と後から気付いて以後このカードを利用して移動。もちろんバスもこのカードで乗車OKです。
ちなみに台北の地下鉄やバスはすでに一卡通に対応しているので偶然とはいえ一卡通カードを購入したのは結果として正解でした。まあ7月からはどこでも使えるようになるんですけどね。
とにかく、徒歩かタクシー、そして本数の少ないバスしか選択肢がなかった今までに比べて移動はグンと楽になりました。
高雄で泊まったところ
前日の夜に急遽抑えた高雄の宿。列車の中でよくよく確認してみればチェックイン時間がなんと17:00になっているではないですか。遅ッ!!って自分が見てなかったのが悪いんだけど、にしても遅すぎない?なんで?
しかもダウンタウンを彷彿させる薄暗い路地に佇んでいる。こりゃ失敗したかね、と思いきや
宿自体は至って明るく清潔なものでした。
チェックインしてみてから気付いたのですがこのSINGLE INNというところはどうやらサウナ付き大浴場がウリの簡易ホテルのようで。日本でいうサウナ付きカプセルホテルみたいな感じ?終電逃しちゃったしもうサウナ泊まってくか、みたいなアレ。いや、泊まったことないんで想像で言ってますが。だからチェックイン時間が遅いんだ、なるほどね。
今回は女性専用エリアのシングルルームを利用。まあシングルって言っても単に個室なだけでドミトリーと価格もさほど変わらず。
詳細はまた改めて書きますが、高雄でこのタイプの宿を選択したのは結果としては正解でした。レビューにはせっかくの大浴場が汚くて入れなかった、なんて意見もあったけど、空いてたからか綺麗だったし毎回貸切状態でした。極楽極楽。
※追記 詳細書きました
関連 台湾一周一人旅 高雄、台東、花蓮で利用したお手頃で便利なホテル。
高雄で行ったところ
さて当初は高雄を拠点にちょっと遠出をしようかと考えていたのですが、じりじりと焦げるような暑さと都会の熱気にやられて少々弱気になる私。そもそもこれまでも結構あちこち出歩いて移動して、の繰り返しだったんだから、ここで欲出して飛ばすと後半に差し支えるかもしれないな、と考えたのです。そりゃそうだ。
月世界も墾丁も魅力的だけどせっかく地下鉄の通ってる街にいるんだから高雄市内でのんびり過ごすことにしましょう。宿もゆったりお風呂付き、だしね。
旧高雄駅
現在の高雄駅から歩いてすぐの位置にある2002年まで利用されていた旧駅舎がそのまま残されています。
現在は資料館として使われています。
和の雰囲気が漂うこの駅舎は日本統治時代に建設された最後の駅なのだとか。
極々小規模の展示スペースですが高雄と高雄駅の歴史がわかる資料映像なども放映されていてなかなか楽しかったです。他のエリアでもそうだったんだけど、台湾って鉄道に対する思い入れが凄く強い印象。こんな風に旧駅舎跡地を保存、利用している駅が少なくありません。
調べてみたところこの展示は2017年までの限定公開のようです。
参考 2017年までの限定公開!博物館になった旧高雄駅は鉄道ファン必見!(travel.jp)
駁二芸術特区
地下鉄オレンジラインで向かったのは鹽埕埔駅。
目指すは駁二芸術特区です。
参考 高雄市・駁二芸術特区(台湾地方文化館)
「駁二芸術特区(特別区)」は高雄港第三ドックにあり、1973年に高雄港の倉庫として建設されました。関係機関が2000年の建国記念日祝賀花火大会の開催場所を探していたとき、偶然にこのスペースを発見しました。後に「高雄駁二芸術発展協会」と「樹徳科技大学地方芸術発展工坊」が、「文化部」の「未利用スペース再利用計画」の資源を利用して活性化計画を実施した結果、ここは、台湾南部の実験創作アトリエ、及び工芸クリエイティブ発展センターに変身しました。
