30代、40代 大人のシェアハウス生活は本当に「地獄」なのか。
中年世代のシェアハウス利用について。おそらくかなりの編集、という名の脚色がなされているのでしょうが、ちょっと面白かったのでシェア。元記事は日刊SPA!。
38歳の独身男性がシェアハウスに住み悲惨 「地獄ですね」と嘆き(livedoor news)
2畳ほどの空間にユニットバスが完備されている
という時点でこの男性もシェアハウス物件も実在しないか、またはかなり脚色された記事だと思われるわけですが(2畳の部屋内にユニットバスって無理よね?)、まあそれはそれとして乗っかってみましょう。
30代、40代 大人のシェアハウス生活は本当に「地獄」なのか
- 東京都内のシェアハウスに引っ越した38歳の独身男性が現状を語っている
- 「僕以外はみな20代前半で、僕とは話が噛み合わなかった」と話す男性
- 契約が切れるまでの残り5か月が「地獄ですね」と話している
この男性、女性がいるシェアハウスに住めば若い彼女ができるかも、と淡い期待を持って大規模シェア物件に入居したものの、住人と打ち解けられずにすっかり自室に引きこもってしまっている、とのこと。
うーん。
私はと言えば、シェアハウスに住み始めてから早くも半年以上が経過しました。
そもそも40代の私がシェアハウスを選択したのはやむを得ない事情があったからです。
「合わなければまた引っ越せばいいや」
と考えていたシェアハウスですが、実際に住んでみると想像以上に快適だったのですっかり馴染んでいます。
「馴染んでいる」と言っても、相変わらず他の住人とは殆ど交流していません。普通に挨拶はするし、旅行のお土産をいただいたり、渡したり、などのちょっとしたやりとりはありますが、べたべたする関係は望んでいないので最低限の交流です。
以前も書きましたが、テレビ番組等の影響で
「シェアハウスはみんなでワイワイ仲良く暮らすところ」
という印象を持っていたり、それを期待して入居する方が多いようなのですが、「ワイワイ」したくない人や人見知りが激しくてなかなか自分から積極的に輪の中に入っていけないような人でもシェアハウスで快適に暮らすことはできます。シェアハウスは「ワイワイ」するところではなくて、ただの「住まい」ですから。
30代、40代でもシェアハウス暮らしに向いている人
私がシェアハウスを気に入っている理由はいくつかあります。同じような志向の人はそんなに多くはないかもしれませんが、
- いろんな場所で生活してみたい
- 気軽に入居・退去したい
- 少ないモノだけで暮らしたい
- 贅沢な空間で暮らしたい
- 掃除などの家事に時間を取られたくない
という方にはシェアハウス生活はおすすめです。
初期費用が安く、気軽に入退去できる環境は定住意識の希薄な私には大きな魅力。身体ひとつで気軽に移動できるように家具家電付きの物件がもっと増えればいいのにとすら思っています。
日本の世帯構造は一人暮らしが主流 ~公共住宅はすべてコレクティブハウスに~
また、現在の住まいは設備がいいところも魅力。単身者マンションで広いキッチンやバスルーム、明るいテラスを手に入れようと思ったら、かなり高級物件になってしまいますが、シェアハウスなら簡単に実現できてしまいます。
そんな贅沢な空間を利用できる上に、トイレやキッチン、バスルームの掃除は全て清掃業者さんにお任せというところも高ポイント。掃除をしなくていいので洗剤や掃除用具も不要。これは助かります。
と、シェアハウス暮らしは現在の私のライフスタイルには結構しっくりくるのでした。
シェアハウス生活、向き不向きは年齢の問題ではない
さてこの記事は
キッチンが共同のため、自炊することもできず、主に夕食はマクドナルドのハンバーガーをテイクアウトして2畳の部屋で食べているという。
という一文からも垣間見れるようにどうやら
「38歳にもなって独身でシェアハウスに住むことの惨めさ」
を伝えたい模様です。いやいや、東京にテイクアウトできる店なんて山ほどあるんだからただ単にこの人がマクドナルド好きなだけでしょ、というつっこみは野暮なのかもしれませんが、こういうオーバーな表現で読者を煽るのがSPA!の方針なのでしょう。
が、彼が落胆している原因は年齢でもシェアハウスでもなく、
「若い彼女ができるかも、という期待が外れてしまった」
こと。夢が叶わなかったら、年齢関係なく誰だってつらいでしょう。いや、これは夢とは言えないかもしれないし、そもそもの設定からしていろいろおかしいわけですが。
何度もいいますが、シェアハウスって出会いの場でも合コン会場でもなく、単なる「住まい」ですからね。女の子とキャッキャできるらしいなんていうメディアの情報を鵜呑みにしてそれ以上を期待するのはさすがにどうかと思います。踊らされすぎ。
この記事だってざっと読むと「40近くなってシェアハウスになんて住むのは悲惨」という感想になりそうですが、普通に考えれば別に20代でも合わない人は合わないし、40代、50代でも楽しく生活できる人もいるわけで。
これはシェアハウスに限ったことではなく、何でもそうですけどね。
何歳でも、興味があるなら試したほうがいい
シェアハウスに興味がある人がリサーチがてら読んだら「やっぱりやめておこうかな」と思い留まってしまいそうなこの記事。
でも、40代かつ「ワイワイ」しなくても普通にシェアハウス生活を送っている人間も実在するので
「40過ぎてシェアハウスなんてキツい」
などという先入観を持たずに住んでみればいいと思います。
もちろん、40代だけじゃなくて、10代、20代、30代の若い世代で興味のある人にもおすすめします。特に地方から上京したいけど東京でいきなり一人暮らしするのは不安だし、経済的にも負担が大きい、何のツテもコネもない場所での職探し部屋探しを考えるだけで怖い!なんて場合のスタート地点として、シェアハウスはいい選択肢ではないでしょうか。
別に一生そこに住まなきゃならないわけじゃなし、合わなければ、また引っ越せばいいだけの話。別に大したことじゃありません。
と、限りなくネタっぽい記事だなあと思いつつも、あえて乗っかってみました。
シェアハウスだろうが持ち家だろうが賃貸だろうが、結局自分の生活を「天国」にするも「地獄」にするも自分次第。また、それができることが大人の醍醐味。うまくいかないことを、まわりがどうだ、環境がどうだ、世間がどうだと外的要因のせいにばかりしていたら、自分の満足する生活は一生かかっても手に入りません。
せっかく40年以上生きてきて多少は知恵もついたのだから、あらゆる経験や知識を総動員して少しでも住まいを「天国」に近づけていきたいものです。
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Comment
「2畳ほどの空間にユニットバスが完備されている」のところですが,2畳のなかにユニットバスが入っているわけではなくて,2畳+ユニットバスということではないでしょうか?ビジネスホテルを改築したということですので,おそらくそうだと思います.
カカポさん
コメントありがとうございます。
>2畳+ユニットバスということではないでしょうか?
確かに、この文脈からはそうとも考えられますよね。が、旅館業法では10室以上を有するホテルの最低有効面積は洋室9㎡とのこと。和室でも7㎡(約4畳)なので、「2畳ほどの空間」は(少なく)盛っているのか、フェイクなのか…と思ってしまった次第です。あるいはベッドのスペースを除いたら「2畳ほど」になるのかもしれませんが。
参考>>
品川区保健所「旅館業のてびき」
http://bit.ly/1GiCp5p
いずれにしてもこの男性が実在するのなら、彼女を作るアテが外れたのは気の毒だけど契約期間の半年間は話のネタだと思って面白おかしく暮らせばいいじゃないと言いたいです。
これからもよろしくお願いします。