EMILIO PUCCIのボストンをご近所使いに。
服はかなり減ったものの、鞄と靴がまだまだ多い気がするこの頃。
靴は少々妥協して持っているものもないとはいえないけれど、鞄群に関してはほぼ「お気に入り」だけで構築されているのでまあよしとしましょう。
最近、私にとってのファッションアイテムって「趣味の道具」かもしれないなあと思い始めました。
が、それについては改めて書くことにして、久しぶりに偏愛アイテムの話など。
偏愛アイテム その6 コーデュロイのボストンバッグ
15年程前に某セレクトショップで一目ぼれして購入したエミリオ・プッチのボストンバッグ。確か2000年あたりなのでまだ銀座の路面店オープン前、日本に直営店がなかった頃のお話です。
プッチといえばあの特徴的なプリントが印象的ですが、このバッグに使われているのは一見それとはわからない妙なアニマル柄。形も、色合いも、サイズもかなり気に入って当時は本当に頻繁に使っていました。が、それだけお気に入りなのに買ってすぐ酔っ払って赤ワインをぶちまけるという大失態をしでかしてるんですけどね…。
素材が素材だけに冬にしか使わなかったとはいえ、さすがに15年選手。淡い水色という色合いも影響してか「お出かけ」に使うにはかなりくたびれてきてしまいました。水色もずいぶん褪せちゃったし。
序盤にワインで汚したのは大失敗でしたが、それがなくても劣化しやすいコーデュロイをここまで使えれば本望、というほどに活躍してきたバッグ。さすがにもう引退させてもいいのかなと考えたのですが、どうにも好き過ぎて手放す気になれません。既に人から見たら随分古ぼけたバッグだなあ、くらいの印象にまでなっていると思うのですが、自分の愛情は新しい頃と何ら変わらず、なのです。
というわけで、ご近所バッグとしてもう少し使うことにします。
見た目以上にとても軽いので近所に買い物に出かける時や仕事をしにカフェに行く時にも使いやすいです。サイズも大きいからラップトップも余裕で入るしね。
いやあ、まさかこのバッグをご近所仕様にする時がくるとは思わなかった。でも、好きなものはできるだけたくさん使いたいもんね、大事に仕舞い込んでいても仕方ない。今の私には「ただ所有しているだけで使わない」ようなアイテムは必要ないのだから。
叶わなかった「夢」
ところで数年前にプッチのスタッフさんとこのバッグの柄の話になり、「私も見たことがないファブリックなので60年代か70年代のデザインかもしれません」と、ブランドヒストリーの分厚いカタログを開いて一緒に探しまくったけれど、結局いつのコレクションで使われていたものかはわかりませんでした。
近年はデザイナーとの相性が悪いのか、好みの路線から大きく外れてしまったので残念ながら新しいコレクションには全然興味が沸きません。まあ、これも縁ってやつですかね。
しかしあの当時のプッチは本当に好きで、カッペリーニのソファが置けるような大きなマンションに住みたいと本気で思っていました。
(Photo:www.Cappellini.it)
このソファとそれが似合う部屋を手に入れること。それがあの頃の夢のひとつでした。これを書いてて今思い出した。
結局夢は叶うことなくこのソファも廃盤になってしまったけれど、もしもあの頃手に入れていたとしたら、その後私の人生は何か変わっていたのかしら?それは誰にもわからないけれど、あればあったでとても大切に使ったであろうことは容易に想像できるし、なければないで不幸にもならなかった、というのもまた事実。
当時はそれが手に入りさえすれば幸せになれるとすら考えていた「モノ」たち。でも、今となっては管理のことを考えるとむしろ買わなくてよかったのかも、なんて思えるから、人間の欲なんて儚くもいい加減なものですね。
「夢」といってもあれが欲しい、これが買いたいなんていう「物質的な夢(というか、ただの物欲)」なら、叶わなくても、そして叶っても、人生自体にはさほど大きな影響はないってことなんでしょう。
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