こちらも古い施設を再利用しているパターンですね。
新進アーティストによる現代アート展示の他映像作品の上映など不定期のイベントも多く開催されている模様。
この日はテントが出ていてクリエイターによる作品やアクセサリー、器や手作り石鹸などの販売が行われていました。
この線路はかつて港で荷物の運搬に使われたものでしょうか。
ちなみに現在でもこの場所から高雄港を巡る観光フェリーが出ています。
周りにはカフェやレストランも多いからか、家族連れのレジャーやデートスポットとして人気を集めている模様。
作品の尻に粘土を埋め込む作業に興じる男児。
そこら中こんな状態なんだから、そりゃ子供も楽しかろうね。
駅前にはレンタサイクルもあったので駁二芸術特区メインでこの辺りをぐるっと散策するのもなかなか楽しいかもしれません。
旗津フェリー
さて高雄湾のフェリーに興味を持ってしまった私はもうちょい進んで地下鉄オレンジラインの終点・西子湾まで行って旗津行きのフェリーに乗ることにしました。
フェリー乗り場までは1番出口から歩いて10分くらい。
このフェリー乗り場付近はどうやら巨大かき氷のメッカになっているらしく、恐ろしサイズのかき氷に挑んでいる勇者の姿がちらほら。みなさんお腹気をつけてくださいね。
さて、旗津とは高雄市内でも早くから開発が進んでいたエリア。もともとは本島と繋がっていたのですが高雄に新たな港を作るために1967年に本島と切り離され独立した島になったそうです。
このフェリーは観光用ではなく、普通に通勤・通学の足になっているためこのように住民が優先通行できるシステムになっています。そりゃそうだ、観光客のせいで遅刻した、とか悲しいもんね。
乗船料金は25元(約90円)もちろんICカードが使えます。本数は5~10分間隔と地下鉄並みの多さ。それだけ利用者数が多いんでしょうね。
到着までは10分程度。
庶民の足になっているフェリーといえば香港のスターフェリーを思い出すなあ。
あっという間に旗津側に到着。
フェリー乗り場付近は人力車の呼び込みや屋台がひしめき合っていてお祭りムードが漂っています。
そして旗津には海水浴場もある。
十分泳げる暑さだけれどまだ真夏じゃないからか水着になっている人は少なめ。なかなか綺麗なビーチです。
旗津でシーフードを堪能
旗津は港町らしく魚介類を食べさせる店がずらっと並んでいます。旗津に限らず、台湾のこの手の海鮮レストランはどこも素材を選んだら勝手に料理して出してくれるシステムの店が多いみたい。
そして店先のディスプレイでは魚を氷攻めにするプレイがデフォルトのようです。大物魚は一人じゃ無理だけど、せっかくだから何かいただきましょう。
その名もズバリ旗津海産店という店で、シラウオと
貝を一種選んで席で待ちます。
海鮮店ではちゃんと昼からビール呑めるのね、ありがたい。うふふ。
ちょうど厨房から料理が出てくるカウンターのまん前の席だったのでいろんな料理が見れて楽しい。
さらには人様のテーブルに並ぶご馳走をチラ見しながら待つ事数分。シラウオは天ぷらに、
貝は辛味の効いた炒め物になって登場しました。
一人だけどせっかくだからターンテーブルに料理を並べてみる。
シラウオの天ぷらはサクッとしたフリッター状の仕上がりで塩だけじゃなくてケチャップが添えられているのが新鮮。やっぱり台湾の人は甘いものが好きだから、かな?
