老後貧困の不安と「持てない」暮らし。
読んでるだけで気が滅入るような話だけど、これも現実なのでしょう。
参考 高齢者の9割が貧困化 「下流老人」に陥る5つのパターン(dot)
この記事の冒頭で貯蓄についての調査結果が引用されています。
内閣府調査の<世帯の高齢期への経済的備え>で、60~64歳で貯蓄が「十分だと思う」と答えた人は3.6%。「かなり足りないと思う」と答えた人はその10倍、35.5%だった。
うーん。数字が出ているわけではないので足りるも足りないも主観によるだろう、としか言えませんが。資産が1億あっても足りない人には足りないし、年金だけで慎ましく暮らせるので不安はないよ、という世帯もあるでしょう。
老後に生活レベルが変えられない悲劇
「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」の著者、藤田孝典氏は貧困に陥るパターンを
- 本人の病気や事故により高額な医療費がかかる
- 高齢者介護施設に入居できない
- 子どもがワーキングプアや引きこもりで親に寄りかかる
- 熟年離婚
- 認知症でも周りに頼れる家族がいない
と大別しています。
本人や子供、親など家族の病気や介護が原因で働くことができず収入が途絶え、貯蓄も底をつき生活が困難になる、というのは理解できます。いくら健康に気をつけて生活していても病気や事故に見舞われる危険性は誰にでもあるのだから、自己責任云々と切り捨てられる問題ではありません。
が、別のケースもあるようで。
それは
「現役時代の贅沢な生活レベルを変えることができない」
というもの。
「1部上場企業で働いてきた男性が、離婚してから食事や趣味にかけるお金を節約できず貧困になる人もいます」
そんなヤツおらんやろう~(by こだまひびき)と言いたくなりますが、これ、そう珍しいことではないようで。
幸い私の両親は現在も健在でささやかながらも身の丈にあった生活を楽しんでおり、今のところ介護の必要もないので遠くからそっと見守っている状態です。
しかし、実際に私の友人知人の中にも
「親が見栄っ張りで散財ばかりする」
「どう考えても分不相応な買い物で蓄えを切り崩して心配」
という悩みを持つ人たちが少なからずいます。
思い描いた「豊かなの老後」へのこだわり
親世帯が今まで貯めたお金や資産をどう使おうと自由なのですが、彼らが心配するのはその使い方が度を過ぎたものだったり、明らかに無意味であったり、計画性がなかったりするから。決して
「そんな無駄使いをするなら自分に残して欲しい」
などという身勝手な理由で悩んでいるのではありません。
調べてみると、もうあまり出かけることもないのにディーラーにすすめられるままに新車を購入したり、老後資金の殆どを費やして高額な墓を買ってしまったゆえに貧困に陥る、といったケースまであるようで、こればかりは社会の制度がどうであれ救えない部類の問題だと思います。
もちろん他人から見れば理解に苦しむお金の使い方でも、本人にしてみれば何かしらの意味があるのかもしれません。
が、その「意味」は恐らく
「乗らなくても車くらいは持っていないとみじめだ」
「立派な墓がないと恥ずかしい」
といった世間体を気にしたものではないでしょうか。
年金暮らしだからといって、生活レベルは落としたくない。周りに倹約していると思われたら恥ずかしい。自分が思い描いた通りの悠々自適なセカンドライフを送りたい。
もしかすると安定した大企業で順調に出世して勤め上げた人ほどそんな「みんなができるはず(だった)普通の暮らし」に強いこだわりがあるのかもしれません。
そのいびつな付き合いは必要か
そうは言っても周りは裕福なんだから、付き合っていくにもお金がかかる。状況が変わったからと言って自分だけ参加しないのはプライドが許さない、なんて場合もあるのかもしれません。
けれど、無理のある付き合いはやっぱりどこかで綻びてしまうもの。
無理をして辛い思いをしてまで維持しなければならない付き合いなんて存在しないし、豪華な食事や旅行、ゴルフやヨットなどのお金がかかる趣味の場を通じてしか話せない相手なら所詮その程度の付き合いなのです。
子供ならゲーム機を持っていないと遊びの輪に入れず苛められる、ということがあるのかも知れませんが、それは彼らがまだ未熟であるがゆえのこと。いい年をした大人が
