自分だけしか真実を知らない世界で生きる。
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音楽、映画、芸術、世界
宣言した通り「YESTERDAY」を観ました。
大規模な停電と交通事故を境に、The Beatlesという歴史的アーティストが存在しない世界に移行してしまった売れないミュージシャン。
Googleで調べてもカブト虫に関する情報しかヒットせず、ジョンもポールもジョージもリンゴも、もちろん彼らが残したはずの楽曲もすべてが存在しない世界。
彼らの偉大なる軌跡を知っているのは、自分ただひとりだけ。さて、どうするか。
自分だけしか真実を知らない世界で生きる。
結論から言えば、シンプルに楽しめる作品でした。
昔、似たような題材をテーマにした「僕はビートルズ」という漫画があったけど、あちらはそこそこ長編だったこともあり、もっとドロドロした内容だったような。
一方で、本作はもっとあっけらかんというか、そこまで状況を深掘りしないというか。主人公のジャック以外に同じ歴史を知る人たちが取った行動も、何やらあたたか過ぎて肩透かしを喰らいます。
そして両作品の決定的な違いは、主人公のビートルズ信仰度。
前者の主人公がビートルスのコピーバンドとして活躍する生粋のファンであるのに対し、本作の主人公は、ライトなリスナー。シンガーソングライターのはしくれとして、一応知識をおさえてはいますよ?程度の距離感でビートルズと付き合っており、中学時代に演奏したのはオアシスだし、Eleanor Rigbyの歌詞もうる覚え。微妙なコードの再現もできない、ごくごく一般的なリスナーなのです。
ジャックが演奏するビートルズ曲のアレンジがことごとくダサいのも、ちょいちょいおかしな解釈をしているのも、ライトリスナーであることを表現するための演出、なのでしょう。
私自身「オリジナルアレンジこそが至高」という考え方なのでアレですが、ビートルズの曲って、アレンジ間違ったら一気にボケるし、古めかしくなるよね、と本作でしみじみ。実際、どれも50年以上前の楽曲だから古いんだけどさ。
幸せってなんじゃらほい

ビートルズってもはや歴史上の人物すぎて、リアルタイムを知らない人間にとってはギリシャ神話並みにリアリティがない。
数年前、ポールの来日公演に足を運んだ自分ですら「実在したのか…」という妙な感覚に陥りました。70を過ぎてのあのパフォーマンス、さすがにSirは素晴らしかったけど、ニューヨークでダコタ・ハウスを目の当たりにした際の感情の方が、彼らを歴史として認識している自分の感覚に近かったという不思議。
だからこそ、後半に出てくるパラレルワールドらしい展開は、ファンならばグッとくる、のかな。「普通がいちばん」って言われても、幸せってなんじゃらほい。
モノをたくさん持てば、幸せになれるのか
ところで「世界的スーパースター」を題材にした映画は、この先もう生まれないでしょうかね。人々の好みがこれだけ多様化している現在、king of POP 並みのスターは、もう出てはこないだろうから。
右向け右!で猫も杓子も同じものに熱狂する。そんな現象が起きない世界はある意味健全で、我々は幸せな進化を遂げているのかもしれません。
使い勝手全振りトート 女の価値は鞄でわかる。
自分が慣れ親しんだものとはちょっと違う世界に、いつのまにか移動していた—。
そういや以前観た「恋はデジャ・ブ」も種類は違えどこの手の話。
人生やり直したい、来世になったら本気出す勢の自分はこういうパラレルワールド、異次元もの?の設定に少なからず憧れがあるようです。
明日起きたら世界変わってないかな〜とか、たまに考えません?
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