貝の炒めものは味噌のような舌触りを感じる調味料が絡んだかなり強めの味付け。ん?なんだこのハーブの風味は?とよくよく味わってみるとこれ、バジルだ。台湾料理にバジルを使うって今まで知らなかったけど、なるほど、普通のバジルよりも野性味のある味わいで唐辛子の風味とよく合います。どちらもビールが進むいいおつまみでした。
※追記
ocapiさんからコメントをいただきました。これ、もしかしたらこの貝、カタツムリだったかもしれません。
お会計はしめて260元(約910円)。大人数で来た方がいろいろオーダーできていいのはもちろんだけど、一人でもサクッと昼酒が楽しめる海鮮系の店、いいじゃないか。
と、上機嫌で店を出ると突如現れる看板犬ならぬ看板オウムチーム。
みなさんお綺麗で、などと褒めていると
この日纏っていたカンガに目をつけられ弄ばれる。
足まで導入してもう夢中。楽しんでいただけましたでしょうか。
帰りはなぜかフェリー乗り場が大混雑で1本やり過ごす羽目になりましたが何しろ本数が多いので問題無し。
フェリーの小さな船旅を満喫しました。
西子湾で雪綿冰
さて再び西子湾駅に向かう途中、かき氷がどうにも気になってしまう。だって大碗公ってど迫力のネーミング、しかも商標取ってるっぽいですね。
別の店では30倍巨無覇。なんかダイナミックな戦いです。
もちろん戦いに挑むことはなく、普通サイズをオーダー。
芒果雪綿冰65元(=約230円)。普通サイズでも結構なボリュームです。
このミルク味のかき氷って普通の氷より薄くて儚い食感だからか結構ペロッといけちゃうよねえ。残すかも、と思ったけど難なく完食いたしました。
30倍とまではいかなくてもこれくらいのサイズを2人で、くらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。
などと思っていたら戦いの跡が。そうか、スプーンじゃなくてお玉でサーブするのか。勝ったのか負けたのかは見極めが難しいところでありますが、碗の数から察するに大人数でチャレンジした模様でなんだかほっとしました。
美麗島駅
高雄の地下鉄レッドラインとオレンジラインが交差する乗換駅、美麗島駅。
雑誌やウェブサイトが発信する世界で最も美しい駅ランキングの上位常連なのはステンドグラスを使ったパブリックアートの存在が影響している模様。
この作品を手がけたのはイタリア人アーティストなんだとか。
そして駅外観はこんな感じ。
おお、ステンドグラスもいいけど外観の方が個人的には好みかも。
出入り口部分のデザインを手がけたのは日本人建築家高松伸氏です。
パブリックアートは実際にみるとそんなにスケールが大きいものではないのでわざわざこれを見に高雄に行くことはないと思うけれど、高雄にいればきっと通るであろうこの駅。移動のついでにふとこんなスポットに立ち寄れるのは好ましいですね。
そして高雄地下鉄のジングル、とは言わないか、なんだあれ、発車のベル??とにかく、発車の際にホームで流れる音楽がどうにも台湾らしくてグッとくるのです。
愛河
美麗島駅と駁二芸術特区の間を流れる河、その名も愛河、Love River。
橋やクルーザー、川沿いの道もライトアップされていてちょっとした夜景スポットになっているようです。
河の名前も夜景もそれはそれはロマンチックなシチュエーションではあるのですが、川沿いの店からか船から激しく繰り広げられるカラオケ合戦がロマンを上回っていて微笑ましい。よってこんな風に一人でふらふら写真撮りに出かけても全然場違い感はありません。カラオケパワー恐るべし。
六合夜市
美麗島の駅前に広がる夜市、六合夜市。
こちらはこれまでの都市でチェックした夜市とは違って駅前なわけですよ。気軽に来れる場所なわけですよ。
高雄らしく海鮮系の店がずらっと並んでいるわけですよ。となると
やっぱり!ここ六合夜市ではビールを置いている店がかなりたくさんありました。どうなんだろう、やっぱり交通の便と夜市での飲酒状況は関係あるのかしら?
海鮮は旗津で食べたので、せっかくだからたまには夜市の屋台っぽいものでも食べますか。
で、胡椒餅20元(=約70円)。平たく言えばブラックペッパーのたっぷり効いた台湾バーガーってとこでしょうか。結構パンチが効いてて美味しいけど、これひとつでお腹一杯になっちゃうなあ。あ、違う、この前に海鮮入りビーフンも食べたんだった。そりゃ腹膨れるわ。
入り口ではバルーンアートのパフォーマーが
ギャラリーの少年をアシスタントに据えて子供の可愛らしさを武器に客足を伸ばす。
規模的にも内容的にもここの夜市は酒飲みには結構嬉しいかも。駅から近くてアクセスがいいのも嬉しいところです。
と、振り返ってみれば結局高雄駅周辺をうろちょろしただけで終わっちゃったなあという感じの高雄滞在でしたが、ここらでペースダウンしておくのも一つの作戦。なんだかんだで結構充実してたしお風呂にもゆっくり入れたし、で最初の「高雄に来たのは失敗だったか?」のカンは幸いにも大外れしたのでした。
と、またまた恐ろしく長くなりましたが、台湾一周の旅はまだまだ続きます。
関連 台湾一周 鉄道駅弁一人旅 その5. 高雄駅 台鐵豬腳便當。
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Comment
ハッとしたことがあり、今更感は否めませんが(笑)、コメントさせてください!
