職場の人間関係に悩み、孤独力を促進。
職場の悩みの多くは、人間関係にあると聞く。
仕事そのものがつらいとかつまらないとか、自分のスキルのなさが嘆かわしいとか、長時間労働で倒れそうとか、なのに待遇が悪すぎるとか、仕事にまつわる困りごとはあれこれあるがしかし、人と一切関わらずに完結する仕事はそうそうないので、大多数の人が大なり小なり人間関係に悩んでいても、不思議はない。というか、社会とはだいたいそういうものなのだろう。
今日も客先でちょっとしたゴタゴタの話を聞き、あら大変ですねと思い、そのまま言う。
大変ですね。などと思い切り他人事のような返答ができるのは、その通り人様の会社で起こっている他人事だからなのだけど、そもそも自分が他者と密接な関係を築くことがたいそう苦手な人間であることも要因のひとつである。
他者との関係構築が不得手だという特性は、日常生活全般においてデメリットが多すぎる。でも、悪いことばかりでもないなと思わなくもない。
こんな自分にも世間はやさしい。
「crispyさん、営業部の山田さん(仮名)と関わらないほうがいいですよ。あの人ったら××で、△△な上に、なんと★★なんだから!」
などと、頼みもしないのに他者の詳細情報を伝えてきてくれる人は、どんな場所にも、山ほどいる。
もしも自分が人付き合いが好きで、かつパッシブでエモーショナルな人間だったならば、怒りや妬みや嫌悪などが絶妙にブレンドされた「気」に持っていかれるか、そうでなくても親身に話を聞いてしまって、結局何もできない自分を責める。などの謎行為にきっと走ってしまう。複雑にこじれた糸を器用に綺麗に解きほぐす。そんな芸当は、どう転んでもできる気がしないから。
職場の人間関係問題について吐露されるシーンで毎度
「大丈夫です。私、自分の仕事に支障がなければ誰がどうでも一切気にならないので」
とうっすら微笑んでさっぱりとその場を去れるのは、持って生まれた、というか、持って生まれなかったコミュニケーション能力のなさの賜物ともいえよう。いえないか。いえないが、孤独力の促進には間違いなく一役買っている。どこでも、何にも、誰にも巻き込まれることなく、今日という1日が静かに終わっていく。
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