笑い転げながらワインを学ぶ。「黄金の丘で君と転げまわりたいのだ」
いやー、笑った。
笑いました。
先日読み始めたワイン本、黄金の丘で君と転げまわりたいのだ。
途中他の本を読む必要性に駆られて読み進むのが遅くなってしまったのだけど、久々に本読んで声出して笑ったわ。
ワインなんて旨けりゃいいじゃん、という人に
私はまわりにワイン好きが多いからか、結構いいワインをいただく機会が多いのですが、いかんせん知識がないもので「わー、美味しい」で終わってしまうタイプ。
この本は私のように酒ならなんでも大好き、ワインの名前なんて全然覚えられないや、という三浦しをん氏をはじめとする「ワイン丁稚」たちの成長記録。
ワイン研究科の岡元麻理恵氏による「情報を捨てよ、楽しく語り合いながらワインを飲もう」をテーマにしたワイン講座を受ける模様を綴ったものです。年2~3回のスローペースながら足掛け5年に渡って繰り広げられた講座の様子がすこぶる楽しく描かれています。
三浦しをん氏の洞察力と筆力によるところが大きいのだろうけれど、ワイン丁稚たちのキャラ立ちもよい。
チリワインのモンテス・アルファを「おしゃれなターザン」と擬人化して表現したり、器による味の違いを試すために湯のみに入れたシャス・スプリーンを「子どもの頃飴代わりに舐めていた石の味がする」などというとんでもない例えをしてみたりと、なかなか飽きさせません。
章ごとにはさまれているコラムもかなり噛み砕いて書かれており、退屈さは皆無。おっと、本書に出てきたロアルド・ダールあなたに似た人を後日読まなくては、メモメモ。
あとがきで岡元氏も書いておられますが、ワインって少し興味が出てきて産地や葡萄の品種を憶えたいな、と思っても、まずは言葉から馴染みがなさすぎて挫折しがち。ワインの入門書とよばれるものでも、憶えなければならない要素が多すぎて退屈してしまう人が多いのだそうです。ええ、私もそうですが。
レストランでスマートにオーダーするためとか、美食家の集まり(ってなんだ)で恥をかかないように、なんていう外向きの目的じゃなくて、純粋に自分好みの1本に出会う道具としてのちょっとしたワイン知識を得るため、そして、ワインをもっと普及させるためには、こういう本が役にたつんじゃないかなあ。
だって、読んでいるとすごくワインが飲みたくなるもの。
そして最終章のレストランでの食事はワイン丁稚たちの卒業式に相応しい華やかさ。こういうの読むと久しぶりにかっちりしたフレンチレストランに行きたくなりますね。この本にちなんで、コート・ドールなんてどうでしょう。
ワイン通にはあまりにも初歩的過ぎて面白みに欠けるかもしれませんが、お酒が好きでワインも好きだからもう少し詳しくなってより楽しめるようになりたいな、というお気楽ビギナーにはおススメの1冊です。
関連記事
-
-
あじの梅煮、ごぼうとにんじんの塩きんぴら献立。
鰺、あじ、アジ。 鮮魚売り場にて鯵と遭遇し、そういや以外と使用頻度が低いなと考える。過
-
-
手羽先のナンプラー漬け焼き、えのき梅おろし献立。
骨つき肉にかぶりつきたくなったので、手羽先です。 手羽先ってのはいついかなる時も骨つき
-
-
凍り豆腐と手羽先の煮もの、トマトとわかめのナムル献立。
凍り豆腐といえば乾燥状態で売られているアレがポピュラーですね。 きめ細かいしっとりした
-
-
豚ともやしの梅蒸し、焼き根菜献立。
恥ずかしながら帰ってまいりました、お久しぶりの晩酌献立です。すべてを投げ出してふて寝したくな
-
-
砂肝のにんにく炒め、蕪の煮浸し。
いやー、春っぽい。 出掛けに上着はいらないかな、と思ったものの帰り寒いのがイヤで結局着
-
-
東京の酒 澤乃井 純米生原酒しぼりたてで晩酌、塩肉じゃが 献立。
今年ラストの日本酒全国ツアーは、一周回って東京の酒。 勝手に日本酒全国ツアー そ
-
-
佐賀の酒 天吹 純米吟醸 ひまわり 生で晩酌、いわしの梅蒲焼き。
こんにちは九州、どうぞよろしくお願いします。 牛歩に次ぐ牛歩でのろのろと駒を進めてきた
-
-
焼きにんじん、酒粕入り具沢山味噌汁献立。
先週久しぶりの粕汁を連打したところではありますが、またまた酒粕です。 関連 ぶりの粕汁
-
-
私、やりたいです。その眩しさと、ある仮説。
【前回のあらすじ】 ある日ふと出会って突然恋に落ちるという憧れの体験した人物を目の当た
Comment
crispy-lifeさん、こんにちは。
毎回楽しみに拝見させて頂いてます。
さて、今回の「ロアルド・ダール」、実は小説は残念ながら読んだことがないのですが、つい2日前に読んだ大好きだった作家の森瑤子さんの小説の中に出てきた名前だったので「おおっ!」と思わずシンクロを感じてしまいました☆
その中で描かれていたのは「南から来た男」。ライターに10回連続で火を付けられたらキャデラックを、負けたら指を、というような内容です。森さんの小説はそれを題材に描いていますが、秋の夜長、ワイン片手にロアルド・ダールを読みたくなりました。
それと以前の記事ですが、湯シャン、私も6カ月弱続けています。それと同時にノースキンケア。文字通り何にもつけていません。40代ですっぴんってのもどうかと思いましたが、かなり快適。もちろんたまにはくじけそうな程茶色い肌になりますが(恐らくターンオーバーかと)。湯シャンも本当に正しいのか?と思ってしまいますが、お湯だけのお手軽さと、合成物を取り除いた芯からの健康美を考えたら、どっちも止められません。おかげで時間もお金も浮く上に、洗面がすっからかんになって見事な断捨離。年単位で続けて絶世の美女になったらご報告します。
マリコさん
いつもありがとうございます。
おおー、またまたシンクロですね。
ロアルド・ダールは「チャーリーとチョコレート工場」が有名なので、子供向けなのかと思ったら、結構渋い短編が多いようで。このワイン本に登場するのは「味」という短編なのですが、ワインの味から謎を解き明かすといった話のようです。併せて「南から来た男」も読んでみたくなりました。
>年単位で続けて絶世の美女になったらご報告します。
おお、是非とも報告して下さい!信じるものは救われると言いますから、シンプルケアで私も絶世の美女になることでしょう(願望)。
いろいろ有益な情報、ありがとうございます。