「〇〇さんヨット手放したんだって。もう遊んでやらねー」
とか言わないでしょうし、そもそもそんな人と無理して付き合っていても仕方ないですよね。
「こんなことをしたら近所でなんて言われるか…」
「最近ゴルフに行かなくなったから生活が苦しいと思われてやしないだろうか…」
他人の目が必要以上に気になる人は、きっと自分が他人をそういう目で見ているのです。
自分自身の生活を大切にして日々を楽しんでいる人は他人の暮らしぶりなんていちいち気にならないし、ましてや大切な友人を自分と比べたり見下したりもしないでしょう。
いくつになっても変化を楽しむスキルを身つける
もちろん自分が思い描いた理想の暮らしが永遠に続けば何の問題もありませんが、それは誰にもわからない。
突然病気になることもあれば天災に巻き込まれるかもしれない。どれだけ蓄えがあっても「100%安心安定が保障された人生」なんて有り得ないのです。
だからこそ、変化に柔軟に、そしてできれば楽しみながら対応できるスキルが誰にでも必要なのではないでしょうか。
外食を楽しむ余裕がなくなったのなら安い旬の食材を使って美味い料理を作るスキルを磨けばいいし、趣味のゴルフが家計を圧迫するのなら、気の会う友人を誘ってウォーキングを兼ねた寺めぐりをするのも楽しい。
モノにこだわりがある、こだわりの趣味がある、というと確かに聞こえはいいけれどモノや環境に自分の幸せを託してしまうのは悲劇の元にもなり得ます。
あれが買えれば幸せ、これができないなら不幸、などと自分が喜べる要因を何かひとつに限定してしまうのではなく、楽しみや幸せはいろんな方法で得ることができるしなんなら自給自足もアリだな、と考えられるほうがよっぽど質の高い暮らしが送れるのではないでしょうか。冷静に自分の現実を把握して状況の変化を受け入れる強さがあれば、今日明日食べるものも寝るところもないという状況にまで追い込まれる前に、暮らしを立て直すことができるでしょう。
せっかくこれまでに十分蓄えてきたというのに妙な見栄、モノや人付き合いへの間違ったこだわりなんかに使い込んだ結果人生の終盤をグレーな時間にしてしまうのは悲しいもの。持たない暮らしじゃなくて、持てない暮らし?それでも上等だ、楽しんじゃうよ!くらい開き直って図太く生きたっていいのでは。
今まさにそんな状況に追い込まれている方がこれを読まれるかどうかはわかりませんが、モノがなくても楽しく暮らすことは可能ですよ。
騙されたと思ってどうか試してみて下さい。生活が立ち行かなくなるその前に。
40代、今の自分にできること
と、なんだかやたら長くてまとまりがなくなってきましたが、私は老後のために生きているわけではないので、今もちゃんと楽しみたいと考えるタイプ。
参考 おひとりさまのマネープラン 独身女性向けマネーセミナーに参加した。
それでももちろん将来のことなんて一切考えないぜ!と極端にはいきません。
よって40代の今、自分にできることは
- 健康を維持するために生活習慣に気を配る
- 変化に対応できる柔軟性を身につける
- 楽しみを自給自足する
- できるだけ長く収入を得られる環境を作る
- 相談し合える人間関係を作る
などでしょうか。
1~3は現状維持でほぼ問題ないと思うので、今後の目標としては4,5の充実。
特に今後5は考えるべき事案です。
もともと人見知りで引きこもり体質、孤独に滅法強く1人で行動することが全く寂しくない私。おまけに人に頼るのも苦手なので、長く社会に出ている割には人間関係は極めて狭く希薄なほうです。
幸い、少ないながらも細く長く付き合っている友人がいるので、今後もお互い決して依存することなく助け合える関係を続けられたら理想的だなと思います。
その関係を維持するために、ゴルフもヨットも豪華な温泉旅行も必要ありません。お茶の1杯でもあればそれで十分なのだからお互い何の負担もない。
何より、たまに会って近況報告ができる友人がいるのはありがたいことだものね。
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Comment
5.相談し合える人間関係を作る
これが一番大切なんでしょうね。
カワさん
貧困って金銭的なものだけじゃなくて、頼れるコミュニティがあるかどうかという点も大きいようです。
もしかしたら、お金よりも人間関係のほうが難しい問題なのかもしれませんね。