上野 翁庵で年越し蕎麦。
蕎麦が好きなので年がら年中食べたいのですが、だからということでもなく年越し蕎麦が食べたい派です。
なのに2015年の末は年越し蕎麦を食べ損ねました。なんという失態。
そこで2016年は同じ過ちを繰り返すまいと事前に蕎麦計画を立てておりました。クリスマスはニューヨークと決まっていたのでその前に年越し蕎麦イベントを終わらせておこうという算段です。
常日頃無計画に事を進めておりますが、たまには綿密に計画を立てて行動するのもいいものですね。
上野・翁庵で年越し蕎麦
年越し蕎麦会場に選択したのは上野の翁庵。上野に出ると以前は池之端藪か上野藪へ出向く事が多かったのだけれどこちらも一度チャレンジしてみたかった店。昼に上野方面へ出向く用事を作るという小細工までして出かけました。
店構えからして私好みの蕎麦屋だとわかるそれ。夕食にはちょっと早い時間に伺ったので店内には常連さんらしき方が2組ほどおられただけでとても静かでした。落語家さんのサイン色紙や著名人が紙面で店を紹介した雑誌の切り抜きなどが飾られている様がなんだか微笑ましい。
普段はメディアで紹介されました感を全面に押し出してくる飲食店を信用しないどころかむしろ毛嫌いしているくせになに微笑んでんだ、と我ながら思う。結局そんなものは店を判断する要因として大した材料ではなかったってことかしら。
年越し蕎麦はいつ、何を食べるのか。
ところで年越し蕎麦の定義とは。
年越し蕎麦(としこしそば)とは、大晦日(12月31日)に縁起を担いで食べる蕎麦で、歳末の日本の風物詩ともなっている、日本の文化であり風習である。(wikipedia)
そうですか。クリスマス前に食べている時点で年越し蕎麦じゃない感じ満載ですけどもまあ縁起物ですから。といいつつもちろんまずは熱燗をオーダー。つまみにたいそう魅力的な油揚甘辛煮をチョイスします。
間違いない。
酒を呼ぶ濃いめの味付けで煮付けた油揚げを短冊に切ったものにわさびが添えられている無骨なアテ。いいなあ、これいいなあ。以前に家で同じようなつまみで飲んだことがあるけれど、やっぱりこの手のつまみはここまでしっかり濃口に仕上げたほうが潔く旨いような。
しかし蕎麦屋で蕎麦前を楽しみながらさて最後はどの蕎麦にしようかと考えながら品書きを熟読するひと時とはなぜかように充実しているのでしょうか。何回見たって品揃えは変わらないんだけど何回も何分も見ちゃう。見る、というか読んでいる。
さて私の迷いポイントとはこの日が年越し蕎麦という位置付けであったこと。年越し蕎麦といえばやっぱり種物というイメージがあるのだけれど初めての店ではシンプルにもりを頼みたい。しかしこの店の一押しはねぎせいろときたもんだ。ああ、私は一体どうすればいいのやら。2016年を華麗に締めくくるために、そして2017年をピッカピカなアレにするための最良の選択とは?
結局ネギせいろにしました。
年越し蕎麦は種物と思い込んでいるのは恐らく寒い師走にはもりよりかけのほうがいいだろうという程度のことで特にルールはないのかもしれないし、れっきとしたルールが存在していたとしてもそもそも大晦日に食すものを相当前倒ししている時点でアウトなのでネギせいろだっていいじゃない。
そんな幾分投げやりな理由でチョイスしたネギせいろだったけれど、甘めのつゆにたっぷりと浮かんだ白ネギとイカ天。つるりとした蕎麦の喉越しに絡みつくつゆのコクでシメるはずがなんだか酒が飲みたくなるこの感じ、やはり我が選択に間違いはなし。
こうして年越し蕎麦2016年を無事満喫。こりゃいい年越しになりそうだわいと鼻歌を歌いながら店を出て駅に向かったのでした。
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翁庵
東京都台東区東上野3-39-8
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やっぱりいいね、年越し蕎麦。
生きている限りは毎年この楽しみを味わえるのだから面倒がらずにきちんと計画・実行しこんな風に書き記しつつ、この文化を継承したいものだ。
と、締めかけて気づく。去年の秋にせっかく引っ越ししたというのに、引っ越し蕎麦を食べ忘れたわ。
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