キャパシティの小さい人間が持てるモノの数。
capacityという単語。日本で多用されるようになったのはいつ頃からだったでしょうか。
本来いろんな意味で使われる単語ですが、日常的に使われる意味合いとしては
5 (…を)達成[産出,忍耐]し得る能力,(最大)生産能力,可能性;適応性,性能.(goo辞書)
が最も多いでしょうか。
何れにしてもキャパーオーバーとかキャパが小さい、狭い、など、あまり良い意味で使われる言葉ではないような気がするのですがどうでしょうか。
キャパオーバーな買い物をする
先日久しぶりの友人とこれまた久しぶりの六本木に飲みに出掛け、すっかり気分良くなった私。最寄り駅からの帰り道にあるスーパーに寄ってあれこれ買い込んでしまいました。
ええ、そうなんです。酔っぱらうと気が大きくなって買い物をしたくなるタイプなんです。
その昔、同じタイプの友人が酔った勢いで北の国からDVD全巻セットを買ってしまったという話を聞いたときはなんでそこ行くかなと思いましたが、まあ同類です。夜遅かったこともあり会場がスーパーってとこが庶民丸出しですが。
で、翌朝目覚めて、ああ〜なんか無駄なものいっぱい買った気がする、久々にやってしまったわ、と反省したのですが。
己のアホさ加減をしかとこの目で確認しようと買ってきたものを改めてチェックしてみると、ちょうど切れていたごま油に塩、出汁昆布、春雨、そして見切り品の4枚切りイギリス食パンでした。しかも食パン2枚入り。
これで買いすぎた、反省ってどれだけ買い物キャパ狭いんでしょうか。ていうか、食パン以外全部必需品だし。
油、塩と重いものをぶら下げて帰ってきたことについて「たくさん買った」と認識していたのかとも思ったのですが、おそらく反省の原因は食パンです。
見切り品の食パンなんか買ったら急いで食べなきゃいけないじゃん!トーストなんてどう考えても1日1枚しか食べないのにダメにしたらどうすんだ?というものすごくくだらない、でも私にとっては結構大切なことを酔いが冷めゆく頭で考えながら眠っていたのでしょう。
が、ちゃんと4つ切り2枚っていう現実的に消費可能なものを買ってるんですね、酔ってたのに。朝確認するまでは6枚入りくらいに思ってたけど。偉いじゃないか。偉くはないか。
食べ物を無駄にしてしまう罪悪感
このように、私は異常なまでに
「食べ物をダメにすること」
に怯える傾向があります。ダメじゃないのに捨てなきゃいけないとかになるともうね。
関連 フランス、スーパーでの食料廃棄を法律で禁止(huffington post)
昔から食べ物を無駄にしたくない、という意識はあったのだけれど、近頃さらに強くなった気がする。一人暮らしだからということも大きいとは思いますが、足りないことより余ることがイヤ。
例えばこれが大学生の男の子とか働き盛りで忙しいお父さんがいる家庭ならば何かと難しいと思うんですよ。いつもお腹すかせて帰ってくる家族のためにたくさん用意してたら急に
「友達と食べて帰るわ」
とか
「今日は急な接待が入って」
なんてこと、普通にありますからね。でも、一人暮らしの場合は自分が消費できる量や腹具合、さらにはスケジュールでさえ自分でわかることなのにそれすらコントロールできない状態が我慢ならない。
そういう意味では私の食品貯蔵キャパはものすごく狭い。でも、多分私にはそれがちょうどいい。
キャパシティを把握することの大切さ
食品に限らず、洋服や家具、あらゆる家財道具、はたまた車や不動産まで、人間はある程度
「自分にとって心地よい所有物のキャパシティ」
が決まっているのかもしれないなあ。多いからいい・エラい、少ないからダメ、なんてものではなく、単なる個性としてのキャパシティ。一人一人顔も性格も異なるのと同じこと、程度の個性。
あれもこれも所有することで落ち着く人もいれば、限りなく身一つでいることがしっくりくる人もいる。自分のキャパシティを正しく計れないままにあれこれ買い漁ったり必要以上に捨てたりしてしまうのは、悲劇なのかもしれないね。
人間はひとつの個性として持てる量が決まっている。
なんとなく考えた仮定でしかないけれど、もしもそうだとしたら食品に限らず私は所有キャパが小さい人間なのでしょう。あれこれ多くのモノを所有し管理することよりも、限りなく身一つで自由でありたいと思ってしまうもの。
「キャパが狭い」
まあそれも個性と考えればさほど悪くはないのかな。
そうそう、件の食パンはトーストにして美味しく頂きました。
このスーパー、他のパンは普通のスーパーっぽい平凡なパンの域を出ないのだけど、このイギリス食パンだけは妙に旨いんだよなあ。ていうか、イギリス食パンのことを改めて考えはじめるとゲシュタルト崩壊するね。イギリスに食パンなんかないでしょうよ、とかね。
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