お召し上がりになった「貝」は、いわゆる海の貝ではなく、山の貝、つまりカタツムリだと思います。調理された料理を見る限り、おそらくもっとも一般的かつメジャーなカタツムリ料理である「炒螺肉」に見えるので、そう思いました〜。
とはいえ、アタマの部分が見えませんし、正確に判別できないので、間違っているかもしれませんが!
ちなみに、台湾においてカタツムリ(特に外来種であるアフリカマイマイ)の食文化は、日本植民地時代との密接な関わりがあり、たどるのが面白いテーマでもあります!
ocapiさん
!!
そうかもしれません。
実はこの貝的なものが何というものか、どういった種類のものなのか知りたくて調べたのですが明確な答えが出ずに「貝」とだけ表現したのですが、炒螺肉の画像を確認してみるとそんな気がします。
もしもカタツムリだったとなると新たな疑問なのですが、海鮮料理の店に魚とともに並べられていたということは、台湾ではカタツムリは「シーフード」扱いなのでしょうか。魚貝類であることは確かですが、海鮮料理に入るのかと考えれば不思議なような。
などという私のしょうもない疑問よりもカタツムリの歴史のほうが興味深いですね。こんな情報をいただけるなんてブログを書いていると時にはいいことがありますね、ありがとうございます!
お返事が遅くなりすみません!
カタツムリの生物学的な分類はよくわからないのですが、台湾の街角のシーフード店で散見されるカタツムリの「シーフード」としての扱いについては、実はわたしもずっと気になってきました。いろいろと台湾人に聞いているのでが、人ぞれぞれ言うことが違い、たどっていくのが結構難しいんじゃないかと思っています。
というのも、巻貝類を「カタツムリ」と総称し、海と陸の区別なく一緒に並べているシーフード料理店、「海に生息する巻貝を提供している」あるいは「食用田螺」といいながら、実際にはアフリカマイマイのような、陸に生息し、雨がふったら出てくる(我々が想像する)カタツムリを販売している(悪徳?詐欺?)店、「そもそも貝だから他の貝類と合わせて、シーフードに加えていいだろう」という店主個人の考え(テキトーさ?)に依るお店など、様々あるのです。
いわゆる「炒螺肉」という料理自体も、アフリカマイマイを使用せず、田螺を使用している場合もあるようです。
このようなカタツムリをめぐる「ビミョー」な扱いからも、「カタツムリ」をどう位置づけるか、結構ごちゃごちゃした実情があることがおわかりいただけるかもしれません・・・
なので、お召し上がりになった貝も、もしかしたらわたしが調査中によく食べていたアフリカマイマイではなく、別の種類の「カタツムリ」だったかもしれません(わたしが原住民族の村で食べていたものは、もう少し全体的に黒っぽかったですが、台北の店頭で見かけた「カタツムリ」、確かにお写真のようにクリーム色がかったブツでした)。
また何かわかりましたら、共有させてください!
ocapiさん
カタツムリ情報ありがとうございます。
こういうの掘るのすごく好きです、楽しいです!って私は疑問を書いてocapiさんに丸投げ状態ですが。
おっしゃるようにカタツムリ詐欺の線もありそうですね。それぞれ仕入れ値は大きく異なるものなのでしょうか。それもこれも台湾でカタツムリが一般的な食材であるから起こり得ることなのでしょうね。そして調べてみるとアフリカマイマイって結構危険生物扱いされている代物なのですね。知りませんでした。現在日本ではあまり馴染みのない食材ですが、俄然興味が湧いてきました。
>また何かわかりましたら、共有させてください!
ぜひぜひ!お待ちしております。