僕らが旅に出る理由 その4 ~世界は広がっていなかった~
公開日:
:
最終更新日:2015/08/10
旅人への道
10年って人や環境が変わるのに十分な長さなのだなあと改めて思います。
2004年、まだ30代で自分が何をしたいのか全くわかっていなかった頃には、まさか10年後に自分が海外生活を経て東京のシェアハウスで荷物を減らしまくる生活をしているとは夢にも思いませんでした。
私がミニマリストを目指しているのは思い立ったらすぐ旅に出たいから。いつも身軽に、モノや場所に縛られない人生を謳歌したい。それが現在の目標です。
>>参考
僕らが旅に出る理由 その1
僕らが旅に出る理由 その2
僕らが旅に出る理由 その3
会社を辞めなかった本当の理由
「もうこの会社にいても、やりたいことはできないかもしれない」
そう確信していた上に、いくつかの会社からお誘いの話もあったのにも関わらず、私はその時会社を辞めることができませんでした。
一番の理由は、責任を感じたから。
当時の新規プロジェクトに関わっていたメンバーの何人かは業務縮小を理由に退職しました。その気持ちは痛いほどわかったし道半ばにして夢を諦めざるを得なかった悔しさを考えると申し訳ない思いでいっぱいになりました。
一時は自分も辞める方向に傾いたのですが、一部門の責任者である以上、自分がここで抜けるのは間違っているのではないか、と考えなおしました。
…というのは、自分自身に対する「表向き」の理由。
もっともらしい理由が欲しくて「責任」という耳障りのいい言葉で自分を納得させていましたが、結局は自分のやりたいことや新しいチャレンジよりも、安定を選んだに過ぎません。
慣れ親しんだ社風、長年かかって獲得した発言力のあるポジション、そして十分な報酬を手放すのが怖かったのです。
今思えばとても小さなものですが、当時の私にとっては、それが全てに思えました。
地元を出ることすら考えたことのなかった私が仕事でいろんな地域を飛び回る生活をしたことで
「自分の世界が広がった」
と感じていたのに、結局私の「世界」は、会社の中と名刺交換から始まる繋がりでしか広がっていないとてもちっぽけなものでした。
私なんて今の肩書きがなければどこへも行けないし、何にもできない。
だからこそ、自分のやりたいことを追求するよりも、このポジションを守ることを優先するのが「正解」、なのだ。
そう結論付けました。
そしてそもそも「自分のやりたいこと」が何なのかもよくわからなくなっていたのです。
それでも仕事は好きだったし、愛社精神も人一倍強かった私。
「また頑張って一からやり直して、いつの日か新しいプロジェクトを立ち上げよう」
そう決意して本社でデスクワークを繰り返す日々を送ったものの、結局それ以降は仕事に対する情熱が戻ってくることはありませんでした。
つづく。
関連記事
-
マドリードのおすすめホテル 安全・便利でキッチンつき。
スペインの旅記録です。 関連 スペインの旅2015 今回はマドリードで泊まったホ
-
東京の中心で、エクスキューズミーと叫ぶ。
東京は夜の7時。約束の場所へ移動するため、地下鉄の駅へ向かう。 深くて安心、大江戸線の
-
旅の荷物軽減計画 折りたたみシューズで問題発覚。
By: Grannies Kitchen[/caption] 旅の荷物を減らしたい、そして好きな
-
どこも行けなくて・夏。
奥さん、8月です。 真夏です、盛夏です。今年も残すところあと153日となりました。
-
商売繁盛で笹もってこい 自分で選び、動くということ。
関西滞在期間の後半に十日戎に行ってきました。 「商売繁盛笹持ってこい」 全国的な
-
夏休みはセブ島で過ごしたい?ならばこれが最後のチャンス。
前回セブ島に滞在した時のことをあれこれ書いたからでしょうか、夏休みにセブ島で過ごすことを計画
-
誰だって、いつでもいちばん欲しいもの。
今回のセブ島滞在では多くのセブっ子と話す機会があったので、ネタになるかなという軽い気持ちで会
-
旅の持ち物リスト、最小限、冬、1週間。
By: Loco Steve[/caption] 前回2週間の旅の荷物を備忘録的に書いておき
-
パクチーが食べられない日本人がタイで暮らせるのか?
食の好みは年齢とともに変わるけれど、中には一向に食べられるようになる気配が訪れないものがあり
-
ただいま、を何度も作る。
By: Nattu[/caption] 年末の計画は別として、年内にも旅の予定があります。