目的か手段か、手段が目的か、それとも単なる好奇心か。

公開日: : 生き方と考え方

モノを減らすのは手段であって目的ではない。
なんて話をよく聞きますが、どんどんモノが少なくなっていくとなんとなく気分が良くなってくることもあるらしい。なんでしょう、ランナーズ・ハイみたいなもの?

最初は何らかの目的があってモノを減らそうと考えていたはずなのに、いつの間にか目的そっちのけで捨てることにばかり目が行ってしまい

「あれ、結局何がしたいんだったっけ…?」

とはたと我に返るような経験をしたことがある人もいるかもしれません。

手段が目的になってはいけない。
これもよく聞くセリフではありますが、そんなに厳密にダメってこともないよねえ。



空気だけで酔えるバー

などと考えたのは出先でたまたまロンドンにあるAlcoholic Architectureの話を目にしたから。

参考 期間限定でオープンした、アルコールを「吸って酔える」バー(WIRED)

イギリスで期間限定でオープンしたそのバーで、人は酒を「飲む」必要はない。アルコールを空気とともに吸い込むことで酩酊できるというアイデアを実現したのは、「食の魔術師」とも呼ばれる2人組だ。

サム・ボンパス氏とハリー・パー氏によるユニットBompas&Parrが手がける「空気を吸うだけで酔える」バー。

いやいやいや、ないわー。

酒は好きだけど酔うのは嫌いな私。
酒を呑むのは酒を味わいたい、料理と一緒に楽しみたいからであって、酩酊したいからでも酔って嫌なことを忘れたいからでもありません。できることなら酔わずにいつまでも呑めればいいのに、お腹いっぱいになんてならなければいいのに、とさえ思っているのに、酒も呑まずに金払って酔わなきゃいけないなんて惨すぎる。

さて、濃密なアルコールを含んだ霧の中で過ごすだけで直接アルコールを飲まずとも酔える、という画期的?なこのバーは古い修道院の中に設けられており、バーというよりは大人の科学館的お遊び要素が強い。2016年7月までの限定オープンで予約チケット制、10〜12GBPで制限時間は50分というところからしてもバーというより一種のイベント、ですね。もちろん、お子様は入場できません。

確かにこの試み、新宿二丁目の雑居ビル2Fとかでやってもさほど楽しくはないよね。かつて醸造が行われていたという歴史ある修道院の中でのイベントだからこそ興味をそそられるのでしょう。厳かな修道院と空気で酩酊する科学。だいぶ混沌としていますがそれがいい。

誰かがバーに行く理由

おしゃれなだけで大して美味しくもないのに話題になるレストランとか有名なだけでやたら高いバーとか、食そのものとして中身のない飲食店が嫌いな私。この空気バーもバーとして考えれば全然興味をそそられないけど、イベントならば箱的にも面白そう、とは思う。

うん。同じものでも視点をずらせば見え方も変わるよね。そして、もちろん人によっても変わる。

私にとって酒とは味わうもの。酒を味わう、楽しむという目的のために呑むのだけれど、別の誰かにとっての酒は酔うための手段に過ぎないのかもしれない。そもそも酒がただ美味しいだけのものだったら世界の酒文化はまた違ったものになっただろうし、酔うという結果があるからこそこんな発想がありちょっと面白いイベントも生まれるわけで。

なんて考えていたら、目的と手段を履き間違えるな云々、なんて、単なる言葉遊びに思えるよねえ。最短距離だけが正解でもあるまいし、なんにせよ、好奇心旺盛にその過程を楽しめればいいのだ。

ミニマリストの持たない暮らし

それで、なんだっけ。
ああ、また着地点を見失った気がするけれど、視点をずらせば見えることもあるという小発見をしましたよ、というお話でした。まあ、呑みながらぼんやり考えたことだからアテにはならないけどもね。

 




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